グループ長、医局長からのメッセージ

血液内科に関心がある若い人たちへSHINJI NAKAO

なぜ血液内科に惹かれるのか?

医学生や初期研修医の中には、何となく血液内科が面白そうだと思っている人がいると思います。その人達にとって関心があるのは、いろいろな診療科がある中で、先輩達がなぜ血液内科を選んだのかということではないかと思います。BSLの歓迎会や医局説明会に参加して学生さんと話をしていても「教授はどうして血液をやろうと思ったのですか?」としばしば聞かれます。そこで、私自身の動機や、ほかの若い人達から聞いた「血液内科医を選んだ理由」まとめると以下のようになります。

1. 診断はするが治療は外科に任せる、というのではなく、診断から治療まで、すべて自分が患者さんの面倒を見てあげたい。

内科の中では、診断は担当するが治療は外科に任せるという領域もあります。血液内科で診る病気は診断から治療まで全てが血液内科の中で完結します。

2. がんの治療に関わりたいが、体力がない、あるいは手先が不器用なので外科には向かない。

血液疾患の80%は悪性疾患ですが、体力や手先の器用さとは無関係に、同情心と探求心さえあればかなりの患者さんを治すことができます。がんの患者さん、特に若い患者さんのために力になりたいが、体力や手先には自信がない人という人にとって血液内科は打ってつけです。血液内科医に女性が増えているのは、これが一つの理由ではないかと思います。

3. がんや血液難病の治療に関わりたいが、実際の診ている患者さんの治療につながるような研究にも関わりたい。

他の領域の腫瘍とは異なり、血液疾患では骨髄穿刺やリンパ節生検などによって腫瘍細胞が入手しやすいため、個々の腫瘍に応じた有効な治療を見出せる可能性が高いという特徴があります。がん治療の世界で分子標的治療が急速に発展したのも血液腫瘍の経験がきっかけでした。新薬の開発に携わることはできなくても、既存の治療を組み合わせるだけの新しい工夫によって、奇跡的な治癒が得られることも血液内科診療ではしばしばあります。私自身はここが血液疾患診療の醍醐味ではなかと思っています。

4. 病理医にまかせるのではなく、診断も自分で行い、自分で治療方針を決定したい。

顕微鏡で細胞や組織を見るのが好きだが、診断だけでは物足りないので、治療にも関わりたいという人がいると思います。血液内科でも病理の先生に診断をお願いすることはしばしばありますが、白血病や多発性骨髄腫などのかなりの疾患は血液内科医自身が診断します。毒々しい白血病細胞が化学療法で消え、その後にきれいな正常細胞が骨髄に出てくる(寛解に入る)のを見るのも血液内科医の醍醐味の一つです。

5. 造血幹細胞移植という、血液と免疫を入れ替えるダイナミックな治療に関わりたい。

あらゆる内科的治療の中で、血液細胞を免疫細胞ごと置き換えるという造血幹細胞移植ほど大胆な治療はないと思います。一種の神様の領域で、今はやりの細胞療法や再生医療の先駆とも言うことができます。私自身にとってはこの治療のダイナミズムが、血液内科を選んだもっとも大きな理由でした。移植して3週間目くらいからドナー由来の白血球が無事に増えてくると今でも興奮を覚えます。また、既存の治療では治せなかった患者さんが、自分たちが工夫した造血幹細胞移植によって元気に社会復帰して行くのをみるのは医者冥利に尽きます。

なぜ金沢大学血液内科か?

金沢大学の細胞移植学分野・血液内科には他大学の血液内科にはないいくつかの特長があります。血液内科の診療は、治療手段によって造血器腫瘍に対する化学療法、造血幹細胞移植、造血障害、血栓止血診療の4分野に分けられます。多くの大学病院では特定の分野に興味が集中するためか、診療や研究の領域が限られています。しかし金沢大学血液内科(旧第三内科)では、初代教授の服部絢一先生が化学療法・骨髄移植、二代目教授の松田保先生が血栓止血学・老年病、三代目の中尾が造血障害・幹細胞移植と、それぞれ異なる領域を専門としてきたため、教室内や関連病院には血液内科のすべての領域の専門家が揃っています。このためどの血液疾患にも対応することができ、また初学者は血液診療のすべてを学ぶことができます。血液内科に興味があるがどの道で専門家を目指すかを決めかねている若い研修医にとって、金沢大学血液内科は理想的な環境にあるということができます。

二つ目の特長は、成果が臨床にすぐ還元できるような臨床に近い研究を行っているという点です。基礎医学研究は医学を発展させる上で非常に重要ですが、血液内科のような忙しい臨床教室においては、質の高い臨床と、底辺の広い基礎研究を両立させることはほとんど不可能です。ただし、臨床家にしかない視点で病気を「科学する」ことによって、基礎研究者にはできない独創的な研究を行うことは十分可能です。
 今、多くの医学生は学位よりも専門医の取得を目指しているという話をよく耳にします。研究者を目指さない人にとって学位を取ることはあまり価値のないことかもしれません。ただし、だからといって臨床家にとって研究が不要か、というと決してそうではありません。血液内科の領域には治せない難病がまだまだ沢山あり、多くの若い命が奪われています。このような血液難病を克服するためには、診療の中で臨床の役に立つ研究の必要性を肌で感じながら、独創的な視点で研究を行う、あるいは探究心を持ちながら診療にあたる人がどうしても必要です。世の中が探究心の乏しい「普通」の血液専門医だけになってしまったら、血液難病はいつまでもなくなりません。

良い仲間と働くことの意味

臨床的な知識や技術は書物や患者さんの診療、あるいは臨床に詳しい血液内科医の指導を通して習得することができます。しかし、探求する心を養うには、探究心に長けた人と一定期間診療・研究を共に行い、探求する施設を肌で感じるしかありません。金沢大学血液内科には探究心を育成できる教官や血液内科指導医が沢山います。血液内科に関心のある学生さんや、既存の治療だけで血液病を治療することに満足できない若い人は是非金沢大学血液内科に見学・研修に来てください。血液内科医・血液学研究者として充実した生活が送れることを保証します。

金沢大学大学院医学系研究科 細胞移植学(血液・呼吸器内科)教授
金沢大学附属病院 血液内科科長
中尾 眞二

血栓止血学に関心のある若い人へHIDESAKU ASAKURA

血栓止血の臨床を担当する上で、最も大きな特徴は、内科系、外科系関わらず多くの臨床各科との交流が深いことがあげられます。血栓症も出血も全身臓器の血管で起こりうるのが理由です。

 人間の死因としては、1/3が悪性腫瘍、1/3が血栓症、1/3がその他の疾患であることが知られています。血栓症は悪性腫瘍とともに人類が克服すべき重要な疾患といえるでしょう。

 血栓止血外来には毎日、院内&院外から多くの患者さんをご紹介いただきます。これほどまでに紹介患者さんの多い専門領域もあまりないのではないでしょうか。例えば、習慣性流産(不育症)の精査加療目的に産婦人科から、深部静脈血栓症/肺塞栓の精査加療目的に全て内科系・外科系の臨床各科から、播種性血管内凝固症候群(DIC)も全科からご紹介いただいています。抗血栓療法も的確に使い分け駆使する能力が求められます。これらの疾患は、血栓止血関連マーカーを正確に評価できないと診断できないのみならず、診断治療の遅れは、患者さんの予後に直結いたします。

 原因不明の血栓性素因や出血性素因、先天性凝固異常症なども、全国の医療機関からご紹介いただきます。遺伝子解析も数多く行ってきました。先天性血友病、von Willebrand病、後天性血友病などの出血性疾患も、血栓止血学の研鑽をつんできた臨床医にとっては決して難しくないのですが、経験のない臨床医にとっては立ち往生してしまうかも知れません。

 血栓止血の臨床という観点からは、金沢大学は最もレベルの高い診療を提供している医療機関の一つではないかと思います。1年間、金沢大学附属病院血液内科の血栓止血外来で指導医のもとで研修すれば、間違いなく血栓止血のエクスパートになれるでしょう。そして、研修をつんだあとは、多くの臨床各科から頼られる「血栓止血をしみじみ分かる臨床医」として、活躍の場を広げられることと思います。

 大学病院の使命は臨床のみならず、研究もあります。研究につきましては、血栓止血研究室紹介をみていただければと思いますが、播種性血管内凝固症候群(DIC)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、凝固異常などについて最先端の研究が可能です。

>血栓止血研究室紹介へ

教育は、医学部学生や大学院学生の教育のみならず、インターネットを通して日本中の血栓止血を学ぶ者に情報を発信してきました。学生や研修医の皆さんで、私たちが発信しているインターネット情報をみたことがない人は一人もいないのではないでしょうか。

私たちのブログ「金沢大学 血液内科・呼吸器内科/血液・呼吸器内科のお役立ち情報」を数多くご利用いただきました。その利用者から「便利だがリンク先ジャンプ中に迷子になるので、書籍化してほしい」とのご要望もありましたので、ブログの書籍化も行われています。

>しみじみわかる血栓止血 Vol.1 DIC・血液凝固検査編
>しみじみわかる血栓止血 Vol.2  血栓症・抗血栓療法編

ブログや書籍は全国の多くの皆様にご利用いただいていまので、責任重大ですが、金沢大学の血栓止血情報が多くの皆様にお役にたっているのは嬉しいことです。

 日本において、血栓止血学の楽しさをしみじみ分かる人が増えることを願っています。そのためにも、私たちの血栓止血研究室の門をたたいてくださる若手の皆さんが一人でも増えることを願ってやみません。

金沢大学附属病院 病院臨床教授
血栓止血研究室チーフ
朝倉英策

呼吸器内科に関心がある若い方へ

呼吸器内科が扱う疾患には様々なものがあります。Common diseaseとよばれる気管支炎、肺炎から気管支喘息、タバコ関連疾患としての慢性閉塞性肺疾患(COPD)、生活習慣病としての睡眠時無呼吸症候群、日本人の悪性腫瘍の中で最多の肺癌、難治性である間質性肺炎など多岐にわたります。高い専門性が必要とされ流ので、敷居が高いように感じるかもしれませんが、基礎を学んでしまえば応用がきくので、そんなに難しくはありません。患者さんは咳、痰、呼吸困難といった症状を抱えてこられますので、これがうまく診断・治療できた時の喜びは大きいものがあります。専門医の面目躍如といったところです。これらを身につけてもらえることは我々に取ってもこの上ない喜びです。
 呼吸器内科の多くの分野で進歩が見られるようになってきました。従来透視による確認だけに頼ってきた経気管支肺生検は気管支ナビゲーションシステムで病変の部位を同定し、超音波内視鏡で確認するようになりました。難治で治療法が少なかった特発性間質性肺炎には新規の治療として抗線維化薬が用いられています。重症気管支喘息にも抗体薬以外にも気管支鏡を用いた気管支サーモプラスティが実用化されました。治癒不可能とされた進行肺癌にも薬物療法による延命だけでなく治癒の可能性が見えてきました。最近20年の呼吸器疾患の診療・研究の進歩に、我々自身が目を見張るようなものがあります。今後もさらに新しい進歩が見られることは間違いありません。皆さんもこの呼吸器内科の新しい潮流を実感してみませんか。

金沢大学附属病院 病院臨床教授
呼吸器内科研究室チーフ
笠原 寿郎

医局長からのメッセージ

申し訳ありません。現在準備中です。

連絡先CONTACT

医局長:近藤恭夫

〒920-8641 金沢市宝町13-1
金沢大学附属病院血液内科・呼吸器内科(旧第三内科)

電話(医局長室): 076-265-2272
電話(医局事務): 076-265-2274(2275)

FAX : 076-234-4252

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