金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2017年7月12日

出血と血栓の両病態がみられる疾患・病態

平成29年度 血液内科学系統講義試験

平成29年7月12日 水曜日 試験時間 16時00分〜17時00分 (60分間)

問23.    出血と血栓の両病態がみられる疾患・病態として誤っているのはどれか。1つ選べ。


a.    電撃性紫斑病
b.    アミロイドーシス
c.    真性多血症/真性赤血球増加症
d.    Upshaw-Schulman症候群
e.    ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)


(解説)
a.    電撃性紫斑病では、プロテインCが著減して、DICと類似した著しい凝固活性化状態になります。皮膚の微小循環レベルで微小血栓が多発して、二次的に出血するために紫斑もきたします。

b.    アミロイドーシス:アミロイド繊維に第X因子が吸着されたり、線溶活性化、血管壁の脆弱性などが原因となって出血をきたします。

c.    真性多血症/真性赤血球増加症:ヘマトクリットの上昇や血小板数の増加などが原因となって血栓傾向になりますが、一方で血小板の機能は低下しているために、出血傾向もみられます。

d.    Upshaw-Schulman症候群:先天性のTTPです。血小板活性化に伴い血栓傾向になりますが、一方で血小板数が著減していますので、出血もみられます。

e.    ヘパリン起因性血小板減少症(HIT):血小板活性化に伴い血栓傾向になりますが、一方で血小板数が著減していますので、出血もみられます。


(正答)   b


 <リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:52 | 医師国家試験・専門医試験対策

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