金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2009年06月09日

厚生労働省DIC診断基準の特徴(図解38)

DIC診断基準:厚労省、ISTH、急性期(図解37)から続く

DIC38
 
厚生労働省(旧厚生省)DIC診断規準は、1980年にこの世に登場して20年以上経過していますが、今だに頻用されています。つまり、20年以上も使用されてきた完成度の高い診断基準ということができるでしょう。今だに、日本で最も使用されている診断基準です。

こんなに長らく使用されてきたのは、優れた点が多いからではないかと考えられます。

1)    まず、旧厚生省DIC診断基準は、典型的なDIC症例でみられる臨床症状・検査所見を列挙していることが挙げられます。典型的なDICというのはこのようなものであると言うことをしっかり示してくれています。この診断基準の特長ということができます。

2)    臨床症状や臨床検査所見に対してスコアをつけることによって、客観性のある診断基準となっています。

3)    全ての基礎疾患においてこの診断基準を適用することができます。診断基準内で、白血病群、非白血病群と言った分類を行うことによってスコアリングの方法が違うことが明記されています。換言しますと、白血病群、非白血病群のいずれであってもこの診断基準を用いてDICを診断することが可能です。

この優れたDIC診断基準ですが、問題点も指摘されてきました。


(続く)

旧厚生省DIC診断基準の問題点(図解39)
 

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 04:47| 播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解) | コメント(0)

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