金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年06月19日

von Willebrand病:少量デスモプレシン皮下注

論文紹介です。

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1型von Willebrand病の小児に対する少量デスモプレシン皮下注の効果」

著者名:Akin M.
雑誌名:Hematology   18: 115-118, 2013.


<論文の要旨>

著者らは、1型von Willebrand病(VWD)に対する少量デスモプレシン(DDAVP)皮下注の効果につき検討しました。

対象は小児14例(3〜16才)で、1型VWDの診断がなされ出血の既往と家族歴がみられました。

DDAVPの投与量は平均0.15(0.12〜0.18)μg/kgとしました。

VWF:Rco, VWF:Ag, FVIII:Cの前値の平均はそれぞれ、28(20-30)、34(25-42)、40(29-48)U/dlでした。

DDAVP皮下注1時間後に、VWF:Rco, VWF:Ag, FVIII:Cの平均はそれぞれ、109(72-144)、132(88-166)、151(96-198)U/dlでした。


以上、小児の1型VWDに対する少量のDDAVP皮下注投与は少なくとも0.3μg/kgの経静脈投与と同等の効果がありました。

DDAVPは、特に発展途上国においてさらに普及してもよい治療ではないかと考えられました。


<リンク>
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:30| 出血性疾患