金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2015年02月04日

心房細動とアスピリン、ワルファリン、新規経口抗凝固薬

スライド34


上図は、心房細動に対して抗血栓療法を行った場合の脳卒中低減率を図にしたものです。

心房細動に対しては抗血小板療法ではなく抗凝固療法が有効であることが知られています。
ただし、全く無効という訳ではなく、プラセボよりは有効です(一番左の棒グラフ)。

アスピリン単独と、アスピリン&クロピドグレル(プラビックス)併用を比較したのが、左から2番目の棒グラフです。併用の方が良いようです。

しかし、アスピリン&クロピドグレルの併用療法と比較して、ワルファリン単独は遥かに有効です(左から3番目の棒グラフ)。
心房細動に対するワルファリン療法は、いわばゴールデンスタンダードと言えるでしょう。
このゴールデンスタンダードを、上図では赤線で示してみました。

これに対して、新規経口抗凝固薬(NOAC)(上図では、ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン)は、ゴールデンスタンダードのワルファリンを上回る効果です。
NOACパワーは素晴らしいですね。

なお、それぞれ違った背景での臨床試験ですので、棒グラフを横同士で比較してはいけませんので、注意していただければと思います。

 

 

<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
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参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:55| 抗凝固療法