金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2016年02月23日

超高齢社会を見据えた未来医療予想図(7)メタボ対策いつまで?

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報からです。
今回は、特別講演です。

飯島勝矢先生 特別講演
(金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会:平成27年6月21日)


超高齢社会を見据えた未来医療予想図(7)

〜フレイル予防からケアまでを俯瞰した地域包括ケアシステム構築〜」

<メタボ対策はいつまで?>
中年層のメタボ対策は重要です。

生活習慣病対策はきっちりやらなければいけませんし、エビデンスも十分豊富です。

ですから、生活習慣病対策、市民目線の言葉で言えば、しっかり歩こうね、しっかり適正なダイエットだ、と言う事になります。


高齢期、特に75歳を超えた後期高齢者であっても、健康診断を受けて、おなか周りも恰幅良い、中性脂肪が高い、高血圧もあって、血糖もちょっと微妙だねってことになるとメタボっぽいという話になります。


メタボの話になると、市民側は今日の夕飯から減らしなさいと言うふうに受け取ります。

なぜなら、メタボ概念というのは、あなたの食事はカロリーオーバーだという風に市民は認識しています。

だから、おなかは空いているけれども仕方がないかと思いながらも我慢を強いられますので、結局は3〜4日しか続きません。


そして、予防法システムとして、しっかり歩こう、しっかり運動、しっかり噛んでしっかり食べよう、そしてしっかり社会参加だと、日本中誰も異論がありません。

しかし、誰に対してこれを教育するのか問題があります。

暦年齢でも70歳超えましたね、だったらもう高血圧の薬やめて塩分とかも控えなくてしっかり食べたらどうですか、なんて薄っぺらなガイドラインを作る訳にもいきません。


75歳超えてもそのまま暦年齢ではいけません。

個人差も大きいですし、あと漫然とどこまでスタチンを飲ませるのかもあります。

例えば開業医の先生方に、老年医学会の飯島先生達がガイドラインなかなか作らないからスタチン切れないんだよなっていうバッシングを受ける時もあります。

もうちょっと胸張って撤退したいと言われる時もあります。

是か非かは別ですよ。

個人差が大きいので中々難しいです。
とは言ってもある程度のこのメタボ概念(カロリー控えめ)から、しっかり噛んでというフレイル予防、すなわちタンパク質を中心にしっかり食べようというギアチェンジをどこで入れるのかが問題です。

我々の頭の中だけでなくて、市民に自分ごと化としてストンと落ちるのかという所をやらなければいけません。


僕も虚弱予防の大規模試験を走らせていますが、データ集めて、解析して学会発表してペーパー書いておしまいにならないようにしたいです。

自戒の念も込めてですが、日本全国モデルでどうコミュニティにフィードバックするのかっていう事をど真ん中で考えてやっていく戦略研究を大切にしたいです。


(続く)

★ 本稿は、東京大学 高齢社会総合研究機構 飯島勝矢先生のご講演をを拝聴した事務局が原稿化したものです。もし内容に不正確な部分があった場合には当事務局の責任ですので、ご容赦お願いします。


<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:20| その他