金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2016年07月15日

血栓止血関連疾患の検査、治療

平成28年度血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成28年7月13日(水)


問27.    血栓止血関連疾患の検査、治療に関する記載として誤っているのはどれか。1つ選べ。


a.    経口避妊薬を内服すると血中プロテインS活性が低下する。
b.    ワルファリンコントロールは、PT-INR 2〜3前後で行うことが多い。
c.    深部静脈血栓症(DVT)の再発予防としては、新規経口抗凝固薬(直接作用型経口抗凝固薬)内服が有効である。
d.    血友病Bの出血に対しては、遺伝子組換え第IX因子製剤が有効である。
e.    von Willebrand病の出血に対しては、遺伝子組換え第VIII因子製剤が有効である。



(解説)

a.    経口避妊薬を内服すると血中プロテインS活性が低下することが、経口避妊薬の血栓傾向の原因と考えられている。

b.    ワルファリンコントロールは、PT-INR 2〜3前後で行う。

c.    深部静脈血栓症(DVT)の再発予防としては、新規経口抗凝固薬(直接作用型経口抗凝固薬)内服が有効である。アスピリンは無効である。

d.  血友病Bの出血に対しては、遺伝子組換え第IX因子製剤が有効であるので、正しい。
 
e.   von Willebrand病の出血に対しては、DDAVPまたはvon Willebrand因子含有血漿由来第VIII因子製剤(コンファクトF)が有効である。遺伝子組換え第VIII因子製剤は、von Willebrand因子が含まれないため全く無効である。


(正答)
e

 <リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:14| 医師国家試験・専門医試験対策