金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2018年01月23日

膠原病患者の間質性肺炎(膠原病肺)と肺癌

渡辺知志先生(呼吸器内科、現在、シカゴにあるノースウェスタン大学に留学中)が金沢大学在職中に行った研究の論文が、Journal of Thoracic Diseaseに採択されました。

この研究は、当院のリウマチ内科や皮膚科と共同で行われた研究の成果で、膠原病肺患者が肺癌を発症する頻度や発症患者の特徴を明らかにしました。

Title:
Lung cancer in connective tissue disease-associated interstitial lung disease: clinical features and impact on outcomes

Authors:
Satoshi Watanabe, Keigo Saeki, Yuko Waseda, Akari Murata, Hazuki Takato, Yukari Ichikawa, Masahide Yasui, Hideharu Kimura, Yasuhito Hamaguchi, Takashi Matsushita, Kazunori Yamada, Mitsuhiro Kawano, Kengo Furuichi, Takashi Wada, Kazuo Kasahara

Journal:
Journal of Thoracic Disease (accepted)



特発性肺線維症の患者に肺癌が発症しやすいことは、よく知られています。

膠原病患者にみられる間質性肺炎(膠原病肺)と肺癌発症との関連については、これまで検討されていませんでした。

今回の研究では、266例の膠原病肺患者の長期経過を調べ、うち24例(9.0%)に肺癌を合併すること、肺癌は重大な予後不良因子であること、を示しました。

さらに多変量解析では、興味深いことに肺気腫の存在と免疫抑制療法の未使用が、肺癌発症の独立した危険因子でした。

喫煙や慢性炎症による肺への持続的な障害が、発癌を引き起こしたのではないかと推察しています。

今回の結果は、膠原病肺患者においても特発性肺線維症患者と同様に、肺癌の発症が重要な予後予測因子となることを明確にしました。

なかでも気腫を合併した患者ではより注意深く、画像の経過を診ていく必要があると思われました。
 

渡辺先生

筆頭著者の渡辺知志(左端)と台湾から見学にきた医学生のSon君(左から2番目)、
木場隼人大学院生(中央)、佐伯啓吾大学院生(右から2番目)、木村英晴助教(右端)。血液・呼吸器内科、医員室にて。

 

 <リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 02:10| 呼吸器内科