金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2018年07月09日

血液内科学系統講義試験:貧血、リンパ腫など

平成30年度血液内科学系統講義試験の問題紹介と正答です。
(平成30年7月9日 月曜日)

赤字が正答です。


問4.    鉄欠乏性貧血の診療に関する記載のうち正しいものはどれか。


(1)    時に血小板が増加する。
(2)    回腸切除例では鉄欠乏が起こりやすい。
(3)    経口鉄剤は胃切除例に対しては無効である。
(4)    血清中の鉄は全てトランスフェリンに結合している。
(5)    鉄欠乏の原因を検索することがもっとも重要である。

a. (1) (2) (3) b. (1) (2) (5) c. (1) (4) (5) d. (2) (3) (4) e. (3) (4) (5)



問5.    治療法で正しい結びつきはどれか。

(1)    輸血後鉄過剰症 − 瀉血
(2)    βサラセミアマイナー − 脾摘
(3)    骨髄異形成症候群 − イマチニブ
(4)    メトヘモグロビン血症 − 高気圧酸素療法
(5)    自己免疫性溶血性貧血 − 副腎皮質ステロイド

a. (1) (2) (3) b. (1) (2) (5) c. (1) (4) (5) d. (2) (3) (4) e. (3) (4) (5)



問6.    骨髄異形成症候群に関する記載のうち正しいものはどれか。


(1)    被爆者で頻度が高い。
(2)    第7染色体異常陽性例の予後は特に悪い。
(3)    何らかの遺伝子異常はほとんどの例に検出される。
(4)    5q-症候群に対し、アザシチジン療法が有効である。
(5)    骨髄細胞における形態異常の強さは予後因子の一つである。

a. (1) (2) (3)
 b. (1) (2) (5) c. (1) (4) (5) d. (2) (3) (4) e. (3) (4) (5)



問7.    ヒト造血に関する記載で正しいものはどれか。

(1)    成人では主に長管骨で造血が行われている。
(2)    造血幹細胞の多くは細胞周期の静止期にある。
(3)    胎生2か月目の造血は肝や脾臓で起こっている。
(4)    臍帯血中には骨髄以上に高濃度の造血幹細胞が存在する。
(5)    同種骨髄移植後に好中球が増え始めるのは移植後21日目以降である。

a. (1) (2) (3) b. (1) (2) (5) c. (1) (4) (5) d. (2) (3) (4) e. (3) (4) (5)



問8.    IgG型M蛋白が検出されない疾患はどれか。

(1)    POEMS症候群
(2)    無症候性骨髄腫
(3)    非分泌型骨髄腫
(4)    原発性マクログロブリン血症
(5)    monoclonal gammopathy of undetermined significance(MGUS)

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



問9.    ホジキンリンパ腫に関する記載の中で正しいものはどれか。


(1)    標準的治療はABVD療法である。
(2)    発熱や炎症反応を伴うことが多い。
(3)    若年者では混合型(mixed cellularity; MC)が多い。
(4)    難治例に対しCD20を標的としたリツキシマブが有効である。
(5)    腫瘍細胞の周辺に存在しているのは主に制御性T細胞である。

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)



問10.    治療法で正しい結びつきはどれか。


(1)    未分化大細胞型リンパ腫 — R-CHOP療法
(2)    MALTリンパ腫 — ヘリコバクター・ピロリの除菌
(3)    濾胞性リンパ腫 — 90Y標識イブリツモマブ(抗CD20抗体)
(4)    成人T細胞性白血病/リンパ腫 — モガムリズマブ(抗CCR4抗体)
(5)    節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型 — ブレンツキシマブ(抗CD30抗体)

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)



問11.    次の文章の中で正しいものはどれか。

(1)    マントル細胞リンパ腫は予後良好である。
(2)    ホジキンリンパ腫においてEBウイルスの関与は稀である。
(3)    血管内大細胞型B細胞リンパ腫は不明熱の重要な鑑別疾患である。
(4)    ALK陽性未分化大細胞型リンパ腫の予後はALK陰性のものよりも良好である。
(5)    B細胞性リンパ腫の中でもっとも多いのはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫である。

a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)

 

<リンク>

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播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:26| 医師国家試験・専門医試験対策