金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2015年7月31日

血液内科学系統講義試験

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。

問1.    スライドの細胞は何か?細胞名を記入せよ。<スライド省略>

1) (巨核球)
2) (分節核好中球)
3) (好酸球)
4) (リンパ球)
5) (単球)



問2.    次の文の括弧の中に適切な言葉を記入せよ。


1)リンパ節生検を行った際、リンパ節の一部から取った生の細胞を解析するのは、細胞の表面抗原や(    )を解析するためである。

2)貧血症状の強さに影響を及ぼすのは、貧血の程度と
(    )である。

3)骨髄機能が低下している患者において、その時点の造血能を反映するもっとも良い指標は
(    )である。

4)貧血のために身体所見上異常を呈しやすい臓器は、眼瞼結膜、爪、
(    )などである。

5)リンパ系腫瘍で血清中に増加するβ2ミクログロブリンは、リンパ球が発現している
(    )分子の構成成分である。

6)血清フェリチン値の上昇は鉄過剰症、肝障害、
(    )などを反映する。

7)急性骨髄性白血病患者の初診時に行われる遺伝子検査で、治療選択や予後にもっとも大きな影響を及ぼすのは
(    )融合遺伝子の有無である。

8)ホジキンリンパ腫患者のリンパ節において大部分を占めるのは
(    )球である。

9)多発性骨髄腫が疑われる患者において注意すべき身体所見は、巨舌の有無、経年的な
(    )の変化、などである。

10)造血因子のうち、薬品として日常臨床に用いられているのはG-CSFと
(    )である。



(正答)

1)染色体

2)進行速度

3)網赤血球

4)舌

5)HLAクラスIまたはHLA

6)炎症

7)PML-RARA

8)Tリンパ、T細胞、制御性T細胞など

9)身長

10)エリスロポイエチン

 

 

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:19 | 医師国家試験・専門医試験対策

2015年7月30日

造血器悪性腫瘍の検査、臨床症状、急性白血病

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。


問34.    疾患名と検査所見の組み合わせで誤っているのはどれか。1つ選べ。

a.    急性単球性白血病 — 尿中リゾチーム高値
b.    慢性骨髄性白血病 — 末梢血中の幼若顆粒球
c.    真性多血症 — エリスロポイエチン高値
d.    骨髄線維症 — 涙滴赤血球
e.    多発性骨髄腫 — β2-ミクログロブリン高値



問35.    疾患名と臨床症状の組み合わせで誤っているのはどれか。1つ選べ。

a.    真性多血症 − 血栓症
b.    原発性骨髄線維症 − 巨脾
c.    本態性血小板血症 − 出血傾向
d.    慢性骨髄性白血病 − 胃潰瘍
e.    急性前骨髄球性白血病 (M3)  − 歯肉腫脹



問36.    急性白血病に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。


(1)     成人では骨髄性よりリンパ性の方が多い。
(2)     WHO分類では芽球比率が20%以上で急性白血病と診断する。
(3)     FLT3遺伝子変異を伴うと予後不良である。
(4)     紫外線は白血病の危険因子である。
(5)     Core binding factor (CBF) 白血病は通常予後不良である。


a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)




(正答)

問34  c

問35     e

問36  b

 

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:11 | 医師国家試験・専門医試験対策

2015年7月29日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会:還暦のお祝い

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました

平成27年6月21日(日)午後1時00分より金沢東急ホテル
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜

懇親会で、中尾教授の還暦のお祝いが行われました。

素敵な全体写真になったのではないかと思います。  

懇親会
 

<リンク>
 
 
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:44 | その他

2015年7月28日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会:中尾教授

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました

平成27年6月21日(日)午後1時00分より金沢東急ホテル
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜

中尾教授の還暦の装いが、とても似合っていると感じるのは管理人だけでしょうか。

 
中尾教授
 
 
<リンク>
 
 
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:58 | その他

2015年7月27日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会:明るい雰囲気

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました

平成27年6月21日(日)午後1時00分より金沢東急ホテル
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜

赤いちゃんちゃんこ姿は、何だか明るい雰囲気になりますね。
 
0429
 
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0375
 
 0387
 

<リンク>
 
 
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:33 | その他

2015年7月26日

IgG型M蛋白、染色体異常、慢性骨髄性白血病

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。

問31.    IgG型M蛋白が検出されない疾患はどれか。2つ選べ。


(1)    monoclonal gammopathy of undetermined significance(MGUS)
(2)    無症候性骨髄腫
(3)    非分泌型骨髄腫
(4)    原発性マクログロブリン血症
(5)    POEMS症候群

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



問32.    疾患名とその疾患に特徴的な染色体異常、遺伝子異常の組み合わせで誤っているのはどれか。1つ選べ。


a.    急性前骨髄球性白血病 (M3) − t(15;17)
b.    慢性骨髄性白血病 − t(9;22)
c.    真性多血症 − JAK2遺伝子のV617変異
d.    分化型急性骨髄性白血病 (M2) − t(8;14)
e.    好酸球増多を伴う急性骨髄単球性白血病 − inv(16)



問33.    慢性骨髄性白血病の治療に通常用いない薬剤はどれか。2つ選べ。


(1)    ゲフィチニブ
(2)    イマチニブ
(3)    ニロチニブ
(4)    ダサチニブ
(5)    ボルテゾミブ

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



(正答)

問31 c

問32 d

問33 e

 

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:02 | 医師国家試験・専門医試験対策

2015年7月25日

骨髄腫、ミエロペルオキシダーゼ (MPO) 染色、表面マーカー

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。


問27.    骨髄腫について誤っているものはどれか。2つ選べ。


(1)    高カルシウム血症、腎障害、貧血、骨病変のいずれかを認めた場合には治療の適応である。
(2)    G-Bandingによる染色体検査では染色体異常の検出率が高い。
(3)    t(4;14)の染色体異常を有する例は予後良好である。
(4)    血清アルブミン値と血清β2ミクログロブリン値を組み合わせることによって予後予測が可能である。
(5)    ビスフォスフォネートの重篤な副作用に顎骨壊死がある。

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



問28.    ミエロペルオキシダーゼ (MPO) 染色と非特異的エステラーゼ染色が伴に陽性であった場合に考えられる疾患はどれか。1つ選べ。


a.    最未分化型急性骨髄性白血病(M0)
b.    分化型急性骨髄性白血病(M2)
c.    急性単球性白血病(M5a)
d.    赤白血病(M6)
e.    急性巨核芽球性白血病(M7)



問29.    造血器腫瘍の治療に用いられる抗がん剤とその代表的な副作用の組み合わせで誤っているのはどれか。2つ選べ。

(1)    ダウノマイシン − 心機能障害
(2)    シタラビン − 末梢神経障害
(3)    ビンクリスチン − 下痢
(4)    メトトレキサート − 口内炎
(5)    L-アスパラギナーゼ − 膵炎

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



問30.    フローサイトメトリーによる表面マーカー解析が診断に有用でない疾患はどれか。1つ選べ。


a.    急性骨髄性白血病
b.    急性リンパ性白血病
c.    慢性骨髄性白血病
d.    慢性リンパ性白血病
e.    多発性骨髄腫



(正答)

問27  b

問28  c

問29  b

問30  c

 

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:51 | 医師国家試験・専門医試験対策

2015年7月24日

輸血の副作用、ABO major不適合輸血、手術時の輸血

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。


問24.    輸血の副作用について正しいものはどれか。2つ選べ。

(1)    非溶血性副作用の出現頻度は血小板製剤がもっとも高い。
(2)    血小板輸血不応に関する同種抗体の多くは抗HPA抗体である。
(3)    輸血後6時間以内に起きる呼吸不全を伴う心不全をTRALI(transfusion related acute lung injury)と呼ぶ。
(4)    1999年にNAT検査が導入されて以降、輸血を介したHIV感染の報告はない。
(5)    輸血後鉄過剰症の診断には血清フェリチン値の測定が有用である。

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



問25.    ABO major不適合輸血について正しいものはどれか。2つ選べ。


(1)    原因として最も多いのは血液型判定のミスである。
(2)    IgGクラスの抗Aあるいは抗B抗体が赤血球に結合することが発症の引き金となる。
(3)    即時型血管内溶血が起こる。
(4)    溶血の原因に補体系の活性化が関与している。
(5)    輸血量が10mLを超えると救命は困難である。

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



問26.    手術時の輸血について誤った記載はどれか。1つ選べ。


a.    出血量が循環血液量の20%以内であれば、通常、赤血球輸血を必要としない。
b.    冠動脈疾患・肺機能障害・脳循環障害を有する患者の手術時は、Hb値を12g/dL以上に保つように赤血球輸血を行う。
c.    予測出血量が少なく輸血の可能性が低い待機手術では、一般にtype & screen法が採用されている。
d.    MSBOS(maximum surgical blood order schedule)とは、平均出血量の1.5倍以下の血液製剤をあらかじめ交差適合試験を行った上で準備しておく方式をいう。
e.    SBOE(surgical blood order equation)はMSBOSより準備血液量が少なくて済むメリットがある。



(正答)

問24  e

問25  c

問26  b

 

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:43 | 医師国家試験・専門医試験対策

2015年7月23日

輸血後GVHDの予防対策、輸血前検査、血小板製剤

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。

問21.    輸血後GVHDの予防対策として有効なものはどれか。2つ選べ。

(1)    血液製剤への放射線照射
(2)    血縁者からの輸血
(3)    白血球除去フィルターの使用
(4)    免疫抑制剤投与
(5)    自己血輸血

a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



問22.    日本赤十字血液センターから供給を受けた赤血球製剤を患者に輸血する際、輸血前検査として省略してもよい検査はどれか。1つ選べ。


a.    おもて試験
b.    うら試験
c.    主試験
d.    副試験
e.    不規則抗体スクリーニング



問23.    血小板製剤の特性と適応で正しいものはどれか。2つ選べ。

(1)    濃厚血小板製剤1単位の中には2x1010個程度の血小板を含む。
(2)    濃厚血小板製剤は2〜6℃の冷蔵庫で振とうしながら保存する。
(3)    投与された血小板の2/3は脾臓に補足される。
(4)    再生不良性貧血や骨髄異形成症候群では、一般に血小板数が  50,000/μL以下の場合に血小板輸血の適応と考えられる。
(5)    血小板輸血後に予測した血小板数の上昇がなかった場合、次回の輸血時には輸血終了後1時間の血小板数も調べる必要がある。


a. (1)(2)  b. (2)(3)  c. (3)(4)  d. (4)(5)  e. (1)(5)



(正答)

問21  e

問22  d

問23  e

 

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:42 | 医師国家試験・専門医試験対策

2015年7月22日

血液凝固検査と疾患・病態

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。


下記の疾患または病態のうち、検査所見の記載が誤っているのはどれか。1つ選べ。

  疾 患 出血時間 PT APTT Fbg  HPT
a 血友病B 正常 正常 延長 正常 正常
b Glanzmann病 延長 正常 正常 正常 正常
c ビタミンK欠乏症 正常 延長 延長 正常 低下
d 第V因子インヒビター 正常 延長 延長 正常 低下
e Bernard-Soulier症候群 延長 正常 正常 正常 正常

PT:プロトロンビン時間
APTT:活性化部分トロンボプラスチン時間
Fbg:フィブリノゲン
HPT:ヘパプラスチンテスト


(解説)

a. 血友病B(先天性の第IX因子欠損症)では、APTTが延長しますが、PTや出血時間は正常です。

b.Glanzmann病は、血小板無力症と同義です。血小板機能が低下しており、出血時間が延長します。

c. ビタミンK欠乏症では、ビタミンK依存性凝固因子である、VII、IX、X、II因子活性が低下します。PT、APTTともに延長します。ただし、APTTの延長はあまり目立たず、PT延長の方が明らかになるのが早いです。

HPTは、VII、X、II因子を反映した検査です。ビタミンK欠乏症では低下します。

d. 第V因子インヒビターは、第V因子に対する自己抗体が出現して、第V因子活性が低下します。PT、APTTともに延長します。HPTは、VII、X、II因子を反映しますが、V因子の影響は受けません。

e. Bernard-Soulier症候群は、血小板粘着能が低下します。巨大血小板が出現することでも有名です。


(正答)
 d

 

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:15 | 医師国家試験・専門医試験対策

2015年7月21日

血小板数減少の治療:副腎皮質ステロイド、脾臓摘出術

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。この問題も簡単すぎましたでしょうか。サービス問題です。

病歴を読み、空欄( B )に当てはまるのはどれか。1つ選べ。

72歳代の女性。

主訴:血小板数減少

現病歴:約10年前に( A )を発症した。ヘリコバクター・ピ:ロリ感染は陰性で、5年前に行った脾臓摘出術は無効であった。前医では副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)15mgにより血小板数2万/μL前後でコントロールされていた。下肢の紫斑に加えて、時折鼻出血を合併していた。ステロイド性糖尿病があり、インスリン療法を受けている。転居に伴い、当院に紹介受診となった。

経過:受診時は副腎皮質ステロイドの副作用として、満月様顔貌、肥満、糖尿病、高脂血症の合併を認めた。副腎皮質ステロイドの中止と血小板数の増加を目標に( B )の投与を開始した。4週間後には血小板数が5万/μL以上に増加したため、副腎皮質ステロイドを約2ヶ月間かけて中止することに成功した。副腎皮質ステロイド中止により糖尿病は軽快し、インスリン療法も中止することに成功した。

a.    DDAVP
b.    ビタミンK
c.    トラネキサム酸
d.    プロトンポンプインヒビター
e.    トロンボポエチン受容体作動薬


(解説)
a. 
DDAVPは血管内皮からvon Willebrand因子をたたき出す作用があります。von Willebrand病の止血治療目的に使用されることがあります。

b. ビタミンKは、ビタミンK欠乏症に対して用いられます。

c. トラネキサム酸(トランサミン)は、線溶活性化に起因した出血症状に対して最も有効です。

d. プロトンポンプインヒビターは、除菌療法に用いられる薬剤の一つです。

e. 原則として副腎皮質ステロイドや脾臓摘出術が無効だったITP症例に用いられています。有効率は極めて高いです。副腎皮質ステロイドの減量を期待することもできます。


 (正答) e
 

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:10 | 医師国家試験・専門医試験対策

2015年7月20日

ALアミロイドーシスと出血症状

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。この問題は簡単すぎましたでしょうか。サービス問題です。

病歴を読み、以下の問いに答えよ。


40歳代の男性。
【主訴】下肢の著明な浮腫と右膝関節内血腫。

【現病歴】生来健康で、出血傾向を認めない。下肢のむくみと右膝関節痛・腫脹を認めたため近医を受診し、ネフローゼ症候群および膝関節内血腫と診断された。腎生検の結果、ALアミロイドーシスと診断された。

【検査所見】
PT 28.3秒、APTT 54.7秒、へパプラスチンテスト(HPT) 30%、フィブリノゲン 268 mg/dl、FDP 11.8μg/ml、D-ダイマー 2.8μg/ml、アンチトロンビン(AT)活性 106%、プラスミノゲン活性 29%、α2プラスミンインヒビター(α2PI) 活性 41%、トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT) 7.6μg/L。

出血の原因を究明するために行うべき検査として誤っているのはどれか。1つ選べ。


a.    出血時間
b.    PIVKA-II
c.    血液凝固第X因子
d.    プロトロンビンフラグメント1+2(F1+2)
e.    血中プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)




(解説)
a. 出血時j間は血小板機能をチェックするためのスクリーニング検査です。出血性疾患ではかならず検査します。

b. PTの著しい延長、HPTの低下があり、ビタミンK欠乏症の可能性があります。PIVKA-IIは検査すべきです。

c. ALアミロイドーシスでは、アミロイド繊維に血液凝固第X因子が吸着されて、第X因子活性が低下することがあります。

d. プロトロンビンフラグメント1+2(F1+2)は、TATや可溶性フィブリン(SF)同様に、凝固活性化マーカーです。出血の原因を究明するために行うべき検査ではないです。

e. 
ALアミロイドーシスでは、線溶活性化が原因となって出血症状を来すことがあります。血中プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)やα2PIは検査すべきです。


 (正答) d
 

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:58 | 医師国家試験・専門医試験対策

2015年7月19日

血管内皮の抗血栓作用

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。

血管内皮の抗血栓作用と関連しているのはどれか。1つ選べ。

a.    組織因子(TF)
b.    一酸化窒素(NO)
c.    エンドセリン(ET)
d.    トロンボキサンA2(TXA2)
e.    プラスノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)


(解説)
a. 組織因子(TF)は、LPSや炎症性サイトカインの作用によって、血管内皮や単球から産生されます。凝固活性化の観点から、最重要物質の一つです。

b. 一酸化窒素(NO)には、血小板機能抑制作用や、血管拡張作用があります。抗血栓性に作用します。

c. エンドセリン(ET)は血管収縮作用がありますので、向血栓性に作用します。

d. トロンボキサンA2(TXA2)には血小板機能亢進作用や、血管収縮作用があります。向血栓性に作用します。

e. プラスノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)は、組織プラスミノゲンアクチベーター(t-PA)と1対1結合することでt-PAの活性を阻止して線溶を抑制して、向血栓性に作用します。


 (正答) b
 

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:50 | 医師国家試験・専門医試験対策

2015年7月18日

血栓止血関連疾患の検査・治療

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。

血栓止血関連疾患の検査、治療に関する記載として正しいのはどれか。1つ選べ。

a.    妊娠すると血中プロテインS活性が低下する。
b.    ワルファリンコントロールは、PT-INR 10.0前後で行うことが多い。
c.    深部静脈血栓症(DVT)の再発予防としては、アスピリン内服が有効である。
d.    後天性血友病Aの出血に対しては、遺伝子組換え第VIII因子製剤が有効である。
e.    遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病)の鼻出血に対しては、von Willebrand因子を含有した血漿由来第VIII因子製剤(コンファクトF)が有効である。


(解説)
a. 妊娠すると血中プロテインS活性が低下します。ピルなどの女性ホルモン製剤でも同様です。この時期の採血で、先天性プロテインS欠損症と誤診しないようにする必要があります。

b. ワルファリンコントロールは、PT-INR 2〜3前後で行うことが多いです。ただし、基礎疾患や年齢によって微調整します。

c. 深部静脈血栓症(DVT)の再発予防としては、ワルファリン内服が有効です。

d. 後天性血友病Aの出血に対しては、遺伝子組換え第VIII因子製剤は無効のため、バイパス製剤を使用します。バイパス製剤には、遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(ノボセブン)や、活性型プロトロンビン複合体製剤(ファイバ)などがあります。

e. von Willebrand因子を含有した血漿由来第VIII因子製剤(コンファクトF)は、von Willebrand病の止血治療薬です。遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病)の鼻出血に対しては、対症療法で臨むしかありません。


 (正答) a
 

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:41 | 医師国家試験・専門医試験対策

2015年7月17日

TTPとHUSの共通病態

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)および溶血性尿毒症症候群(HUS)の両者に共通した所見の記載として誤っているのはどれか。1つ選べ。


a.    赤血球破砕像
b.    網状赤血球の上昇
c.    抗ADAMTS13活性低下
d.    血清ハプトグロビンの低下
e.    超巨大von Willebrand因子マルチマーの出現


(解説)
TTPとHUSは類似した病態を有していますが、最も大きな違いは、ADAMTS13に対する自己抗体が出現して、ADAMTS13活性が低下するかどうかです。

TTPでは、ADAMTS13に対する自己抗体が出現してADAMTS13活性が低下しますが、HUSではこの機序はありません。

a,b,d,eは、TTPとHUSに共通した病態です。

TTPに対しては、血漿交換が有効です。
1)超巨大von Willebrand因子マルチマーの除去、2)抗ADAMTS13抗体の除去、3)ADAMTS13の提供、という、言わば一石三鳥の意義を有しています。


 (正答) c
 

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:32 | 医師国家試験・専門医試験対策

2015年7月16日

播種性血管内凝固症候群(DIC)の検査所見

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。

播種性血管内凝固症候群(DIC)の記載として正しいものはどれか。1つ選べ。


a.    敗血症に合併したDICでは、フィブリノゲンが著減する。
b.    固形癌に合併したDICでは、血中可溶性フィブリン(SF)が著減する。
c.    急性前骨髄球性白血病(APL)に合併したDICでは、プラスミノゲンが著増する。
d.    動脈瘤に合併したDICでは、血中α2プラスミンインヒビター(α2PI)活性が著増する。
e.    羊水塞栓に合併したDICでは、血中プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)が著増する。


(解説)
a. 敗血症に合併したDICでは、フィブリノゲンはあまり低下しません。炎症反応のため上昇することも多いです。

b. DICでは、必ず血中可溶性フィブリン(SF)やTATは上昇します。

c. 急性前骨髄球性白血病(APL)では線溶亢進型DICを発症します。プラスミノゲンは低下します。α2プラスミンインヒビター(α2PI)は、さらに著減します。

d. 動脈瘤では、線溶亢進型DICを合併します。血中α2プラスミンインヒビター(α2PI)活性は著減します。

e. 羊水塞栓や常位胎盤早期剥離では、線溶亢進型DICを発症します。血中プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)は著増します。


 (正答) e
 

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:23 | 医師国家試験・専門医試験対策

2015年7月15日

抗リン脂質抗体症候群(APS)の診断と治療

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。

典型的な抗リン脂質抗体症候群(APS)に関する記載内容として、正しいものはどれか。1つ選べ。


a.    血小板数、PT、APTTが全て正常であればAPSを否定できる。
b.    動脈血栓症では心筋梗塞が最も多い。
c.     静脈血栓症では脳静脈洞血栓症が最も多い。
d.    不育症の女性に対しては、ワルファリン内服が有効である。
e.    APS患者血漿:コントロール血漿=1:1の混合血漿で、凝固時間の延長が是正されない。


(解説)
a. 血小板数、PT、APTTが全て正常であっても、抗カルジオリピン抗体またはループスアンチコアグラントが陽性であれば、抗リン脂質抗体症候群(APS)と診断されます。
ただし、APTTが正常であれば、力価の高いループスアンチコアグラントは否定的でしょう。力価の低いループスアンチコアグラントであれば、APTTが正常のことは多々あります。

b. APSは、動脈血栓症では脳梗塞が最も多いです。

c. 静脈血栓症ではでは、深部静脈血栓症(DVT)が最も多いです。次いで、肺塞栓です。

d. ワルファリンは催奇形性のために、挙児希望の女性は内服できません。アスピリン内服やヘパリン皮下注で対処します。

e. APS患者血漿:コントロール血漿=1:1の混合血漿で、凝固時間の延長が是正されないために、インヒビターパターンになります。


 (正答) e
 

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:21 | 医師国家試験・専門医試験対策

2015年7月14日

出血と血栓の両者がみられる疾患

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日:験時間 16時00分〜17時00分(60分間)


問題紹介です。

出血と血栓の両者がみられる疾患・病態として誤っているのはどれか。1つ選べ。


a.    電撃性紫斑病

b.    HELLP症候群

c.    高ホモシステイン血症

d.    本態性血小板血症(ET)

e.    ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)



(解説)
a. プロテインCが著減して、皮膚の微小循環レベルで微小血栓が多発し、二次的に紫斑をきたします。
先天性プロテインC欠損症(ヘテロ接合体)に、ワルファリンを内服してもこの病態になります。

プロテインCはビタミンK依存性のために、ワルファリン内服によって活性が低下します。
先天性プロテインC欠損症(ヘテロ接合体)の患者さんがワルファリン内服すると、プロテインCは著減して(0%に近づいて)血栓傾向をきたします。

b. HELLP症候群は、H:hemolysis、EL:elevated liver enzyme、LP:low plateletの所見がみられます。TMA(thrombotic microangiopathy、血栓性微小血管障害症)の一つです。血小板が低下して出血傾向にもなりますが、本態は血管内皮障害と血小板血栓の多発です。

c. 高ホモシステイン血症では血栓傾向になります。

d. 本態性血小板血症(ET)では血小板数が増加して血栓傾向になりますが、血小板機能が低下しているために出血傾向にもなります。

e. HITでは血小板数が低下して出血傾向もきたしますが、HIT抗体によって血小板活性化をきたし血栓症をきたします。

 


 (正答) c
 

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:48 | 医師国家試験・専門医試験対策

2015年7月13日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会: 総集編(6)

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました。

平成27年6月21日(日)午後1時00分より(金沢東急ホテル)
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜

総集編6、です。

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:43 | その他

2015年7月12日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会: 総集編(5)

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました。

平成27年6月21日(日)午後1時00分より(金沢東急ホテル)
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜

総集編5、です。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:23 | その他

2015年7月11日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会: 総集編(4)

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました。

平成27年6月21日(日)午後1時00分より(金沢東急ホテル)
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜

総集編4、です。

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:12 | その他

2015年7月10日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会: 総集編(3)

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました。

平成27年6月21日(日)午後1時00分より(金沢東急ホテル)
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜

総集編3、です。

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:04 | その他

2015年7月9日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会: 総集編(2)

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました。

平成27年6月21日(日)午後1時00分より金沢東急ホテル
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜

総集編2、です。

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:13 | その他

2015年7月8日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会: 総集編(1)

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました。

平成27年6月21日(日)午後1時00分より金沢東急ホテル
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜

総集編1、です。

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:50 | その他

2015年7月7日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会:名残惜しいですね

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました。

平成27年6月21日(日)午後1時00分より金沢東急ホテル
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜

懇親会の中締めのあとも、名残惜しいですね。

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:43 | その他

2015年7月6日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会:中締めへ

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました

平成27年6月21日(日)午後1時00分より金沢東急ホテル
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜

楽しかった懇親会も、そろそろ中締めです。 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:35 | その他

2015年7月5日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会:ほのぼの懇親会

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました

平成27年6月21日(日)午後1時00分より金沢東急ホテル
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜


画像を見ているだけで、何だかほのぼのしてくるのは、管理人だけでしょうか。。 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:27 | その他

2015年7月4日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会:同門会の重鎮

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました

平成27年6月21日(日)午後1時00分より金沢東急ホテル
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜


同門会の会長、副会長、顧問の揃い踏みです。

貴重な画像になりました。ありがとうございます。

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:19 | その他

2015年7月3日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会:終盤へ

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました

平成27年6月21日(日)午後1時00分より金沢東急ホテル
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜

懇親会も終盤に向かっていきました。

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:12 | その他

2015年7月2日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会:おめでとうございます!

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました

平成27年6月21日(日)午後1時00分より金沢東急ホテル
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜

中尾先生、還暦おめでとうございます!

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:25 | その他

2015年7月1日

金沢大学第三内科同門会・開講記念会:赤いちゃんちゃんこ

金沢大学第三内科同門会総会・開講記念会が開催されました

平成27年6月21日(日)午後1時00分より金沢東急ホテル
・同門会総会:午後1時00分〜
・開講記念会:午後1時30分〜

予想通り(?)、赤いちゃんちゃんこがでてきました!

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:16 | その他

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