金沢大学・血液内科・呼吸器内科
※記事カテゴリからは過去の全記事をご覧いただけます。
<< 前のエントリトップページ次のエントリ >>
2013年03月25日

小児血友病患者における頭蓋内出血

論文紹介です。

参考:血友病後天性血友病rFVIIa血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)


小児血友病患者における頭蓋内出血の診断と治療

著者名:Nagel K, et al.
雑誌名:Blood Coagul Fibrinolysis 24: 23-27, 2013.


<論文の要旨>

小児血友病患者において頭蓋内出血(intracranial hemorrhage: ICH)は、重篤な合併症です。

危険因子を明らかにすることは、臨床に役立つICHの診断や治療ガイドライン作成のためにも有用です。


著者らは、文献検索を行いICHの頻度、危険因子、症状、治療転帰に関するエビデンスを抽出しました。

キーワードを「intracranial hemorrhage and hemophilia」としてMEDLINEとEMBASAEによる文献検索を行いました。

また検索範囲は、過去10年間、review of RCT or Clinical Trial or Practice Guidelineとしました。


その結果、31論文が著者らの目的に見合った充分なデータを有していました。

この論文では、小児血友病(3〜18才)でICHが疑われた場合の治療に関するアルゴリズムが提示されています。


ICHに対して標準的にアプローチすれば、一部の症例では本来不要なCTに伴う放射線暴露を減らすことができます。

なお、新生児血友病に対する診断、治療アルゴリズムを提唱するエビデンスは現時点ではありません。





<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:21| 出血性疾患