金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年08月11日

凝血学的検査:出血時間、PT、APTTなど

平成25年度血液内科学系統講義試験<細胞移植学(血液内科)> 

下記の疾患または病態のうち、検査所見の記載が正しいのはどれか。1つ選べ。

    出血時間 PT APTT Fbg HPT
a 血小板無力症 延長 正常 正常 低下 正常
b 老人性紫斑病 延長 正常 正常 正常 正常
c 先天性第VII因子欠損症 正常 延長 正常 正常 低下
d von Willebrand病 延長 正常 正常 正常 正常
e ビタミンC内服 正常 正常 延長 正常 正常

PT:プロトロンビン時間
APTT:活性化部分トロンボプラスチン時間
Fbg:フィブリノゲン
HPT:ヘパプラスチンテスト

(解説)

血小板無力症:Fbgは正常です。

老人性紫斑病:全ての凝血学的検査は正常です。

先天性第VII因子欠損症:HPTは、第VII 、X、II因子を反映しますので、先天性第VII因子欠損症ではHPTは低下します。もちろん、PTも延長します。

・von Willebrand病は、出血時間とAPTTが延長します。

・ビタミンC内服:凝血学的検査に影響を与えません。



(解答)c

 

 <リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:40| 医師国家試験・専門医試験対策