金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年04月10日

DDAVP投与後のステント内血栓

論文紹介です。

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「DDAVP投与後のステント内血栓」

著者名:Shah SN, et al.
雑誌名:Blood Coagul Fibrinolysis 25: 81-83, 2014.


<論文の要旨>

冠動脈(左前下行枝)近位部に薬物溶出性ステントを留置された67歳男性が、頭蓋骨外傷のために入院となりました。

帽状腱膜下血腫の出血が持続するために、DDAVPが投与されました。

その5時間後に胸部圧迫痛がみられました。


心電図検査では前胸部誘導において2mmのST上昇がみられました。

緊急心カテーテル検査では、ステントの完全閉塞が確認されました(TIMI 0度)。

別の薬物溶出性ステントを最初のステントの内側に留置したところ血流の回復(TIMI 3度)がみられました。

心臓カテーテル治療中に、低酸素血症、低血圧が進行したために挿管が行われ、ドーパミン点滴が行われ、IABP(intra-aortic ballon pump)管理となりました。


DDAVP投与後に、冠動脈ステント内血栓が形成されたという報告はこれが初めてです。


凝固異常に伴ういくつかの出血性素因に対してDDAVPは安全かつ有効と考えられていますが、DDAVP治療には血栓症の副作用がありうることに留意すべきと考えられました。


以上、DDAVPは冠動脈疾患や冠動脈ステントを有している患者には注意して使用すべきと考えられました。


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参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:11| 出血性疾患