金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年04月11日

インヒビター保有血友病患者:APCCとrFVIIaの連続投与治療

論文紹介です。

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「インヒビター保有血友病患者の難治性出血に対するAPCCとrFVIIaの連続投与治療」

著者名:Han MH, et al.
雑誌名:Blood Res 48: 282-286, 2013.


<論文の要旨>

インヒビター保有血友病患者の止血治療薬として2つのバイパス製剤が知られています。

すなわち、活性型プロトロンビン複合体製剤(APCC)と遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(rFVIIa)ですが、いずれか単剤のみの治療では止血に成功しないこともあります。


著者らは4病院に入院となったインヒビター保有重症血友病患者で、難治性出血に対して、APCCとrFVIIaが連続して投与された症例について後方視的解析を行いました。

連続投与の定義は、12時間以内に、rFVIIaとAPCCの両者が投与された場合としました。


インヒビター保有の4症例(5回の出血)において出血はバイパス製剤単剤ではコントロールされませんでしたが、2製剤が連続投与されることで止血しました。


連続投与の方法は、APCCを1回投与の後にrFVIIaの1〜2回投与への変更であり、投与間隔は3〜6時間でした。

全ての出血は12〜24時間でコントロールされました。

連続投与治療は、2〜5日後に中止された。血栓症などの有害事象はみられませんでした。


APCCとrFVIIaの連続投与治療は副作用もなく有効と考えられました。

ただし、血栓症には留意すべきであり、今後エビデンスになるような前向き臨床試験が必要と考えられました。



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参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:17| 出血性疾患