金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2015年06月02日

血栓形成、凝固因子:CBT

CBT再現問題と解説です。


血栓形成に関わる分子でないのはどれか。


A 凝固因子

B トロンビン

C フィブリン

D チューブリン

E カルシウムイオン


(解説)

A 血栓形成には、血小板と凝固因子が関わっています。

B トロンビンは凝固活性化の結果最終的に産生される鍵となる酵素です。
トロンビンは、フィブリノゲンをフィブリンに転換して凝固が完結します。

C フィブリンは二次止血に関与しています。

D チューブリン(tubulin)は、生物のほとんどの細胞に存在する管状構造物(微小管)を構成するタンパク質です。微小管は、細胞内の物質輸送や鞭毛運動、細胞分裂などに関与しています。

E カルシウムイオンは、凝固カスケードを動かす上で、重要な役割を演じています。


(参考)


止血(生理)も血栓症(病態)も類似の機序です。


止血の機序

血管が破綻しまうと血管外のコラーゲンが露出してそれに対して血小板が集まり(血小板粘着)、さらに多くの血小板が集合します(血小板凝集)(一次止血)。

血小板粘着時に血小板とコラーゲン間に介在するのがvon Willebrand因子(vWF)であり、血小板凝集時に血小板間に介在するのがフィブリノゲンです。

血小板を反応の場として多くの凝固因子が集まり、最終的にはトロンビンが産生されます。トロンビンがフィブリノゲンをフィブリンに転換すると凝固が完結し止血に至ります(二次止血)。形成されたフィブリンを強固にする(フィブリン分子を架橋化する)のが第XIII因子です。

なお、血小板粘着において血小板がvWFと結合する際には、血小板膜糖蛋白であるGPIb/IXが関与しています(これが欠損している先天性出血性素因がBernard-Soulier症候群)。

また、血小板凝集の際に血小板のフィブリノゲン結合に関与している血小板膜糖蛋白がGPIIb/IIIaです(これが欠損している先天性出血性素因が血小板無力症)。


血栓症の機序


上記の機序が過度に進行して血管を閉塞すると血栓症を発症する。


(正解) D


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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:25| 医師国家試験・専門医試験対策