金沢大学・血液内科・呼吸器内科
※記事カテゴリからは過去の全記事をご覧いただけます。
<< 前のエントリトップページ次のエントリ >>
2015年09月10日

日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案(8)アルゴリズム

日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案を考える(8)アルゴリズム

日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案を考える(インデックス)

詳細はこちら:http://www.jsth.org/committee/pdf/DIC_3.pdf


<新しいDIC診断基準>アルゴリズム

新基準を紹介したいところが、このシリーズでは全体を紹介できません。

詳細は、是非とも血栓止血誌を参照していただければと思います。

http://www.jsth.org/committee/pdf/DIC_3.pdf


DIC診断基準適用のアルゴリズム

アルゴリズム

DIC診断基準適用のアルゴリズム

・    DIC疑い(※1):DICの基礎疾患を有する場合(表1)、説明の付かない血小板数減少・フィブリノゲン低下・FDP上昇などの検査値異常がある場合、静脈血栓塞栓症などの血栓性疾患がある場合など。

・    造血障害(※2):骨髄抑制・骨髄不全・末梢循環における血小板破壊や凝集など、DIC以外にも血小板数低下の原因が存在すると判断される場合に(+)と判断。寛解状態の造血器腫瘍は(-)と判断。

・    基礎病態を特定できない(または複数ある)あるいは「造血障害」「感染症」のいずれにも相当しない場合は基本型を使用する。例えば、固形癌に感染症を合併し基礎病態が特定できない場合には「基本型」を用いる。

・    肝不全では3点減じる(表3の注を参照)。




DICを疑った時点でこのアルゴリズムに従います。

新基準は、産科、新生児には適用しないために、これをアルゴリズムの最初のステップで示されています。

造血障害、すなわち骨髄抑制・骨髄不全・末梢循環における血小板破壊や凝集など、DIC以外にも血小板数低下の原因が存在すると判断される場合には、血小板数を用いてDICの診断をすることができませんので、「造血障害型」の診断基準を使用します。


造血障害が存在しない場合には、感染症の有無を判断します。

感染症があれば、「感染症型」の診断基準を適用します。

造血障害および感染症がともになければ、「基本型」の診断基準を使用します。

基礎病態を特定できない場合は基本型を使用します。

また、固形癌に感染症を合併した場合など、DICをきたし得る基礎疾患が複数存在するような場合には「基本型」を用います。

日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案を考える(インデックス)


<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

金沢大学血液内科・呼吸器内科HP

金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ

研修医・入局者募集
へ 

 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:44| DIC