金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2016年01月03日

金沢で学会をやるということ(3)最初の壁

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報の原稿からです。

今回は、教授ノートです。


金沢で学会をやるということ(3)最初の壁

by  中尾眞二教授

そこでまず事務局長に打診したところ、他地域の学会場に比べて会場費がそれほど高くなければ、開催地として候補に挙げてもよいのではないかということでした。

金沢で5千人を超える規模の学会をやろうとすると、石川県立音楽堂を中心としてANAクラウンプラザホテル、ホテル日航金沢、ホテル金沢などの複数のホテルを利用する必要があります。

例年血液学会が開催される2015年10月初旬以降の週末に音楽堂が使用できるかどうかを、まず金沢コンベンションビューローを通じて聞いてもらいました。

その結果、3年先であるにもかかわらず、本来の目的である音楽イベントのために空けておく必要があるため、週末はすべて利用できないと言われました。

ビューローの担当者も一生懸命掛け合ってくれたようなのですが、石川県の方針であるためどうしようもないということでした。

金沢開催案はこれで水泡に帰すかと思われましたが、県の上層部の人に直接お願いすれば可能性があるかもしれない、ということをビューローの方から伺い、近藤邦夫県医師会長に相談することにしました。

近藤先生が県の副知事さんに早速掛け合って下さった結果、学会を開催することの経済効果が評価されたためか、2015年10月第3週の週末に無事音楽堂が使用できることになりました。

近藤同門会長の力添えがなければ、金沢でのこの学会は成し得ませんでした。


これで会場は抑えられましたが、次の問題は金沢開催に関する承認を理事会でどのようにして取り付けるかでした。

公立の大きなコンベンションセンターがない金沢で学会を開催しようとすると、音楽堂周辺のホテルを複数使用するため、3日間の会場費総額が京都や横浜の2倍近くになってしまいます。

また、会場がタコ足化するため、会場間の移動が大変になるという問題もありました。

ただ、会場費については、学会担当企業に決まったコングレの渡辺さんが各ホテルに掛け合ってくれたおかげで、ホテルの会場費が大幅に値下げされ、石川県や金沢市から支給される学会助成金を合わせると、京都・横浜で開催するのと同じくらいの会場費に抑えられることが分かりました。

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また、会場がタコ足になっていることついては、山崎宏人君の機転で、京都国際会議場の口演会場からポスター会場までの移動距離と、金沢駅前もてなしドームを中心とする周辺の音楽堂・ホテル群内の移動距離を比較したところ、ほとんど変わらないことが分かりました(図)。

これらの資料を理事会に提出し、2015年3月に北陸新幹線が開業することを説明した結果、金沢で学会を開催することが承認されました。

金沢で学会をやるということ(インデックス)日本血液学会学術集会  へ

 

 <リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:26| 研修医の広場