金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2016年07月10日

血液凝固検査と疾患

平成28年度血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成28年7月13日(水)

問22.    下記の疾患または病態のうち、検査所見の記載が誤っているのはどれか。1つ選べ。


  疾患 出血時間 PT APTT Fbg HPT
a. 血友病A 正常 正常 延長 正常 正常
b. 血小板無力症 延長 正常 正常 正常 正常
c. 先天性第VII因子欠損症 正常 延長 正常 正常 低下
d. 先天性第XII因子欠損症 正常 正常 延長 正常 低下
e.  アレルギー性紫斑病 正常 正常 正常 正常 正常

PT:プロトロンビン時間
APTT:活性化部分トロンボプラスチン時間
Fbg:フィブリノゲン
HPT:ヘパプラスチンテスト

(解説)
a. 血友病では、APTTは延長するが、PT、出血時間は正常である。
b. 血小板無力症では、血小板機能が低下しており、出血時間は延長するが、凝固検査は正常である。
c. 先天性第VII因子欠損症では、PTは延長するが、APTTは正常である。
d. 先天性第XII因子欠損症では、APTTは延長するが、PTは正常である。HPTは、VII、X、II因子に左右される。先天性第XII因子欠損症では、HPT は正常である。先天性第VII因子欠損症では、HPTは低下する。
e. アレルギー性紫斑病は、PT、APTT、出血時間は正常である。XIII 因子は低下することがある。



(正答) d


 

 <リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:21| 医師国家試験・専門医試験対策