金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年05月14日

線溶関連マーカー(3):FDP採血管など

線溶関連マーカー(2):t-PA/PAI-1複合体など より続く

 

線溶マーカーとは(3)


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測定の実際&採血管

PICは、クエン酸ナトリウム入りの凝固検査用採血管を用いて採血し、調整した血漿をラテックス免疫比濁法、EIAで測定します。

Dダイマーは、クエン酸ナトリウム入りの凝固検査用採血管を用いて採血し、調整した血漿をラテックス免疫比濁法、EIAで測定します。フィブリノゲンとは反応しない抗Dダイマーモノクローナル抗体を使用しています。



FDPは大きく、血清FDP血漿FDPに分類されます。

血清FDPは専用試験管が必要であるのに対しまして、血漿FDPであれば他の凝固検査と同じ採血管で良いため(採血量が少なくて済むため)、血漿FDPの方が浸透しつつあるのが現状です。


血漿FDP

フィブリノゲンとは反応せずFDPとのみ反応する抗FDPモノクローナル抗体が使用されています。


血清FDP

凝固剤(トロンビンなど)と抗線溶剤が含まれた専用試験管が用いられます。凝固剤が含まれているために、検体中のフィブリノゲンはフィブリンに転換し、遠心操作を行えば上清中にはフィブリノゲンは含まれないことになります。

この状態で、抗フィブリノゲンポリクローナル抗体(FDPとも反応します)を用いて測定します。



基準値

プラスミン-α2PI複合体(PIC) <0.8μg/mL
FDP <2.0〜5.0μg/mL(ただし、測定試薬により異なります)
Dダイマー <1.0〜2.5μg/mL(ただし、測定試薬により異なります)

 

(続く)

線溶関連マーカー(4):FDPのartifactなど へ

 

 【リンク】

 

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:57| 凝固検査 | コメント(0)

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