金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2012年05月07日

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(3)

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(2)より続く。

DIC診断基準の改訂へ(3)

3)    臨床症状をスコアリングから削除

DICの症状は二つのみです。出血症状と、臓器症状です。
ただし、これらの臨床症状が出現しないとDICと診断されないのでしょうか?
(現診断基準は、臨床症状があった場合に、スコアを与えています)

DICは「基礎疾患の存在下における、全身性持続性の著明な凝固活性化」が本態です。
臨床症状の有無は関係ないと考えたいです。

出血症状や臓器症状と言った臨床症状が出現しないとDICと診断されないようでは、DICの早期診断に悪影響ですし、予後改善にはつながりません。

診断基準が予後改善につながらないようでは、その意義がなくなってしまいます。

加えて、臨床症状がDICによるものかどうかの鑑別は、不可能です。

臨床症状をスコアリングから削除すべきと考えられます。

それに伴い(臨床症状をスコアリングから外すことに伴い)、スコア4点以上でDICと診断したいと思います(前記事からつながっていますので、よろしくお願いいたします)。

 

 (続く)厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(4)

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:50| DIC