金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年01月29日

出血傾向(5):医師国家試験対策 (凝固異常と血液検査)

出血傾向(4):医師国家試験対策 (血液検査)より続く

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)


【代表的な出血性疾患・病態と血液検査】

疾患名 PLT 出血時間
PT APTT Fbg FDP
血友病A&B N N N 延長 N N
von Willebrand病 N 延長 N 延長 N N
血小板無力症
N 延長 N N N N
ビタミンK欠乏症 N N 延長 延長 N N
DIC(典型例) 低下 延長 延長 延長 低下 上昇
先天性第VII因子欠損症 N N 延長 N N N
肝硬変
低下 延長 延長 延長 低下 N
老人性紫斑病 N N N N N N
ワルファリン内服 N N 延長 延長 N N
アスピリン内服 N 延長 N N N N

PLT:血小板数、Fbg:フィブリノゲン


【診断に参考となる所見】

・ 先行する感染症の有無:急性ITP、アレルギー性紫斑病では、しばしば先行感染症がみられる。

・ 血友病は伴性劣性遺伝のために男性のみに発症(母親がキャリアー)。

・ von Willebrand病は常染色体優性遺伝するため、男女ともに発症。

・ NSAID服薬の有無。

・ ビタミンK欠乏症:食事摂取量の低下、閉塞性黄疸、抗生剤の投与は危険因子。


(続く)出血傾向(6):医師国家試験対策 (鼻出血、出産時大量出血)

 

<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:08| 医師国家試験・専門医試験対策 | トラックバック(0)

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