金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年06月29日

CBT(コアカリ):止血

CBT(コアカリ)血栓止血領域の問題紹介と解説です。


止血のうち,二次止血に関与するのはどれか.

a 血小板凝集
b 血圧維持
c 血液凝固
d 血管収縮
e 線維素溶解


【ポイント】

止血には、血小板による一次止血と、凝固因子による二次止血のステップがあります。

形成された血栓を溶解する機序が線維素溶解(線溶)です。

 

【選択肢について】

a 血小板粘着と凝集は一次止血に関与します。

b 血圧維持と止血は無関係です。

c 血液凝固は、二次止血に関与します。

d 血管収縮は止血と直接は関係ありません。

e 線溶とも言います。過剰な血栓はプラスミンによって溶解します。



【正答】 c


【感想】

二次止血、一次止血といった止血知識の基本を問っていますが、用語の確認的な問題に留まっているようです。

管理人は、一次止血、二次止血という表現自体に、違和感を感じています。

ほぼ瞬時に進行している止血機序を分割することに抵抗を感じています。

分ける必要があるのでしょうか?


<止血>

血管が破綻しますと、まず「血小板粘着」が起きます。

さらに多くの血小板が集結して「血小板凝集」を生じます。

その結果、血管破綻部位に「血小板血栓」が形成されます。

ここまでが、一次止血です。


ついで、血小板を反応の場として多くの凝固因子が集結して、最終的にトロンビンが形成されますと、フィブリノゲンがフィブリンに転換して凝固が完結し「凝固血栓」が形成されます(強固な止血血栓が形成されます)。

これを二次止血と言います。


<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:55| 医師国家試験・専門医試験対策