金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年08月03日

出血傾向と血栓傾向の併存:血液内科試験

平成25年度血液内科学系統講義試験<細胞移植学(血液内科)> 平成25年7月23日

まず、血栓止血関連問題の解答を公開したいと思います。

 

下記の疾患のうち出血、血栓の両者がみられる疾患・病態はどれか。1つ選べ。

a.    アミロイドーシス
b.    先天性α2PI欠損症
c.    高ホモシステイン血症
d.    異常プラスミノゲン血症
e.    へパリン起因性血小板減少症


(解説)

アミロイドーシスでは、出血症状がみられることがあります。

・先天性α2PI欠損症では、出血症状がみられます。

高ホモシステイン血症では、血栓傾向になります。

・異常プラスミノゲン血症では、理論上は血栓傾向になる可能性があります。ただし、あまり血栓傾向とは関係ないという考えもあります。

へパリン起因性血小板減少症(HIT)は、ヘパリンにより血栓傾向になりますが、血小板数が低下するために、出血傾向も伴います。

 

(解答)e

 

<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:50| 医師国家試験・専門医試験対策