金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年07月23日

血液内科学系統講義試験:血栓止血の検査、治療

平成26年度血液内科学系統講義試験:細胞移植学(血液内科)

平成26年7月22日 (火)試験時間 16時30分〜17時30分(60分間)

問17.血栓止血関連疾患の検査、治療に関する記載として正しいのはどれか。1つ選べ。

a.    健常人のPT-INRは、2.0程度である。
b.    ワルファリンを内服すると血中プロテインS活性が低下する。
c.    肺塞栓(PE)の再発予防としては、アスピリン内服が有効である。
d.    遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病)に対しては、ビタミンK内服が有効である。
e.    第VIII因子インヒビターの出血に対しては、遺伝子組換え活性型第VIII因子製剤が有効である。


(解説)

a.   健常人のPT-INRは、1.0程度です。

b.   ワルファリンを内服しますと、ビタミンK依存性蛋白は低下します。ビタミンK依存性蛋白:VII、IX、X、II、プロテインC、プロテインS、オステオカルシンなど。

c.   肺塞栓(PE)の再発予防としては、ワルファリン内服が有効です。

d.   遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病)に対して有効な薬物はありません。対症療法が行われています。鼻出血に難渋することがあります。

e.   第VIII因子インヒビターの出血に対しては、遺伝子組換え活性型第VIII因子製剤は無効です。止血治療としてバイパス製剤が用いられています。バイパス製剤:遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(ノボセブン)、活性型プロトロンビン複合体製剤(ファイバ)。


(正答)b

 

<リンク>
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播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
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参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:11| 医師国家試験・専門医試験対策