金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2009年12月08日

高Lp(a)血症:臨床検査からみた血栓症(10)

臨床検査からみた血栓症(インデックスページ)

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高Lp(a)血症も動脈硬化および心筋梗塞、脳梗塞などの動脈血栓症の重要な危険因子です。

Lp(a)は、LDLのアポリポ蛋白B-100にアポ蛋白(a)がS-S結合した脂質です。アポ蛋白(a)は構造上、線溶因子であるプラスミノゲン(plasminogen:Plg)と非常に類似していますので、プラスミノゲンに対して拮抗的に作用します。そのため、プラスミノゲンのフィブリンへの結合を阻害してプラスミンの生成を抑制しますので、結果として線溶能が低下する(血栓傾向になる)ことになります。


Lp(a)濃度は優性遺伝し、一般人の1/4〜1/3が高Lp(a)血症を呈することより、先天性血栓性素因の一つと考えられます。


個人差で1,000倍以上の血中濃度の差があることも知られています。

  

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:40| 血栓性疾患 | コメント(0)

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