金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年12月25日

血液内科問題(急性白血病):(兼)医師国家&専門医 試験対策

金沢大学 血液学系統講義試験の問題紹介を続けたいと思います。

今回は、急性白血病に関する問題です。

 

 

14.急性白血病の診断方法について誤っているものはどれか。1つ選べ。

a)    WHO分類では芽球比率が20%以上のものを急性白血病と定義している。
b)    Auer小体を認めれば急性リンパ性白血病は否定してもよい。
c)    芽球のミエロペルオキシダーゼ染色陽性率が3%未満であれば急性リンパ性白血病と診断してもよい。
d)    単球系の細胞は非特異的エステラーゼ染色に染まる。
e)    急性前骨髄球性白血病の診断には染色体検査が有用である。


正答) c)

正答率) 61.4%



15.急性白血病の治療に用いる抗がん剤と代表的な副作用の組み合わせで誤っているものはどれか。1つ選べ。


a)    ダウノルビシン − 腎機能障害
b)    シタラビン(大量投与) ― 小脳失調症
c)    ビンクリスチン ― 末梢神経障害
d)    L-アスパラギナーゼ ― アレルギー反応
e)    メトトレキサート ― 口内炎

正答) a)

正答率) 44.8%




16.急性白血病の予後について誤っているものはどれか。1つ選べ。

a)    Core binding factor(CBF)関連白血病は正常核型の急性骨髄性白血病に比べて予後良好である。
b)    急性前骨髄性白血病は播種性血管内凝固症候群の合併頻度が高いため予後不良である。
c)    正常核型の急性骨髄性白血病であってもFLT-3遺伝子変異を有する場合は通常予後不良である。
d)    成人の急性リンパ性白血病は再発しやすい。
e)    フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病はメシル酸イマチニブの併用により治療成績が著しく向上した。


正答) b)

正答率) 59.3%

 

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:46| 医師国家試験・専門医試験対策