金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年01月05日

移植前処置:造血幹細胞移植入門(17)


造血幹細胞移植入門(インデックス)

 
造血幹細胞移植入門:移植前処置の目的

患者は、造血幹細胞移植の7-10日くらい前から抗がん剤治療や放射線治療を受けます。

これは「移植前処置(conditioning)」(または「移植前治療」)と呼ばれます。

移植前処置は、がん細胞を死滅させる以外に、移植する造血幹細胞が住み着きやすくなるように、患者自身がもともと持っている正常な血液細胞を減らしたり無くしたり、また弱めたりする目的があります。

患者は、移植前処置を受けると、細菌やウイルス・かびといった微生物に対する抵抗力(=免疫)も低下します。

 そこで、感染を防ぐために無菌(バイオクリーンルーム)など移植専用の病室を利用し、感染予防薬(抗真菌剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤)を使い始めるのが一般的です。

 

 移植前処置終了直後は、抗がん剤が患者の体内に高濃度で残っていますので、すぐに造血幹細胞を輸注すると、折角の造血幹細胞が傷んでしまう恐れがあります。

抗がん剤の種類にもよりますが、通常は、抗がん剤治療終了から2日以上空けてから、造血幹細胞を輸注します。

 

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:01| 血液疾患(汎血球減少、移植他)