金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年10月01日

CBT試験問題(こあかり):血管拡張作用&血小板凝集抑制

CBT試験(こあかり)の問題紹介と、解説&正答の記事を続けたいと思います。

前回記事(CBT試験問題(こあかり):血管収縮作用&血栓)からつながっています。

 

血管内皮細胞から産生され、血管拡張作用をもち、また血小板凝集を抑制し、非ステロイド系抗炎症薬によって産生を阻害されるのはどれか。

A. アンジオテンシンII

B. 一酸化窒素

C. エンドセリン

D. 活性酸素

E. 心房性ナトリウム利尿ペプチド

F. トロンボキサン

G. 内皮細胞由来過分極因子

H. ブラジキニン

I. プロスタグランジン

 

 


(解説)

トロンボキサンA2(TXA2):血管収縮作用、血小板凝集作用があります。

プロスタグランジンI2(PGI2、プロスタサイクリン):血管拡張作用、血小板凝集抑制作用があります。

上記の2物質は相反する作用を有していますが、これらの産生のいずれにも、サイクロオキシゲナーゼが関与しています。

非ステロイド系抗炎症薬の代表薬であるアスピリンは、サイクロオキシゲナーゼ活性を抑制するため、TXA2 & PGI2両者の産生が抑制されます。この現象は、アスピリンジレンマとしても知られています。


(正答) I





【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:55| 医師国家試験・専門医試験対策