金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年10月04日

CBT試験問題(こあかり):血小板数低下

CBT試験(こあかり)の問題紹介と、解説&正答の記事を続けたいと思います。

 

6歳の女子。

1週前に感冒様の症状があった。その後、鼻出血をきたし、上肢に紫斑を生じた。

血液学所見:血小板数1.2万、他は正常。考えられるのはどれか。

 

A.    Schönlein-Henoch紫斑病 (シェーンライン・ヘノッホ紫斑病)

B.    血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)

C.    血友病

D.    再生不良性貧血

E.    特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

F.    播種性血管内凝固症候群(DIC)

G.    慢性骨髄性白血病

H.    von Willebrand(フォン ・ヴィレブランド)病

 

 


(解説)

上気道炎症状が先行して、出血症状(鼻出血、紫斑)をきたしています。血小板数低下以外には異常所見がないと書かれています。

A.    Schönlein-Henoch紫斑病では、血小板数の低下はありません。

B.    TTPの5主徴は、1.血小板数減少 、2.溶血性貧血(赤血球破砕像) 、3.動揺する精神症状 、4.腎障害 、5.発熱 です。

C.    血友病は先天性出血性素因です。関節内出血、筋肉内出血がみられます。血小板数は低下しません。

D.    再生不良性貧血では、汎血球減少症がみられます。

E.    ITPでは、血小板数低下以外には、ほとんど異常所見は見られません。特に小児では、上気道炎が先行します。

F.    DICでは、FDPやDダイマーの上昇がみられます。

G.    CMLでは、白血球の増加がみられます。

H.    先天性の出血性素因です。出血時間APTTが延長します(PTは正常)。血小板数は正常です。



(正答) E




【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:57| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

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