金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年02月28日

急性GVHDの分類:造血幹細胞移植入門(44)



ステージ分類


(a) ビリルビン上昇、下痢、皮疹をひきおこす他の疾患が合併すると考えられる場合はstageを1つ落とす。合併症が複数存在する場合や急性GVHDの関与が低いと考えられる場合、stageを2-3落としても良い。
(b) 火傷における「9の法則」を適応。
(c) 3日間の平均下痢量。
(d) 胃・十二指腸の組織学的証明が必要。
(e) 消化管GVHDのstage 4は、3日間平均下痢量>1,500 mLかつ、腹痛または出血(visible blood)を伴う場合を指す。腸閉塞の有無は問わない。



 
重症度分類

注1) ECOG performance status (PS) = 4の場合、臓器障害がstage 4に達しなくともgrade IVとする。
注2) 各臓器障害のstageのうち、1つでも満たしていればそのgradeを適用する。
注3) 「-」は障害の程度が何であれgradeには関与しない。



造血幹細胞移植入門:急性GVHDの分類

急性GVHDは、発熱や皮疹、黄疸、下痢などの症候や生検で診断し、治療方針決定のため、ステージ分類・重症度分類を行います。

 



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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:49| 血液疾患(汎血球減少、移植他)