金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2012年5月31日

金沢大学血液内科病棟(3)研修医、医局員募集中。

病棟3

 

 平成24年5月31日(木)の金沢大学附属病院金沢大学第三内科:血液・呼吸器内科病棟と、看護士、血液内科スタッフです(No.3)。

研修医、新入医局員、募集中です!

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:27 | その他

2012年5月30日

金沢大学血液内科病棟(2)新入医局員Drも頑張っています!

病棟2
平成24年5月31日(木)の金沢大学附属病院金沢大学第三内科:血液・呼吸器内科病棟と、看護士、血液内科スタッフです(No.2)。

新入医局員Dr、研修医も頑張っています!

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:20 | その他

2012年5月29日

金沢大学血液内科病棟(1)

病棟1

 

平成24年5月31日(木)の金沢大学附属病院金沢大学第三内科:血液・呼吸器内科病棟と、看護士、血液内科スタッフです。

これは、合成写真ですが、お気づきになられたでしょうか。

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:18 | その他

2012年5月28日

新規経口抗凝固薬(12): プラザキサとフィブリノゲン

新規経口抗凝固薬(11): リバーロキサバン(イグザレルト)とATより続く。

参考記事:PT-INRダビガトランプラザキサワーファリンリバーロキサバンアピキサバン深部静脈血栓症

 
新規12
 
 
 
トロンビン阻害薬であるダビガトラン(商品名:プラザキサ)内服中の患者さんにおいて、血液凝固検査の結果をみる際の注意点として、フィブリノゲンの評価も挙げられます。

フィブリノゲンはいろんな目的で測定されます。
金沢大学第三内科は、血液内科と呼吸器内科を専門領域としていますが、呼吸器内科の専門医にとっては、フィブリノゲンは炎症反応の評価として良く用いられています。

肝予備能の低下した患者さん(慢性肝炎、肝硬変など)では、第VIII因子を除く凝固因子の産生が低下しています。
フィブリノゲンも低下することが多いために、しばしばチェックされます。


いろんな理由でフィブリノゲン が100mg/dLより低値になる場合には、新鮮凍結血漿(FFP)によりフィブリノゲンを含む凝固因子の補充を考慮することがあります。


さて、このように種々の目的で測定されるフィブリノゲンですが、ダビガトラン(プラザキサ)内服中の場合には、artifact的にフィブリノゲンが低値で測定されることがあります(上図)。
このことを知りませんと、行わなくて良いFFP輸注をしてしまったりなど、おかしな治療につながる懸念があります。

プラザキサ内服中の患者さんで、フィブリノゲンが低値で結果がかえってきても、本当にそうなのか冷静に結果を評価することが重要と考えられます。

なお、フィブリノゲン測定に用いる試薬によって、上記の現象が強くでる場合とほとんど影響ない場合がある点にも注意が必要です。

 

(続く)新規経口抗凝固薬(13): プラザキサとAPTT

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:40 | 抗凝固療法

2012年5月27日

新規経口抗凝固薬(11): リバーロキサバン(イグザレルト)とAT

新規経口抗凝固薬(10): ダビガトラン(プラザキサ)とAT活性より続く。

参考記事:PT-INRダビガトランプラザキサワーファリンリバーロキサバンアピキサバン深部静脈血栓症

新規11
 
 
前回の記事では、ダビガトラン(プラザキサ)内服中の患者さんで、血中アンチトロンビン(AT)活性の測定を行いますと、トロンビン法で測定した場合に、artifact的にAT活性が高く測定されることを記事にさせていただきました(参考:先天性血栓性素因と病態:アンチトロンビン・プロテインC&S欠損症(1))。


リバーロキサバン(イグザレルト)ではどうでしょうか。

ダビガトランの場合とは逆の現象がみられます。

すなわち、トロンビン法でアンチトロンビン(AT)活性を測定しましても問題ありませんが、Xa法で測定しますと、artifact的にAT活性が高く測定されるようです。

トロンビン阻害薬であるダビガトランではトロンビン測定法によるAT活性の評価に注意して、Xa阻害薬であるリバーロキサバンではXa測定法によるAT活性の評価に注意が必要ということになります。

施設によってアンチトロンビン(AT)活性測定に用いている試薬が異なると思います。

当院ではXa法ですが、おそらくXa法を採用している施設の方が多いのではないでしょうか。

リバーロキサバン(イグザレルト)内服中の患者さんで、異様にAT活性が高いデータを見ても冷静に判断したいと思います。

 

なお、念のためですが、ワーファリンを内服してもアンチトロンビン(AT)活性には影響ありません(参考:PT-INR)。

ワルファリンはビタミンK拮抗薬です。

ワルファリンを内服しますとビタミンK依存性蛋白である、VII、IX、X、II、プロテインC、プロレインSは低下します。

生体内の重要な凝固阻止因子であるアンチトロンビン、プロテインC、プロレインSの中で、プロテインC、プロレインSはワルファリンの内服で低下しますので、この2つの凝固阻止因子はワルファリン内服前に測定しておくことが大切なのです。

 

(続く)新規経口抗凝固薬(12): プラザキサとフィブリノゲン

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 21:38 | 抗凝固療法

2012年5月26日

新規経口抗凝固薬(10): ダビガトラン(プラザキサ)とAT活性

新規経口抗凝固薬(9): リバーロキサバンとプロトロンビン時間 より続く。

参考記事:PT-INRダビガトランプラザキサワーファリンリバーロキサバンアピキサバン深部静脈血栓症

新規10
 
 

血中アンチトロンビン(AT)活性の測定が、いろんな目的で行われると思います。

当然ながら、新規経口抗凝固薬を内服中にも血中AT活性を測定することがあると思います。

AT活性の測定は、トロンビンを利用した方法と、Xa(活性型第X因子)を利用した方法があります(参考:先天性血栓性素因と病態:アンチトロンビン・プロテインC&S欠損症(1))。


さて、ダビガトラン(商品名;プラザキサ)を内服している患者さんですが、トロンビン法でAT活性を測定しますと、artifact的にAT活性が高く測定されるようです。

このことを知っていないと、AT活性のデータを不適切に解釈することがありそうです。



(続く)新規経口抗凝固薬(11): リバーロキサバン(イグザレルト)とAT

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:28 | 抗凝固療法

2012年5月25日

新規経口抗凝固薬(9): リバーロキサバンとプロトロンビン時間


新規経口抗凝固薬(8): エドキサバン(リクシアナ)とPT-INRより続く。

参考記事:PT-INRダビガトランプラザキサワーファリンリバーロキサバンアピキサバン深部静脈血栓症

 

新規9
 

整形外科術後の深部静脈血栓症(DVT)/肺塞栓(PE)発症予防目的ちした治療薬としては、フォンダパリヌクス(アリクストラ)、エノキサパリン(クレキサン)と言ったヘパリン類(注射薬)が用いられてきました。


これらに加えて日本では、新規経口抗凝固薬の一つであるエドキサバン(リクシアナ)も、整形外科術後のDVT/PE発症予防目的に使用することが可能になりました。

今後、これらの薬物をどのように使い分けするのが良いのかが議論されるようになるものと思っています。


さて、上図は整形外科術後のDVT/PE発症予防目的にリバーロキサバンを用いて(日本ではまだ保険適応はありません)、プロトロンビン時間:PT(PT-INR)への影響をみたものです。

やはり、どのPT試薬を用いて測定するのかによって、データを見た際の印象が相当に違うように思われます。

加えて、この図を見て感じることは、症例によってプロトロンビン時間(PT)延長度の個人差がとても大きいことです(分布を示すバーの幅が広いことが注目されます)。

たとえば、Recombiplastin内服2時間後ですが、PTは、12〜23秒と大きく分布しています。PT23秒の症例は出血しないのでしょうか。

これほどに個人差が大きいということは、この薬剤はモニタリングする必要があるという意味ではないかと管理人らは考えています。

PT延長度の個人差が大きい理由ですが、血中濃度がピークになるタイミングに個人差(0.5〜4時間)があるせいかも知れません。


1)PT試薬に何を用いるかによって同じ検体であっても成績が違う。

2)採血のタイミングによってPT値が異なる。

上記の2点はこの論文の主旨を構成する重要ポイントですが、私たちの臨床の場においても常に意識しないといけない点ではないかと思います。

リバーロキサバン投与患者で、例えばPT13秒という成績が出た場合、服薬と採血のタイミングを把握せずに値だけで判断すると、出血リスクを見逃す可能性があるとも言えます。

投与後2時間後のPTが13秒でも、血中濃度がピークになるタイミングの個人差のために、3時間後、4時間後には想定以上に延長している(ピークが来る)可能性もあると考えられます。

新規経口抗凝固薬におけるPTやAPTT測定の主たる意義は、出血のリスク(効果でなく)をチェックすることにあると考えられます。

上記のように採血ポイントや血中濃度ピークの個人差のために単純ではありませんが、定期的に測定するピーク時間近辺でのPTやAPTTが想定値以上の延長になった場合はリスクがあると考えることで、全例ではないにしても相当数の患者さんのリスクを回避できるのではないかと思っています。


(続く)新規経口抗凝固薬(10): ダビガトラン(プラザキサ)とAT活性

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:53 | 抗凝固療法

2012年5月24日

金沢大学血液内科・呼吸器内科:入局者募集中2

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)入局者募集中 http://www.3nai.jp/weblog/entry/55334.html
 (北国新聞記事)より続く

上記記事と類似の内容で、フェイスブックでも書かせていただいたところ、

富山県の病院で勤務されている金沢大学第三内科(呼吸器内科)医局員の先生から、素晴らしいコメントをいただきました。

もっともではないかと思いましたので、こちらのブログ記事でも紹介させていただきます。

 

【以下、引用】

外の病院から大学をみていると、研修医の勧誘に当たって、

「専門性のある医師を育てること」ばかりが強調されているような印象があります。


大学という特性から考えるとそうならざるを得ませんが、このために漠然と「内科」を考えているような人からは敬遠されるようにも感じます。


内科は主に臓器別に分類されますが、動脈硬化、腫瘍、感染症、免疫・アレルギーという分類の仕方もあります。


この観点からは金沢大学第三内科の専門性は内科の多くの分野に応用でき、現に外の病院では、第三内科出身の医師が多く感染対策やがん診療の中核を担っています。

こういったことも勧誘にあたっては強調されるべきなのかなと感じる今日この頃です。

 

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:19 | 研修医の広場

2012年5月23日

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)入局者募集中

北国新聞

 

 

平成24年5月23日(水)の北国新聞(石川県/金沢市で最も購読されている新聞です)からの記事です。

今年度に石川県内の大学病院(金沢大学附属病院、金沢医科大学病院)や臨床研修病院に採用された臨床研修医が113人となり、臨床研修制度が導入された2004年以降で最多となったそうです。

私たちの医局(金沢大学第三内科:血液・呼吸器内科)の状況をみますと、そのような実感は全くないのですが(北陸における血液内科専門医・呼吸器内科専門医の少なさはcriticalな状況にあります)、明るいニュースですので記事にさせていただきました。

北陸に限らず全国的な現象かも知れませんが、血液内科専門医、呼吸器内科専門医がバランスよく配置されることで、さらなる医療レベルの向上が期待できるのではないかと思っています。

ということで、金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)は、一人でも多くの皆さんの入局者を心からお待ちしています。

 

 <リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:09 | その他

2012年5月22日

北陸ヘモフィリア懇話会のご案内

第5回北陸ヘモフィリア懇話会

日時:2012年6月16日(土)14時00分〜16時30分
会場:金沢都ホテル 5F「兼六の間」

参考記事:血友病とは

14:00-14:15   
製品紹介          バクスター株式会社

開会のことば  
   
福井赤十字病院 内科 今村 信 先生
   

14:15-15:15   
【特別講演1】

『理学療法と患者心理』

座長:金沢大学附属病院 血液内科 林 朋恵 
演者:国立病院機構福井病院 リハビリテーション科 下川 亜希子 先生
      

15:15-15:30        休憩


15:30-16:30   
【特別講演2】

『血友病治療の変遷と最適治療の模索 名古屋地域に於ける治療経験より』 

座長:金沢大学附属病院 高密度無菌治療部  朝倉 英策 
演者:愛知三の丸病院  顧問・名誉院長   緒方 完治 先生


閉会のことば 
石川県立中央病院 血液内科 上田 幹夫 先生

主催:    バクスター株式会社 バイオサイエンス事業部

 <リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:01 | 研究会・セミナー案内

2012年5月21日

新規経口抗凝固薬(8): エドキサバン(リクシアナ)とPT-INR

新規経口抗凝固薬(7): イグザレルト(リバーロキサバン)とPT-INR より続く。

参考記事:PT-INRダビガトランプラザキサワーファリンリバーロキサバンアピキサバン深部静脈血栓症

 
新規8

 

新規経口抗凝固薬のうち、 ダビガトラン(商品名:プラザキサ)はAPTTの延長の方が、リバーロキサバン(商品名:イグザレルト)はPTの延長(PT-INRの上昇)の方が目立つ点につきましては、既に記事にさせていただきました。

そして、プラザキサ、イグザレルトともに、用いる試薬によって、同じ検体であっても成績が大きく変わります。

このことは、エドキサバン(リクシアナ)<この記事アップ時点では、リクシアナは下肢整形外科術後の静脈血栓塞栓症発症予防として保険適応のある薬剤です>につきましても同様です。

上図のように、PT-INRのデータが、用いる試薬によって大きく変わってしまいます。
不思議ですね。

INRが高くでる試薬と、INRが低く出る試薬とでは、どちらの方が臨床の状況(リクシアナのコントロール具合)をより誠実に反映しているのでしょうか?

(続く)新規経口抗凝固薬(9): リバーロキサバンとプロトロンビン時間

 

<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:16 | 抗凝固療法

2012年5月20日

新規経口抗凝固薬(7): イグザレルト(リバーロキサバン)とPT-INR

新規経口抗凝固薬(6): プラザキサとPT・APTT・検査試薬より続く。

参考記事:PT-INRダビガトランプラザキサワーファリンリバーロキサバンアピキサバン深部静脈血栓症

新規7

 


ダビガトラン(商品名:プラザキサ)やリバーロキサバン(商品名:イグザレルト)などの新規経口抗凝固薬は、治療域で、PT(PT-INR)やAPTTを有意に延長させます。

プラザキサはAPTTの延長の方が目立つようですが、イグザレルトはPTの延長(PT-INRの上昇)の方が目立つようです。

プラザキサは抗トロンビン薬、イグザレルトは抗Xa薬ですから、どちらも凝固カスケードでは共通系を抑制します。PTあるいはAPTTのどちらををより延長させるかが、薬物によって異なる理由は、管理人には分かりません。私たちが知らない何らかの理由があるのでしょうか。

なお、イグザレルトにおきましても、どの試薬を用いるかによって、同じ検体であってもデータがまるで変わるようです(特にPT-INR)。

このことを了解していないと、臨床の現場で混乱がおきそうです。
前回の記事でも書かせていただきましたが、日本の試薬シェアを配慮した、このような検討結果を是非ともみたいところです。


上図で、INR(Quick type)は、いわゆる普通のPT-INRですが、INR(Owren type)ではアッセイ系に凝固第V因子とフィブリノゲン(第I因子)があらかじめ含まれているようです。

つまり、INR(Owren type)は、日本でのトロンボテストのような検査ではないかと思っています。

用いる試薬によってこんなに成績が異なってしまう理由は、管理人にはよくわかりません。
新規経口抗凝固薬を巡って、いろいろとミステリーがありそうです。


(続く)新規経口抗凝固薬(8): エドキサバン(リクシアナ)とPT-INR

 

<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:54 | 抗凝固療法

2012年5月19日

新規経口抗凝固薬(6): プラザキサとPT・APTT・検査試薬

新規経口抗凝固薬(5): プラザキサ薬物動態とモニタリング より続く。

参考記事:PT-INRダビガトランプラザキサワーファリンリバーロキサバンアピキサバン深部静脈血栓症

新規6

既に、下記のリンク先で記事にさせていただいていますように、プラザキサやイグザレルトなどの新規経口抗凝固薬は、治療域で、PT(PT-INR)やAPTTを有意に延長させます。

出血性疾患の代表である血友病von Willebrand病に匹敵する位の延長がみられることもあります(血中薬物濃度がピークのポイントで)。
モニタリングは、やはり必要ではないでしょうか。

ダビガトラン(商品名:プラザキサ) のINR&APTTへの影響

リバーロキサバン(商品名:イグザレルト) のINR&APTTへの影響

ただし、モニタリングを行う上で、いくつかの注意点があると思います。

一つは、新規経口抗凝固薬を内服してから、何時間のポイントで採血するかです(参考:新規経口抗凝固薬(5): プラザキサ薬物動態とモニタリング )。

その次には、PT検査試薬やAPTT検査試薬に何を使うかです。
上図のように、ダビガトラン(プラザキサ) のレベルでPTやAPTTは延長するのですが、どの検査試薬を用いるかによって、その延長度が相当に異なるのです。

これは注意しないといけないと思います。

上図は海外での検査試薬のシェアを考慮した検討なのだと思います。
日本での試薬のシェアはまた違っていますので、上図の検討の日本バージョンが是非必要ではないかと思っています。

 

 (続く)新規経口抗凝固薬(7): イグザレルト(リバーロキサバン)とPT-INR

 

<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:10 | 抗凝固療法

2012年5月18日

新規経口抗凝固薬(5): プラザキサ薬物動態とモニタリング

新規経口抗凝固薬(4): プラザキサのモニタリング不要?より続く。

参考記事:PT-INRダビガトランプラザキサワーファリンリバーロキサバンアピキサバン深部静脈血栓症

新規5

 

ワルファリン(商品名:ワーファリン)とダビガトラン(商品名:プラザキサ)を比較した場合に、いくつかの相違点があります。

モニタリングを考える場合も、大きな違いがあります。

ワルファリンのモニタリングは、PT-INRなどで行われています。
この場合、採血は一日のうちいつ行っても、PT-INRはほぼ同じデータになります。

しかし、ダビガトラン(プラザキサ)などの新規経口抗凝固薬の場合は、話が違ってきます。
新規経口抗凝固薬のTmaxは内服後2~3時間ですが、半減期は半日です。

内服後、どのポイントで採血するかによって、PT-INRAPTTのデータはまるで変わってきます。
この点は、上図からも明らかです。


ダビガトラン(プラザキサ)などの新規経口抗凝固薬は、モニタリングしなくても良いというのが当初キャッチフレーズになりましたが、本当にそうでしょうか?
ダビガトラン(プラザキサ)は、モニタリングをしなかったために、致命的な出血の副作用が出現してブルーレターが出たのではないでしょうか。

その後の製薬会社さんのご努力で、出血の有害事象があまり出なくなったと聞いていますが、モニタリングがしっかりされるようになったこともあるのではないでしょうか。


さて、新規経口抗凝固薬を内服されている患者さんの採血をいつ行うのが良いでしょうか。
今後の検討課題だとは思いますが、管理人らは、薬物血中濃度がピークで採血すべきではないかと考えています。

朝食後にダビガトラン(プラザキサ)を内服した場合には、外来で採血すれば2〜3時間後のピークになっているのではないでしょうか。

薬物濃度がピークの時点でのAPTT、PTが想定範囲を越えていた場合には、出血の副作用が出現する可能性があると考えるべきではないでしょうか。

トラフとなるタイミングで採血してもAPTT、PTは延長していません。
もしトラフのタイミングでAPTT、PTが延長していたら大変なことです。問題外です。
そうではなく、薬物血中濃度がピークのポイントであっても、出血の副作用がでるほどの延長になっていないことを確認することが重要ではないかと思っています。

 

(続く)新規経口抗凝固薬(6): プラザキサとPT・APTT・検査試薬

 

<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:58 | 抗凝固療法

2012年5月17日

新規経口抗凝固薬(4): プラザキサのモニタリング不要?

新規経口抗凝固薬(3): プラザキサとイグザレルト(心房細動)より続く。

参考記事:PT-INRダビガトランプラザキサワーファリンリバーロキサバンアピキサバン深部静脈血栓症

 

新規4


ワルファリン(商品名:ワーファリン)は、適切なコントロールのために、診察時に毎回血液検査を行ってコントロール具合をチェックする必要があります(参考記事:PT-INR)。

これに対して、上図のような新規経口抗凝固薬であれば、頻回の採血を必要としないことがウリにされています。

心房細動に対して、日本で最初に保険収載された新規経口抗凝固薬はプラザキサですが、やはり当初は血液検査をあまり必要としないことをウリにしていました。

本当に、それで良かったのでしょうか?

残念なことに、プラザキサは致命的な出血をきたした症例も出て、ブルーレターがでてしまったのは記憶に新しいところです。
特に腎障害症例、高齢者症例などで問題になったようです。

適切なモニタリングをしていれば、このようなことは避けられたのではないでしょうか。

その後のメーカーさんのご努力で、出血の有害事象の出現は激減したとお聞きしていますが、油断禁物です。

プラザキサのみならず、イグザレルト、リクシアナ、アピキサバンにつきましても適切なモニタリングは欠かせないのではないでしょうか。

新規経口抗凝固薬は、いずれも神様からのプレゼントともいうべき素晴らしいお薬です。

これらの素晴らしいお薬がポシャることのないように、モニタリングはとても重要ではないかと思います。

 

(続く)新規経口抗凝固薬(5): プラザキサ薬物動態とモニタリング

 

<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:11 | 抗凝固療法

2012年5月16日

新規経口抗凝固薬(3): プラザキサとイグザレルト(心房細動)

新規経口抗凝固薬(2): プラザキサ, イグザレルト, リクシアナ他より続く。

参考書籍:「臨床に直結する血栓止血学」(新規経口抗凝固薬についても詳述されています)

参考記事:PT-INRダビガトランプラザキサ、、ワーファリンリバーロキサバンアピキサバン深部静脈血栓症

新規3

 

 

新規経口抗凝固薬は、大変に期待されています。
今後、これらの薬物の特徴を熟知した上で、使い分けをどうするかと言った議論がなされるようになるのではないかと思っています。

この記事の執筆時点で、非弁膜症性心房細動(NVAF)に対して処方することのできる新規経口抗凝固薬は、ダビガトラン(商品名:プラザキサ)と、リバーロキサバン(商品名:イグザレルト)のみですが、この2剤の比較でも、共通点と相違点があります。


<プラザキサとイグザレルトの共通点>

1. 適応疾患はどちらもNVAF(本記事執筆時点)。

2. 分子量が小さい。

3. 腎代謝が主体(ただし、イグザレルトは活性体の腎代謝は36%ですので、腎機能障害があった場合の影響はプラザキサよりも少ないです。一方、プラザキサは肝機能障害があった場合の影響はイグザレルトよりも小さいことになります)。

4. Tmax(ピーク)は、2〜3時間。

5. 半減期は、半日くらい。

6. P糖蛋白相互作用あり。


<プラザキサとイグザレルトの相違点>

1. プラザキサは抗トロンビン作用、イグザレルトは抗Xa作用。

2. 製薬会社(当然と言われそうです、すいません)。

3. プラザキサは1日2回内服、イグザレルトは1日1回内服。

4. 生体利用率:プラザキサは低いです。抗トロンビン薬は吸収されにくいようです。そのためにプロドラッグにされています。

5. 代謝。

6. 剤型は、プラザキサはカプセル、イグザレルトは錠剤です。

 

上記の相違点のうち、とくに赤字の項目が大きな議論になるのではないかと思っています。

医学的には、トロンビンを抑制するのが良いのか、Xaを抑制するのが良いのかが大変に興味がありますが、結論は出ていません。


ワルファリンとの比較試験ではなく、将来プラザキサとイグザレルトの直接対決をしてはどうかと、第三者の立場では思ってしまいますが、多分、どちらの製薬会社も躊躇されるのではないかと推測します。

引き分けになると良いのですが、どちらかに軍配が上がった場合には大変なことになりそうです。しかし、自分がどちらかのお薬を内服するpatientの立場になった場合には、この結果をみて決めたいと思うかも知れません。

 

(続く)新規経口抗凝固薬(4): プラザキサのモニタリング不要?

 

<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:47 | 抗凝固療法

2012年5月15日

新規経口抗凝固薬(2): プラザキサ, イグザレルト, リクシアナ他

新規経口抗凝固薬(1):次世代のワーファリンより続く。

参考記事:PT-INRダビガトランプラザキサ、、ワーファリンリバーロキサバンアピキサバン深部静脈血栓症


新規2

 

新規経口抗凝固薬は、次世代のワーファリンとも言うべき素晴らしいお薬です。

具体的には、ダビガトラン(プラザキサ)、リバーロキサバン(イグザレルト)、エドキサバン(リクシアナ)、アピキサバンです。この後も、続くのではないかと思います。

日本では、ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン(申請中)は非弁膜症性心房細動に対して、エドキサバンは下肢の整形外科手術後のDVT発症予防目的で用いられます。

ダビガトランは抗トロンビン薬です。リバーロキサバン、エドキサバン、アピキサバンは抗Xa薬です。

これらの新規経口抗凝固薬には、共通点と、相違点があります。

 

【共通点】

1. 分子量が大変小さい。

2. 血中濃度のピークが、2時間前後。

3. 半減期が半日程度。

4. その他。



【相違点】

1. ダビガトラン、リバーロキサバンは腎排泄が主体。

2. 投与回数:ダビガトラン、アピキサバンは一日2回。リバーロキサバン、エドキサバンは一日1回。

3. 剤型:ダビガトランはカプセル、その他は錠剤。

4. その他。

 

なお、どの薬剤も半減期は半日くらいとほぼ同じであるにもかかわらず、1日1回の投与で良い薬剤と、1日2回の投与が必要な薬物に分かれてしまう理由は、管理人には分かりません。

 

半減期が半日であるにもかかわらず、1日1回で良い理由は。。。

そういう結果だったということかも知れませんが、何か理由があるように思っています。

 

(続く)新規経口抗凝固薬(3): プラザキサとイグザレルト(心房細動)

 

<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:02 | 抗凝固療法

2012年5月14日

新規経口抗凝固薬(1):次世代のワーファリン

スライド29

新規経口抗凝固薬(NOAC)には、抗トロンビン作用を有した薬剤と、抗Xa作用を有した薬剤があります。

まず、Ximelagatranが開発されて大変に期待されました。
しかし、肝障害が出現したために、臨床の現場に登場することはありませんでした。
とても残念です。

そういう中で、抗トロンビン作用を有したダビガトランが臨床の場で使用できるようになったのは、大変な朗報だったと思います。

また、抗Xa作用を有する薬剤も次々と、臨床の場で使用できるようになりました。

抗凝固療法の治療薬が、まさに花盛りという状況ではないかと思います。
スライド30

 

次世代のワーファリンとも言える新規経口抗凝固薬が、続々と登場したわけです(関連記事:PT-INR)。

まずダビガトラン(商品名:プラザキサ)が、非弁膜症性心房細動(NVAF)患者さんに対して使用できるようになりました。発売1年以上が経過しますと、2週間までという処方制限がなくなりますので、より処方しやすくなります。

その後、エドキサバン(商品名:リクシアナ)が整形外科下肢手術後の深部静脈血栓症(DVT)の予防目的に使用できるようになりました。

そして、その後、非弁膜症性心房細動(NVAF)患者さんに対して、リバーロキサバン(商品名:イグザレルト)やアピキサバン(商品名:エリキュース)を使用できるようになりました。

ワーファリンの歴史はとても長く、それだけ優れたお薬でもあった訳ですが、食事制限、多くの薬物との相互作用、頻回の採血によるモニタリングの必要性など(関連記事:PT-INR)、臨床医にとっても患者さんにとってもストレスを伴うお薬でもありました。

新規経口抗凝固薬は、これらの問題点を、相当部分解決しており、大変に期待されています。

 

(続く)新規経口抗凝固薬(2): プラザキサ, イグザレルト, リクシアナ他

 

<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:05 | 抗凝固療法

2012年5月13日

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ:インデックス

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(8)より続く。

DIC診断基準の改訂へ(インデックス)
1)DIC診断基準の改訂へ
2)診断スコアスコアリング引き下げ & 基礎疾患をスコアリングから削除
3)臨床症状をスコアリングから削除
4)プロトロンビン時間(PT)を最高1点までに
5)TATの採用
6)誤診対策(FDP)
7)骨髄抑制群、感染症群、肝不全群の追加
8)備考

<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:36 | DIC

2012年5月12日

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(8)

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(7)より続く。

DIC改訂案

 

DIC診断基準の改訂へ(8)

8)    備考

DIC臨床レベル向上のため、有用な情報を備考欄で提供すべきと考えられます。


FDP

DIC診断で最も重要視されるFDPですが、FDP上昇をきたす他疾患(深部静脈血栓症、肺塞栓、大血腫、大量胸腹水、術後など)の鑑別は重要です。

特に、DICに深部静脈血栓症や肺塞栓も合併することがあるため、DIC診断基準を満たしていても下肢静脈エコーを積極的に施行すべきと考えられます。


PT

ビタミンK欠乏症や肝不全などでも延長する点に注意が必要です。


TAT

採血困難例やルート採血などではartifactで上昇することの注意喚起が必要と考えられます。


線溶活性化マーカー


PIC、α2PI、プラスミノゲンは、線溶亢進型DICの診断に必要です。


予後判断マーカー


DICの診断に直結していなくても予後と関連するマーカーを紹介すべきと考えられます。
具体的には、アンチトロンビン著減例、PAI著増例、HMGB-1著増例では予後不良です。

(続く)厚生労働省DIC診断基準の改訂へ:インデックス

 

<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:27 | DIC

2012年5月11日

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(7)

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(6)より続く。

DIC改訂案

 

DIC診断基準の改訂へ(7)

7)    骨髄抑制群、感染症群、肝不全群の追加

DIC診断基準(基本型)のみでは、多彩な病態を示す全ての基礎疾患に合併したDICを診断することに無理があるものと考えられます。

基本型に、骨髄抑制群、感染症群、肝不全群を追加しては如何でしょうか。

なお、上図のDIC診断基準改定案はあくまでも、管理人の個人的な考察(私案)ですので、どうぞよろしくお願いいたします(全く議論はされていません)。今まで記事で書かせていただいたように、以下のような修正が加わっています。

・現状に合わせて、まず総スコア1点を減じてDICと診断されるところからスタートしています。
・基礎疾患がスコアリングから外れています。
・臨床症状がスコアリングから外れています。
・PTは最高1点までになっています。
・TATのスコアリングが加わりました(PTの削除された1点分に相当)。
・FDPが1ケタではDICと診断されないように工夫が加わりました。




<骨髄抑制群>

血小板数の低下の理由はDICのためではないですから、血小板数をスコアリングから外す必要があります。
それに伴い、DICと診断されるスコア総点を下げる必要があります。
3点が妥当ではないかと考えられますが、検討課題です。


<感染症群>

感染症に合併したDICでは、フィブリノゲンが低下するのは例外的です(炎症反応のため)。
フィブリノゲンを外すことでDIC診断の感度を向上させることが可能です。
スコア総点の考え方は同上です。


<肝不全群>

血小板数やフィブリノゲンの低下、PTの延長はDICのためとは限りません。
現在の診断基準でも配慮がなされていますが、同様の配慮が必要と考えられます。
スコア総点を6点に引き上げるのも一法ではないかと考えられますが、検討課題です。

 

(続く)厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(8)

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:38 | DIC

2012年5月10日

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(6)

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(5)より続く。

DIC診断基準の改訂へ(6)

6)    誤診対策(FDP)

現在の厚生労働省診断基準を用いて誠実にスコアリングしてDICと診断される症例であっても、客観的に判断して、どうしてもDICと思えない症例が少なからず存在します。

具体的には、FDPが1ケタの症例です。
FDP 10μg/mL未満でDICとはまず考えられないと思います。

それらの症例では血小板数著減、PT著明延長の所見はあり、しばしば臨床症状もみられますが(DICに起因する訳ではありませんが)、FDPは10μg/mL未満(1ケタ)です。

このような症例は、しばしば肝不全(肝予備能低下)症例です。


誤診対策として、FDP<10μg/mLで、-1点とするのは如何でしょうか。
(さらに極論すれば、FDP<10μg/mLでは絶対にDICとは診断されないように、-2点、-3点とするのも一法かもしれませんね)

現在のDIC診断基準の問題点はいくつかありますが、FDP<10μg/mLであってもDICと診断されてしまうことがあるのは大きな問題ではないかと思っています。

(さらに極論ですが、FDP<10μg/mLであるにもかかわらず医学的にDICと診断される症例はまずない訳ですから、FDP<10μg/mLであればそれだけで、DICを否定するという診断基準でも良いかも知れませんね)

(続く)厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(7)

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:11 | DIC

2012年5月9日

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(5)

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(4)より続く。

DIC診断基準の改訂へ(5)

5)    TATの採用

前回の記事で書かせていただいたように、PTを2点から1点へと圧縮したことにより、残った1点をTATに与えることにしては如何でしょうか。

DICの本態は全身性持続性の著明な凝固活性化です。

このDICの本態を反映するマーカーを是非とも採用すべきと考えられます。

TATを即日測定可能な施設が少ないという意見も聞かれますが、この状況を延々と何年も続けることは如何なものでしょうか。

TATを診断基準に組み込むことによって、極めて有用なマーカーである「TAT」普及の原動力にすることができると、前向きに考えてみては如何でしょうか。

血栓止血学会学術標準化委員会DIC部会の検討によりますと、感染症症例(血小板数<12万/μL)において、TAT<7ng/mLであれば、後日DICを発症する可能性は0%と報告されています。

朝倉英策, 久志本成樹. DICの病態定義、感染症と非感染症. 日本血栓止血学会誌2006; 17:284-293.

TAT≧7ng/mLで、1点を与えることにしては如何でしょうか。

なお、TAT 7ng/mLは、TATの基準値であるTAT<3〜4 ng/mLの2倍ともなっており、この点でも意味のある数字となっています。

(続く)厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(6)

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:56 | DIC

2012年5月8日

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(4)

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(3)より続く。

DIC診断基準の改訂へ(4)

4)    プロトロンビン時間(PT)を最高1点までに

プロトロンビン時間(PT)は、確かにDICのために延長することがあります。
現在の診断基準では、PTの延長の程度に応じて、最高2点まで与えられます。

しかし、PTはDIC以外の多くの要素によって延長します。


代表的な例として、肝不全(肝予備能低下)やビタミンK欠乏症でも容易に延長しますので、決してDICに特異的なマーカーではありません。

むしろPTに対する依存度が高いことは、DICの誤診につながる懸念すらあります。

管理人の経験では、DICではないかとコンサルトいただく症例で、どうみてもDICとは思えない症例の多くが、肝予備能低下をきたした症例です。このような症例では、PTが明らかに延長しているのみならず、しばしば、DIC以外の原因で血小板数も低下しています。


現在は、PTに対しては最高で2点まで与えられますが、最高1点までにして、PTに対する依存度をさげるべきと考えられます。その方が、DICの誤診を少なくすることにもつながると思います。

現在は、PT比>1.25で1点、PT比>1.67で2点を与えられますが、PT比>1.67で初めて1点にしては如何でしょうか。

(続く)厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(5)

 

<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:31 | DIC

2012年5月7日

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(3)

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(2)より続く。

DIC診断基準の改訂へ(3)

3)    臨床症状をスコアリングから削除

DICの症状は二つのみです。出血症状と、臓器症状です。
ただし、これらの臨床症状が出現しないとDICと診断されないのでしょうか?
(現診断基準は、臨床症状があった場合に、スコアを与えています)

DICは「基礎疾患の存在下における、全身性持続性の著明な凝固活性化」が本態です。
臨床症状の有無は関係ないと考えたいです。

出血症状や臓器症状と言った臨床症状が出現しないとDICと診断されないようでは、DICの早期診断に悪影響ですし、予後改善にはつながりません。

診断基準が予後改善につながらないようでは、その意義がなくなってしまいます。

加えて、臨床症状がDICによるものかどうかの鑑別は、不可能です。

臨床症状をスコアリングから削除すべきと考えられます。

それに伴い(臨床症状をスコアリングから外すことに伴い)、スコア4点以上でDICと診断したいと思います(前記事からつながっていますので、よろしくお願いいたします)。

 

 (続く)厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(4)

 

<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:50 | DIC

2012年5月6日

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(2)

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(1)より続く。


DIC診断基準の改訂へ(2)
 

厚労省DIC診断基準(1988年改訂版)は、1980年にその原型があり長年にわたって使用されてきました。

それだけ素晴らしい診断基準であったということかもしれませんが、種々の問題点も指摘されてきました。

診断基準の改訂は、DICの臨床、研究を向上させるためにも、最も重要な課題の一つです。

管理人の私案ですが、診断基準の改訂の方向性について論じてみたいと思います。

その中で現在の診断基準の問題点や限界を考察してみたいと思います。


1)    診断スコアスコアリング引き下げ

DICと診断されるスコア7点以上でDICの治療を開始している臨床医は15%に過ぎないことが分かっています。

中川雅夫: 播種性血管内凝固(DIC)診断基準の利用に関する調査報告. 厚生省特定疾患血液系疾患調査研究班血液凝固異常症分科会平成十年度研究業績報告書 1999: 65-72.

臨床医の85%は、DICスコア6点以下であってもDIC治療を開始していることになります。

DICと診断されるスコアを1点引き下げて、骨髄非抑制群(非白血病群)ではDICスコアで6点以上(現状は7点以上)、骨髄抑制群(白血病群)では3点以上(現状は4点以上)で診断とするのみで、現状に一致することになります。


2)    基礎疾患をスコアリングから削除

基礎疾患のないDICは存在しませんので、基礎疾患でのスコアリングはナンセンスです。

基礎疾患の存在は必須として、スコアリングから外すべきと考えられます。

それに伴い(基礎疾患でのスコアリングを外すことに伴い)、DICスコア5点以上でDICと診断されます。

(続く) 厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(3)

 

<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:37 | DIC

2012年5月5日

厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(1)

参考書籍:「臨床に直結する血栓止血学」(DICに関しては特に詳述されています)

参考書籍リンク:しみじみわかる血栓止血 Vol.1 DIC・血液凝固検査編  ←  クリック

 

DIC診断基準の改訂へ(1) 

DIC基準

播種性血管内凝固症候群(DIC)の診断基準として最も頻用されているのは、厚生労働省DIC診断基準です(上図)。

基礎疾患、臨床症状(出血症状/臓器症状)、血小板数、FDP、フィブリノゲン、PT比(患者PT/正常対照PT)によってスコアリングして診断します。

骨髄抑制をきたすような白血病群では、出血症状、血小板数を含めません。


典型的なDICにおける、臨床・検査所見を網羅している点が特徴ですが、早期診断には不向きとの指摘があります。

この診断基準では、非白血病群では7点以上、白血病群では4点以上の場合にDICと診断されますが、厚生労働省研究班のアンケート調査によりますと、実際の臨床の場では、7割の臨床家が非白血病群では6点、白血病群では3点でDIC治療を開始している実状があります。


急性期DIC診断基準
は、より早期診断が可能な診断基準として救急領域において期待されています。特に、感染症に合併したDICの診断には威力を発揮しますが、造血器悪性腫瘍(白血病群)には適応できません。


ISTH(国際血栓止血学会)の診断基準は、日本の厚生労働省診断基準を模して作成されたものですが、さらに早期診断には不向きであるという指摘が多いです。


残念ながら、現在ベストと言える診断基準はなく、今後の発展が期待されます。

管理人らは、DICの本態である凝固活性化を反映するマーカー(TATSFなど)を是非とも診断基準に組み込むべきであると考えています。

また、線溶活性化の程度によりDIC病態は大きく変わるため、線溶活性化マーカー(PICなど)も何らかの形で、DIC病態診断に必要な項目として取り込むべきと考えられます(TAT&PIC)。

このような分子マーカーを診断基準に組み込むことで、有用な分子マーカーの普及にもつながるものと確信しています。

DIC診断基準は、治療に直結する(患者の予後に直結する)ものですから、十分な議論の上にも、早々により良い診断基準が登場することが望まれます。


内山俊正: 厚生省DIC診断基準の背景—その成立から現在まで—. 日本血栓止血学会誌2010; 21: 562-571.

関義信: 病院規模別にみたDIC診断基準のとらえ方および活用方法の現状と今後望まれるもの. 日本血栓止血学会誌2010; 21: 572-577.

 久志本成樹:外傷急性期凝固異常とDIC診断. 日本血栓止血学会誌2010; 21: 578-587.

丸藤哲, ほか: 急性期DIC 診断基準の特徴と今後の展望. 日本血栓止血学会誌2010; 21: 588-594.

窓岩清治: 感染症DICを考慮した現厚生労働省DIC診断基準の検討. 日本血栓止血学会誌2010; 21: 595-599.

和田英夫, ほか: プロスペクティブスタデイからみたDIC診断基準. 日本血栓止血学会誌2010; 21: 600-605.

森下英理子, ほか: DIC診断に関する部会員アンケート調査結果. 日本血栓止血学会誌2010; 21: 606-611.


(続く)厚生労働省DIC診断基準の改訂へ(2)


<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:53 | DIC

2012年5月4日

造血幹細胞移植とトロンボモジュリン製剤(リコモジュリン)

トロンボモジュリン製剤(rTM:リコモジュリン)は、その抗凝固活性のため播種性血管内凝固症候群(DIC)治療薬として世界で唯一日本でのみ認可されている優れた薬物です。

本記事執筆時点での保険適応はDICのみですが、抗炎症効果(Abeyama K, et al. J Clin Invest. 2005; 115: 1267-74)やその他の作用もあり、多くの病態に対して有効ではないかと期待されています。

急性前骨髄球性白血病(APL)に対して、rTMが、ATRAによる抗線溶作用(N Engl J Med. 1999; 340: 994-1004.)や抗白血病作用を増強するという研究結果は、APLに合併したDICに対してrTMが良い適応であることを示しており、大変に興味深いところです。

Ikezoe T, et al. Thrombomodulin enhances the antifibrinolytic and antileukemic effects of all-trans retinoic acid in acute promyelocytic leukemia cells. Exp Hematol. 2012 Feb 10. [Epub ahead of print]

 rTMが、急性骨髄単球性白血病細胞株であるTHP-1を分化させて細胞増殖を抑制したという報告もみられます(JNK/c-Junシグナルを活性化することによる)。

Yang J, Ikezoe T, et al. Thrombomodulin-induced differentiation of acute myelomonocytic leukemia cells via JNK signaling. Leuk Res. 2012; 36: 625-633.

 

造血幹細胞移植後に合併した、類洞閉塞症候群(sinusoidal obstructive syndrome:SOS)、血栓性微小血管障害症(thrombotic microabgiopathy:TMA)、生着症候群(engraftment syndrome)、GVHDに対してrTMが有効であるという報告もみられています。

Ikezoe T, et al. Successful treatment of sinusoidal obstructive syndrome after hematopoietic stem cell transplantation with recombinant human soluble thrombomodulin. Bone Marrow Transplant. 2010; 45:783-785.

Sakai M, et al. Successful treatment of transplantation-associated thrombotic microangiopathy with recombinant human soluble thrombomodulin. Bone Marrow Transplant. 2010; 45: 803-805.

Ikezoe T, et al. Recombinant human soluble thrombomodulin counteracts capillary leakage associated with engraftment syndrome. Bone Marrow Transplant. 2011; 46: 616-618.

Ohwada C, et al. Successful treatment with recombinant soluble thrombomodulin of two cases of sinusoidal obstructive syndrome/hepatic veno-occlusive disease after bone marrow transplantation. Am J Hematol. 2011; 86: 886-888.

Nomura S, et al. Can recombinant thrombomodulin play a preventive role for veno-occlusive disease
after haematopoietic stem cell transplantation? Thromb Haemost. 2011; 105: 1118-1120.

Inoue Y, et al. Successful treatment of refractory acute GVHD complicated by severe intestinal transplant-associated thrombotic microangiopathy using recombinant thrombomodulin. Thromb Res. 2011; 127: 603-604.

Nakamura D, et al. Recombinant human soluble thrombomodulin for the treatment of hepatic sinusoidal obstructive syndrome post allogeneic hematopoietic SCT. Bone Marrow Transplant. 2012; 47: 463-464.

<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:39 | DIC

2012年5月3日

DIC講演会(更新)4/27(金)19時〜(金沢都ホテル)

DIC講演会の御案内です。多数お誘い合わせの上、ご出席いただければと思います。

特別講演のテーマは「造血器腫瘍に合併したDICに対するrTMの使用経験」です。

遺伝子組換え活性型トロンボモジュリン製剤(リコモジュリン)は、抗凝固活性のみならず抗炎症効果もある点が特徴です。

造血幹細胞移植後のSOS(VOD)などにも期待されています。

 

DIC講演会

日時:平成24年4月27日(金) 19時00分より
場所:金沢都ホテル  5階 「能登の間」



製品関連情報(19:00〜19:15)

「DIC治療薬 リコモジュリン最新情報」 旭化成ファーマ株式会社 学術 


座長:朝倉英策

一般演題(19:15〜19:30)

「当院での急性前骨髄球性白血病(APL)症例におけるrTMの使用経験」

金沢大学附属病院 血液内科  林 朋恵



特別講演(19:30〜20:30)

『造血器腫瘍に合併したDICに対するrTMの使用経験』


高知大学医学部 血液・呼吸器内科 講師 池添 隆之 先生



主催:旭化成ファーマ株式会社


<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:56 | 研究会・セミナー案内

2012年5月2日

金沢感染症カンファレンスのご案内(更新)

金沢感染症カンファレンス

日時:平成24年5月11日(金) 19:00〜20:30
会場:金沢大学附属病院 外来診療棟4階「宝ホール」


情報提供 19:00〜 

カルバペネム系抗生物質「フィニバックス」塩野義製薬

症例提示 19:10〜

座長:金沢大学附属病院 血液内科 講師 山崎 宏人

「器質化肺炎との鑑別が問題となった
同種骨髄移植後のニューモシスチス肺炎の1例」

演者:金沢大学附属病院 血液内科 山田 陽平 先生


特別講演 19:30〜

 「免疫不全患者の感染症」

演者:独立行政法人国立国際医療研究センター
国際疾病センター 感染症内科 科長 大曲 貴夫 先生

 

閉会の辞:金沢大学附属病院 呼吸器内科 科長 笠原 寿郎

主催:塩野義製薬株式会社

<リンク>


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:00 | 研究会・セミナー案内

2012年5月1日

金沢感染症セミナーのご案内

金沢感染症セミナー2012

日 時:平成24年5月18日(金)  19:00より
会 場:ホテル金沢 4F「エメラルド」

【製品説明】 19:00
β-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン製剤「ゾシン静注用」      大正富山医薬品

【ミニレクチャー】 19:15〜19:35
座長: 石川県立中央病院 血液内科 診療部長 上田 幹夫 先生

血液内科領域における臨床分離菌の動向

金沢大学 医薬保健研究域保健学系 病態検査学
教授 藤田 信一 先生


【特別講演】
 19:35〜20:35
座長:金沢大学医薬保健研究域医学系 細胞移植学 教授 中尾 眞二 

新しいIDSAの FNガイドライン(2010)を読み解く
   〜日本でどのように活用すべきか?〜

自治医科大学附属さいたま医療センター  血液科  教授 神田 善伸 先生

主催:大正富山医薬品株式会社

 

 
<リンク>
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:52 | 研究会・セミナー案内

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