金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2009年6月30日

第10回日本検査血液学会学術集会(山梨大学):金沢大学から多数出席。


参考:血液凝固検査入門(図解):凝固検査を分かりやすくシリーズで記事にしています。


日本検査血液学会をご存知でしょうか。

 

多くの学会がある中で、この学会は管理人も好きな学会の一つです。

学会員は、医師、臨床検査技師、企業、大学院生など多種多様です。特に、臨床検査技師の方が多いのが特徴ではないかと思います。学会全体が、とてもほのぼのとした感じです。

例年、特別講演、教育講演、ワークショップ、セミナー、シンポジウムなどの企画がとても充実していて、もちろん一般演題も興味あるものが多く、出席して(発表して)良かったという気持ちになれます。

また、いわゆる血液学のみでなく、血栓止血学も充分に盛り込まれた学会であることも特徴と言うことができます。

金沢大学からは、血液内科、検査部、保健学科、大学院学生などを合わせて、例年10題くらいの発表がありますので、かなり貢献しているのではないかと思っています。

まだ会員でない方がおられましたら、是非、本日入会されることをお薦めしたいと思います。


日本検査血液学会の意義:ベルクラシック甲府での委員会

第10回 日本検査血液学会 学術集会(会長:尾崎 由基男先生 山梨大学医学部臨床検査医学講座 教授)

日本検査血液学会HP

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 04:51 | 学会・地方会 | コメント(0)

2009年6月29日

インパクトファクター:超一流雑誌(NEW ENGL J MED他)

血液領域雑誌血栓止血領域雑誌呼吸器領域雑誌インパクトファクターは、既に記事にさせていただきました。

今回は、いわゆる超一流雑誌と言われている雑誌のインパクトファクターを紹介させていただきます。

例によって、2001    2002    2003    2004    2005    2006    2007    2008の順で、8年分です。


IMMUNITY:18.866    17.468    16.016    15.448    15.156    18.306    19.266    20.579

LANCET:13.251    15.397    18.316    21.713    23.407    25.8    28.638    28.409

NAT GENET:29.6    26.711    26.494    24.695    25.797    24.176    25.556    30.259

NAT IMMUNOL:17.431    27.868    28.18    27.586    27.011    27.596    26.218    25.113

NAT MED:27.906    28.74    30.55    31.223    28.878    28.588    26.382    27.553

NATURE:27.955    30.432    30.979    32.182    29.273    26.681    28.751    31.434

NEW ENGL J MED:29.065    31.736    34.833    38.57    44.016    51.296    52.589    50.017

SCIENCE:23.329    26.682    29.162    31.853    30.927    30.028    26.372    28.103

 

上記の雑誌はいずれもインパクトファクターが、20以上もある脅威の一流雑誌です。

NEW ENGL J MEDに至っては、50を超える雑誌です。

NEW ENGL J MEDやLANCETは臨床系の超一流雑誌、Natureおよびその姉妹誌やScienceは基礎系の超一流雑誌ということができます。

このような雑誌に一度は論文を掲載してみたいものですね。

 

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 04:39 | 医学全般 | コメント(0)

2009年6月28日

新垣勉さん:金沢大学附属病院 新外来棟で。

平成21年6月26日(金)の夕刻に、金沢大学附属病院 新外来棟でテノール歌手の新垣勉さんのコンサートが開かれました。

新外来棟は、巨大で採光豊かな吹き抜けホール(ホスピタルプロムナード)があるのが独特の雰囲気をだしていて魅力的なのですが、ここでコンサートが行われようとは。。。。管理人もかなり驚きました。

管理人は他用があって、短い時間しか聞けなかったのですが、とても素晴らしい歌声にうっとりしました。

トークもお上手ですね。以下はトークの引用です。
「人生には三つの坂があります。上り坂、下り坂、そして、まさか。。。」
しっかり笑わせていただきました。

患者さん、職員の方、研修医や医学生など多くの方が聞き入っておられました。文字通り、ホールを埋め尽くすといった感じでした。

多くの方にとって、明日へのエネルギーになったのではないでしょうか。



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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:28 | その他 | コメント(0)

2009年6月27日

金沢大学 血液内科・呼吸器内科(研修医):一言お願いします(6)

金沢大学附属病院 血液内科・呼吸器内科(第三内科)


【病棟医長の新企画:一言お願いします(6)】

 6月20日(土)に当教室の同門会総会・開講記念会がありました。現役医局員はもちろん、同門の先輩方や関連病院の院長先生方にも多数ご参加いただきました。

 教授講演で当教室の現況が紹介され、その中でこのブログ記事も紹介していただきました。スクリーンにクリクラメンバーと撮った写真(「病棟医長の新企画:一言お願いします(3)」に掲載されたものです)が大きく映し出された時には、ちょっと照れくさかったですが・・・。

 懇親会では、何人かの若手の先生方から「一言シリーズ、読んでますよ!」と応援メッセージをいただきました。

 クリニカルクラークシップ(クリクラ)の第1タームに参加してくれた4名の体験談は、前回の松島さんのメッセージ「病棟医長の新企画:一言お願いします(5)」で無事終了しました。

 今日は、その第1タームのメンバーに「金沢大学病院での研修のメリット」を熱く語ってくれた本藤有智先生(「病棟医長の新企画:一言お願いします(1)」に登場)のレクチャーを再現したいと思います。

 


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【大学病院研修の利点】

金沢大学附属病院研修医 本藤 有智


1.専門科へのコンサルトが充実


多くの専門医が勤めていますので、専門科へのコンサルトが非常に充実しています。私も、現在担当する患者さんの診療に、耳鼻咽喉科、麻酔科、腎臓内科、消化器内科と実に様々な科の専門家からアドバイスをいただきました。
研修医が同行すると、大抵の先生は親切に指導してくれるので、実地臨床に即した貴重なポイントを教えてもらうことができます。


2.綿密なカンファレンス

大学病院では、一人一人の担当する症例について、綿密なカンファレンスが行われます。検査データの細部に至るまで丁寧な考察がされるのは、市中病院にはない光景と思います。また、医師として、担当症例を他の医師に伝えるのは非常に大切だと思いますので、プレゼンテーション力を磨く絶好の機会になります。

大学1

(血液内科の症例検討会)


3.学生指導


これも大学病院ならではのことですが、実習の学生さんへの指導の機会があります。後輩に教えてみてはじめて、自分の分かっていなかったことがハッキリし、理解が深まるということがあります。「教える人が一番教えられる」ことを実感する場です。

大学2

(本藤先生による学生指導)


大学3

(初期研修医1年目の材木先生からクリクラメンバーへのミニレクチャー)


4.一流の専門家の指導を受けられる


大学病院には、全国、いや世界に通じる先生も多く勤めています。初期研修医一年目という立場にあってでも、世界的に有名な先生から指導をいただけるというのは大きな魅力と思います。

大学4

(材木先生と中尾教授との硬い握手)


以上、簡単ですが、大学病院研修の利点をまとめてみました。ぜひ大学病院ならではの魅力を知って、充実した研修を過ごしてもらいたいと思います。

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本藤先生、ありがとうございました。最後の写真なんて、いつ撮ったのだろうと不思議なのですが、こんなに上手に「大学病院研修の利点」を語られると、血液内科の勧誘ライバルは卒後臨床研修センターになりそうです。

次回からは、クリクラ第2タームに配属された3名の体験談が続きます。

 

【関連記事】

金沢大学 血液内科・呼吸器内科(研修医):一言お願いします(1)

金沢大学 血液内科・呼吸器内科(クリクラ):一言お願いします(2)

金沢大学 血液内科・呼吸器内科(クリクラ):一言お願いします(3)

金沢大学 血液内科・呼吸器内科(クリクラ):一言お願いします(4)

金沢大学 血液内科・呼吸器内科(クリクラ):一言お願いします(5)

金沢大学 血液内科・呼吸器内科(研修医):一言お願いします(6)

金沢大学病院での研修〜カンファレンス〜:後期研修医の独り言(1)




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2009年6月26日

インパクトファクター:呼吸器関連雑誌(AM J RESP CRIT CARE他)

血液領域雑誌のインパクトファクター血栓止血領域雑誌のインパクトファクターは、既に記事にさせていただきました。

今回は、呼吸器領域雑誌のインパクトファクターを紹介させていただきます。問題を生じない範囲で、ごくごく一部の雑誌のみです。

2001    2002    2003    2004    2005    2006    2007    2008の順に(8年分です)インパクトファクターを記載いたします。


AM J RESP CRIT CARE:5.956    6.567    8.876    8.123    8.689    9.091    9.074    9.792

ANTICANCER RES:1.416    1.447    1.347    1.395    1.604    1.479    1.414    1.39

CANCER:3.909    3.941    4.017    4.434    4.8    4.582    4.632    5.238

CHEST:2.48    2.969    3.264    3.118    4.008    3.924    4.143    5.154

CLIN EXP ALLERGY :3.826    3.721    3.176    3.069    3.553    3.668    3.729    3.556

J PHARMACOL EXP THER:3.555    3.991    4.337    4.335    4.098    3.956    4.003    4.309

PROSTAG LEUKOTR ESS
:1.297    0.958    1.376    1.743    1.807    2.261    2    1.366

THORAX :4.09    4.078    4.188    5.04    6.15    6.064    6.226    7.069


管理人の専門外の領域ですので、コメントできないというのが正直なところなのですが、チャンピオン雑誌のAM J RESP CRIT CAREの伸びが注目されます。

CHEST、THORAXの伸びも目を引きます。

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 21:44 | 医学全般 | コメント(0)

2009年6月25日

インパクトファクター:血栓止血関連雑誌(J Thromb Haemost他)

血液領域の欧文雑誌のうち、ごく一部の雑誌に関しまして、最新版のインパクトファクターを既に紹介させていただきました(インパクトファクター:血液関係欧文雑誌(Blood他))。

今回は、血栓止血領域の雑誌に関してインパクトファクターを紹介させていただきます。問題を生じない範囲で、ごくごく一部の雑誌のみです。

2001    2002    2003    2004    2005    2006    2007    2008の順に(8年分です)インパクトファクターを記載いたします。

ARTERIOSCL THROM VAS    5.816    6.35    6.791    7.432    7.053    6.883    7.221    6.858

ATHEROSCLEROSIS         3.469    3.333    3.603    3.796    3.777    3.811    4.287    4.601

CRIT CARE    ー    ー    ー    3.214    2.932    3.116    3.834    4.553

CRIT CARE MED           3.486    3.361    4.195    4.182    5.077    6.599    6.283    6.594

INTENS CARE MED         2.314    2.041    2.971    3.034    3.724    4.406    4.623    5.055

J THROMB HAEMOST    ー    ー    ー    4.831    5.262    5.138    5.947    6.291

SEMIN THROMB HEMOST     2.147    2.497    1.906    2.018    2.007    2.733    3.202    3.695

THROMB HAEMOSTASIS      4.91    4.357    4.95    3.413    3.056    2.803    3.501    3.803

THROMB RES              1.446    1.494    1.71    1.541    2.012    2.058    2.038    2.449

 

国際血栓止血学会誌(J THROMB HAEMOST )は、初めてインパクトファクターが6を超えたのが注目されます。

THROMB HAEMOSTASISは、2003年までは、国際血栓止血学会雑誌だったのですが、2004年からJ THROMB HAEMOSTが国際血栓止血学会雑誌になっています。商業誌1年目の2004年目以降、インパクトファクターは落ち込んでいましたが、昨年、今回と復調しています。

Jが付くかどうかで別の雑誌ですので、分かりにくいですね。

整理してみたいと思います。

国際血栓止血学会は、以下の通りです。
2003年まで:Thromb Haemost
2004年以降:
J Thromb Haemost

THROMB RES は、free journalですので、今後さらに伸びるのではないかと予想されています。

なお、救急医学領域の雑誌も紹介させていただきましたが、DIC関連の論文がしばしば掲載されるためです。

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:19 | 医学全般 | コメント(0)

2009年6月24日

インパクトファクター:血液関係欧文雑誌(Blood他)

インパクトファクターという言葉を聞かれたことはあるでしょうか。

欧文雑誌の一つの評価法です。管理人も詳細を知っているわけではありませんが、「高頻度に引用される論文を掲載している雑誌は良い雑誌である」というような評価法だそうです。

たとえば、New Engl J Medという超一流雑誌の、インパクトファクターは「50」くらいあります。50という数字はとてつもなく高い数字です。
 
すごい雑誌ということができます。こんなにインパクトファクターが高いというのは、極めて高頻度に引用される論文が満載だということになります。

残念ながら、日本語で書かれた雑誌のインパクトファクターは、0です。ですから、日本語の雑誌に100編の論文が掲載されても、0×100=0となり、合計は0です。管理人は、これも本当は如何なものかと思ってはいるのですが。。。

日本語でかかれた論文であっても、日本人の研究者にはインパクトを与える論文があるはずですので、0.1とか、いくばくかのインパクトファクターが与えられても良いのではないかと思っていますが。。。

さて、個人的意見はさておきまして、最近最新版のインパクトファクターが公開されましたので、問題を生じない範囲で、ごくごく一部のみ紹介させていただきたいと思います。

今回は、血液関係雑誌です。血液領域の中でも血栓止血関係雑誌は後日紹介させていただきますので今回は含まないでおきたいと思います(インパクトファクター:血栓止血関連雑誌(J Thromb Haemost他))。

2001    2002    2003    2004    2005    2006    2007    2008の順に(8年分です)インパクトファクターを記載いたします。



AM J HEMATOL
:1.535    1.793    1.667    1.701    1.612    1.882    1.949    2.126

BLOOD:9.273    9.631    10.12    9.782    10.131    10.37    10.896    10.432

BONE MARROW TRANSPL
:2.554    2.378    2.172    2.101    2.643    2.621    3    3.4

BRIT J HAEMATOL
:2.815    3.052    3.267    3.195    4.08    4.498    4.49    4.478

EUR J HAEMATOL:1.672    1.807    1.714    1.729    2.004    1.863    2.163    2.237

EXP HEMATOL:3.328    3.366    4.012    4.681    4.019    3.408    3.147    3.203

HAEMATOL-HEMATOL J:3.216    3.226    3.453    4.192    4.575    5.032    5.516    5.978

INT J HEMATOL
:1.335    1.521    1.119    1.386    1.67    1.295    1.491    1.283

LEUKEMIA
:4.293    4.693    5.116    5.81    6.612    6.146    6.924    8.634

TRANSPLANTATION
:4.184    3.265    3.608    3.568    3.879    3.972    3.641    3.816



Bloodは、コンスタントにチャンピオン雑誌です。
また、個人的には、HAEMATOL-HEMATOL J、LEUKEMIAのインパクトファクターの伸びに注目しています。狙い目の雑誌ではないでしょうか。



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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 04:56 | 医学全般 | コメント(0)

2009年6月23日

金沢大学 血液内科・呼吸器内科(クリクラ):一言お願いします(5)

金沢大学附属病院 血液内科・呼吸器内科(第三内科)

【病棟医長の新企画:一言お願いします(5)】

 

この企画をスタートさせてから、私自身もいろいろな大学や病院のホームページを訪問して、全国の研修医や学生さんたちのメッセージを読ませてもらうようにしています。

学生さんの人気が高い研修病院は、やはりそれなりの理由があるようです。私たちも、「金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)で実習や研修ができてよかった」と言ってもらえるような病棟作りを目指したいと思います。

さて、今日の「一言」はクリニカルクラークシップ(クリクラ)第1ターム配属のラストバッター、松島さんです(松島さん、掲載が遅くなってすみません)。

松島さんは、3月の春休みを利用して諏訪赤十字病院の見学にも行ってこられました。諏訪には私達の大先輩である塩原先生が赴任しておられ、市中病院の最前線を体験してきたようです。

同じ血液内科といっても、大学病院と一般病院では雰囲気は違いましたか?

「松島絵里香さん、一言お願いします!」


ーーーーーーーーーーー
金沢大学血液内科でのクリニカルクラークシップを終えて
松島 絵里香


全体を通しての印象は、医局の雰囲気もよく、メリハリがある毎日を過ごすことができ、とても楽しい実習でした。先生方にも熱心に指導していただき、本当に有難うございました。


週3回の朝のミーティングでは、研修医の先生方や細川先生にも参加していただいて、とても活発な意見交換ができ、とても勉強になりました。

特に悪性リンパ腫診断のためのcheck listを作る際、実際に臨床に出てから使える内容のものを作るために多くの議論を重ね、何度も修正を加えました。この時に、今までは教科書的な知識をつける機会が多く、その知識も実際に臨床の現場で使えるものとしては身についていなかったのだなということに気付かされて、これからはただ教科書的な知識を覚えるだけでなく、自分の中で意識しながら、実際に使える知識となるようにできたらいいなと思いました。

さらに、出来上がったcheck listを実際に本藤先生が使ってくださって、「さっそく使わせていただきました〜すごく使えたよ〜ありがと〜」と言われた時は、みんなで頑張った甲斐があったなととても嬉しかったし、自分も研修医になった時に是非使いたいなと思いました。


また、すごく素敵なことだなと思ったのは、新入医局員の歓迎会に呼んでいただいた時、私はその名の通り“新入医局員の歓迎会”だと思っていたのですが、新しい病棟スタッフの歓迎会でもあり、病棟の看護師さんや秘書の方など一緒に働く方々も出席されていたことでした。

他の科のことはわかりませんが、一緒に働く方々と交友を深める機会があることはとてもいいなと思ったし、こういうところが医局全体の雰囲気をよくしている一因なのだろうなと思いました。


最後に、1つだけ心残りなのは、もう少し治療方針など今後のことを決める時に一緒に参加できたらよかったなと思いました。自分から積極的にいけなかったのが原因なのですが、ほとんどの場合、カルテを見て自分なりにこうだろうと考えて、自分の考えたことがあっているかを先生に聞いて確認するということが多かったように思えます。

もっと先生方が話合っているところに積極的に参加して、一緒に治療方針などを考えることができたらより楽しかっただろうなと思いました。
ーーーーーーーーーーー


松島さん、ありがとうございました。

前回のM.H.さんの「病棟医長の新企画:一言お願いします(4)」にもありましたが、第1タームでは悪性リンパ腫の診断がメインテーマになりました。悪性リンパ腫は、どの科を専攻しても初診医になる可能性がある重要な疾患です。

私自身も、脳・眼窩・眼瞼・鼻・舌・扁桃腺・心臓・肺・乳腺・肝臓・脾臓・胃・十二指腸・大腸・骨・卵巣・膀胱・精巣など、実に多種多様なリンパ腫を経験しています。

ちなみに、悪性リンパ腫のチェックリストを活用してくれた本藤先生とは、この企画のトップ(金沢大学 血液内科・呼吸器内科(研修医):一言お願いします(1))を飾ってくれた研修医の先生です。


ちょうど第三内科の新入医局員歓迎会が開催された時期だったので、みんなを誘ってみたのですが、臨床を離れた時の医局の雰囲気を感じ取ってもらえて、とてもよかったなと思いました。

「治療方針決定に参加したかった」という貴重な要望、ありがとう。そうですね。血液腫瘍は手術では治せない悪性腫瘍の代表ですが、その治療選択の過程に本当の醍醐味があります。


実は今から4年前にも同じような言葉を聞いて、通称「山プロ」という抄読会を有志の学生さん達と開いていました。抄読会といっても、私から論文を指定するのではなく、我々専門家にとっても治療方針の決定が困難な実際の患者さんのケースを用いて、自分たちで探してきた様々な論文データから自分たちなりの治療プランを立案していく、まさに実践に即した抄読会でした。

これに参加してくれていた一人が今年入局してくれた細川先生です。

近いうちに、細川先生にその当時のことを振り返ってもらおうと思います。



【関連記事】

金沢大学 血液内科・呼吸器内科(研修医):一言お願いします(1)

金沢大学 血液内科・呼吸器内科(クリクラ):一言お願いします(2)

金沢大学 血液内科・呼吸器内科(クリクラ):一言お願いします(3)

金沢大学 血液内科・呼吸器内科(クリクラ):一言お願いします(4)

金沢大学 血液内科・呼吸器内科(クリクラ):一言お願いします(5)

金沢大学病院での研修〜カンファレンス〜:後期研修医の独り言(1)




【リンク】

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:38 | 研修医の広場 | コメント(0)

2009年6月22日

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)HP:検索フレーズ

検索(YAHOO、GOOGLEなど)によって、金沢大学第三内科(血液内科・呼吸器内科)のホームページ(金沢大学 血液内科・呼吸器内科HP)&ブログ(金沢大学 血液内科・呼吸器内科ブログ)に、御訪問いただく方も大勢いらっしゃいます。

 

最近1ヶ月間で、検索によって私たちのサイトを御訪問いただいた方のなかで、HP(ブログを除く)へのご訪問の契機になった検索フレーズは以下のごとくです。

赤字のフレーズは、私たちのサイトを目標にご訪問いただいていることになりますので、大変ありがたく思っています。この場を借りて、御礼申しあげます。ありがとうございます。

 

 

 

1 DIC 治療 5.6%  
2 金沢大学 血液内科      2.9%  
3 血管内リンパ腫 2.3%  
4 汎血球減少 1.5%  
5 DIC 治療 ガイドライン 1.3%  
6 dic 治療 1.2%  
7 金沢大学付属病院 1.2%  
8 金沢大学血液内科 1%  
9 DIC 治療 0.9%  
10 金沢大学 血液 0.9%  
11 金沢大学第三内科 0.7%  
12 血液内科 0.7%  
13 血管内悪性リンパ腫 0.6%  
14 ○○○○(金沢大学第三内科スタッフの名前) 0.5%  
15 金沢大学 第三内科 0.5%  
16 自己末梢血幹細胞移植 0.5%  
17 慢性咳嗽 0.4%  
18 金沢大学附属病院 0.4%  
9 dic 治療 ガイドライン 0.4%  
20 金沢大学 血液内科 0.4%  
21 汎血球減少 鑑別 0.4%  
22 金沢大学第3内科 0.3%  
23 金沢大学病院 血液内科 0.3%  
24 金沢大学 DIC 0.3%  
25 ○○○○(金沢大学第三内科スタッフの名前) 0.3%  
26 DICの治療 0.3%  
27 DIC治療 0.2%  
28 金沢大学医学部 血液内科 0.2%  
29 pnh血球 0.2%  
30 造血幹細胞移植



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2009年6月21日

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)HP&ブログ:検索エンジン

GOOGLE、YAHOOなどの検索によって、私たちのホームページ(金沢大学 血液内科・呼吸器内科HP)&ブログ(金沢大学 血液内科・呼吸器内科ブログ)に、御訪問いただく方が大勢いらっしゃいます。

 

その場合に、検索エンジンは何が使用されているのでしょうか?

興味深いことに、HPに到達される場合と、ブログに到達される場合では、どの検索エンジンが使用されるかの傾向が違うようです。不思議ですね。

最近1ヶ月間での集計では以下の通りです。

 

ホームページ(HP):最近1ヶ月間

1 Google 51.5%  
2 Yahoo!JAPAN 44.6%  
3 BIGLOBE 1.7%  
4 Goo 0.6%  
5 OCN 0.5%  
6 Excite 0.4%  
7 MSN 0.2%  
8 infoseek 0.09%

 

ブログ:最近1ヶ月間

1 Yahoo!JAPAN 58.6%  
2 Google 36.8%  
3 BIGLOBE 1.6%  
4 Goo 1.1%  
5 MSN 0.5%  
6 OCN 0.3%  
7 Excite 0.2%  
8 infoseek 0.1%  
9 @nifty 0.08%  
10 Google Blogsearch 0.06%



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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:32 | その他 | コメント(0)

2009年6月20日

金沢大学第三内科同門会:小澤竹俊先生(特別講演)

同門会

 

本日は、金沢大学第三内科同門会総会が開催されました。上の画像は、会が始まる前にパチリしたものです。

本年は、例年よりも多くの出席者があったように思います。

今回の特別講演は、 めぐみ在宅クリニック(在宅療法支援診療所)院長の、小澤竹俊先生でした。恥ずかしながら、管理人は小澤先生を存知あげなかったのですが、本日のご講演を拝聴して一発でファンになってしまいました。著書も多く出されているそうです。是非、拝読してみたいです。

特に、小澤先生の患者さんに対する熱い思い、哲学。。。
学ばせていただくことがたくさんありました。

 

なお、下記は、本日のプログラムです。


ーーーーーーーー
第26回金沢大学第三内科同門会総会
第41回金沢大学第三内科開講記念会

(敬称略です)

日時:平成21年6月20日(土)午後3時より
同門会総会:午後3時00分〜
開講記念会:午後3時30分〜

場所 金沢エクセル東急 5階「ボールルーム」


<第26回 同門会総会>1
5:00〜

1. 同門会長挨拶:北中勇
2. 役員報告:笠原寿郎
3. 会計報告:笠原寿郎
4. 会計監査報告:石井陽
5. 教室事務報告:奥村廣和


<第41回 開講記念会>
15:30〜

1. 教授挨拶:中尾眞二

2. 研究室報告(司会:奥村廣和)
血液・移植研究室:奥村廣和
血栓止血研究室:朝倉英策
呼吸器研究室:藤村政樹

3. 岩淵教授就任記念講演(司会:森孝夫)
「53BP1.dot.com」
金沢医科大学医学部ゲノム医科学(第一生化学)教授 岩淵邦芳

4. 同門会OB講演(視界:奥村廣和)
「第三内科の思い出」
大牟田病院院長 原田実根

5. 教授講演(司会:藤村政樹)
「第三内科(血液・呼吸器内科)の現状と将来」
中尾眞二


6. 特別講演(司会:近藤邦夫)

「終末期患者の心のケア

 〜励ましではない方法で存在と生きる意味を支える援助について〜

めぐみ在宅クリニック(在宅療法支援診療所)
院長 小澤竹俊
ーーーーーーーー




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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 22:07 | その他 | コメント(0)

2009年6月19日

金沢大学 血液・呼吸器内科HP:アクセス 2,000人/日超えました。

金沢大学第三内科(血液内科・呼吸器内科)のホームページ(金沢大学 血液内科・呼吸器内科HP)&ブログ(金沢大学 血液内科・呼吸器内科ブログ)にとって、ちょっと嬉しいニュースがあります。

アクセス6

私たちのサイトは、昨年の9月にリニューアルオープンさせていただいたのですが、大変有り難いことに多くの皆様にご支持いただき、アクセス数が順調に漸増いたしております。

そして、平成21年6月18日(木)に、ついに訪問者数が初めて、2,000人/日を超えました。
正確には、2,005人/日です。

1000、2000というのは、区切りの良い数字ですので、一つまた目標をクリアしたような気分になっています。

リニューアルした当初は、特に何の根拠もなく、なんとなく1日3,000人/日以上のアクセスがあると良いかなと夢みていたのですが、どうも夢ではなく現実味を帯びつつあるように感じています。


今後とも、多くの皆様にご支持いただけるよう、全力で記事を発信してまいりたいと思いますので、どうか、よろしくお願い申しあげます。



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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:09 | その他 | コメント(0)

2009年6月18日

DICモデル:Dダイマーとトランサミン(図解47)

DICモデル血尿と抗線溶療法:トランサミン(図解46)から続く

DIC47
 
 

2種類の播種性血管内凝固症候群(DIC)モデルに対して、抗線溶薬であるトラネキサム酸(商品名トランサミン)を投与したところ、血尿の出現が強く抑制されたことに関しましては、前回記事にさせていただきました(DICモデル血尿と抗線溶療法:トランサミン(図解46))。

確かに、血尿だけに注目しますと、 DICモデルに対してトランサミンは良いことをしているように感じます。

さて、今回はDICの診断において最も重要なマーカーといわれているDダイマー(D-dimer)の変動を見てみましょう。

既に記事にさせていただいたように、組織因子(tissue factor: TF)誘発DICモデルは線溶活性化が充分であるために、Dダイマー(血栓の溶解を反映)は明確に上昇いたします。

DICモデルの比較
16.   DICモデルへ
17.   DICモデルの比較
18.   LPS誘発DICモデル  
19.  組織因子(TF)誘発DICモデル 
20.  臓器障害の比較 
21.  腎糸球体フィブリン沈着  
22.  出血症状(血尿) 
23.  病型分類(動物モデルとの対比) 
24.  病態の共通点と相違点

 

一方、LPS誘発DICモデルにおいては、線溶阻止因子PAIが著増するために線溶に強い抑制がかかります。そのため、血栓溶解は充分でなくDダイマーの上昇は軽度に留まります。


さて、この2種類のDICモデルに対して、トランサミンを投与しますとどうなるでしょうか?

TFモデルでみられた急峻なDダイマーの上昇は、トランサミン(上図では、TF + TA)によってほぼ完全に抑制されます。LPSモデルにおいては、もともとDダイマーの上昇は軽度なのですが、トランサミンの投与により完全に抑制されます(上図では、LPS + TA)。

トランサミンによって、DICの重要なマーカーであるDダイマーが抑制されたということは(血尿も消失していますし:DICモデル血尿と抗線溶療法:トランサミン(図解46))、DICの病態は改善したということでしょうか? 

いいえ、ここは慎重に考える必要があります。

確かに、DICが軽症である場合であってもDダイマーの上昇は軽度に留まると思いますが、DICが重篤であってもDダイマーの上昇が軽度に留まる可能性があるのです。

つまり、生体内重要臓器に微小血栓が多発しても、血栓が溶解しない場合です。血栓が溶解しないためにDダイマーは上昇しないのです。


33. FDP(Dダイマー)低値の意味 
34. FDP(Dダイマー)低値の別の意味 
35. FDP(Dダイマー)の上昇しない意義
36. DIC診断でFDP(Dダイマー)のみの限界


さて、DICモデルに対してトランサミンを投与したところDダイマーの上昇は抑制されたのですが、DICは良くなったのでしょうか、それとも悪くなったのでしょうか?

 (続く)

腎糸球体フィブリン沈着:DICモデルとトランサミン(図解48)

 
 
  【DIC関連のリンク】

播種性血管内凝固症候群(DIC)【図説】(シリーズ進行中!!)

血液凝固検査入門(全40記事)

DIC(敗血症、リコモジュリン、フサン、急性器DIC診断基準など)

NETセミナー:「DICの病態・診断」へ

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:24 | 播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解) | コメント(1)

2009年6月17日

DICモデル血尿と抗線溶療法:トランサミン(図解46)

ラットDICモデルに対する抗線溶療法(図解45)から続く

 
DIC46


さて、播種性血管内凝固症候群(DIC)に対して、教科書的には禁忌とされている抗線溶療法を行うとどういうことになるでしょうか。

既に記事にさせていただいたように、組織因子(TF)誘発DICモデルは、臨床の線溶亢進型〜線溶均衡型DICに類似した病態を有しています。一方、LPS誘発DICモデルは、臨床の線溶抑制型DICに類似した病態を有しています。

DICモデルの比較
16.   DICモデルへ
17.   DICモデルの比較
18.   LPS誘発DICモデル  
19.  組織因子(TF)誘発DICモデル 
20.  臓器障害の比較 
21.  腎糸球体フィブリン沈着  
22.  出血症状(血尿) 
23.  病型分類(動物モデルとの対比) 
24.  病態の共通点と相違点

 


これらの両DICモデルに対しまして、抗線溶療法の治療薬であるトラネキサム酸:商品名トランサミンを投与してみました。

TFモデルでは出血症状としての血尿が高頻度に見られるのが特徴ですが、トランサミン(図ではTAと書かれています)を投与しますと、血尿の出現を著しく抑制することができました。

一方、LPSモデルでは、元々血尿の出現頻度は低いのですが、トランサミンを投与しますと全く血尿はみられなくなってしまいました。

出血症状としての血尿だけで評価しますと、DICモデル(TF誘発、LPS誘発ともに)に対するトランサミンの投与は、病態を改善しているように見えます。本当にそうでしょうか。。。。。

(続く)

DICモデル:Dダイマーとトランサミン(図解47)

 
 
  【DIC関連のリンク】

播種性血管内凝固症候群(DIC)【図説】(シリーズ進行中!!)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:38 | 播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解) | コメント(0)

2009年6月16日

ラットDICモデルに対する抗線溶療法(図解45)

DICにおける線溶活性化の意義(図解44)から続く

DIC45

播種性血管内凝固症候群(DIC)における線溶活性化は、多発した微小血栓を溶解しようとする生体の防御反応としての意義も有しています。

この折角の防御反応を抗線溶療法(トラネキサム酸:商品名トランサミン)は抑制してしまいます。

ですから、教科書的にはDICに対する抗線溶療法は禁忌(絶対行ってはいけない治療)です。

実際、DIC症例に対して抗線溶療法を行ったところ、全身性の血栓症をきたして死亡したという報告が複数見られます(DICの治療関連の話は、このDIC図解シリーズの後半のメインテーマの一つになりますので、ここではこの程度に留めたいと思います)。

しかし、ラットDICモデルであれば、このような処置も許していただけます。DICモデルに関しましては既に記事にさせていただいていますが、念のためリンクしておきたいと思います。

DICモデルの比較
16.   DICモデルへ
17.   DICモデルの比較
18.   LPS誘発DICモデル  
19.  組織因子(TF)誘発DICモデル 
20.  臓器障害の比較 
21.  腎糸球体フィブリン沈着  
22.  出血症状(血尿) 
23.  病型分類(動物モデルとの対比) 
24.  病態の共通点と相違点

 

さて、ここで敢えて、DICにおいて禁忌とされている抗線溶療法(トラネキサム酸:商品名トランサミン)を上記のDICモデルに対して行うことで(線溶をブロックすることで)、DICにおける線溶活性化の意義をより深く、よりしみじみと理解することができるのです。

 

 (続く)

DICモデル血尿と抗線溶療法:トランサミン(図解46)

 

 
 
  【DIC関連のリンク】

播種性血管内凝固症候群(DIC)【図説】(シリーズ進行中!!)

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DIC(敗血症、リコモジュリン、フサン、急性器DIC診断基準など)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:58 | 播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解) | コメント(0)

2009年6月15日

DICにおける線溶活性化の意義(図解44)

DIC診断基準の今後(図解43)から続く

DIC44
既に、播種性血管内凝固症候群(DIC)図解シリーズの記事の中で書かせていただいたように、DICの本態は「基礎疾患の存在下における全身性持続性の著明な凝固活性化状態」です。

ただし、同時進行的にみられる線溶活性化の程度によってDICの病態は大きく変わります。

この点からも、DICにおける線溶活性化は重要な意義を有していると言うことができます。


また、臨床的にも線溶活性化の程度から「線溶抑制型DIC」「線溶均衡型DIC」「線溶亢進型DIC」に分類されています(DICの病型分類)。

DICにおける線溶活性化病態の正しく深い評価とその調節は、DIC治療の発展につながる可能性があるのではないかと思っているところです。

さて、より深く線溶活性化病態を理解するにはどうすれば良いでしょうか。。。

 

(続く)

ラットDICモデルに対する抗線溶療法(図解45)

 

 
 
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2009年6月14日

DIC診断基準の今後(図解43)

急性期DIC診断基準とは:救急領域(図解42)から続く

 
DIC診断基準の今後

厚生労働省DIC診断基準(旧厚生省DIC診断基準)、急性期DIC診断基準ともにとても優れた診断基準なのですが、なお発展させる余地があるのではないかと思われます。

ご批判を承知の上で、独断と偏見で今後のDIC診断基準はどうあるべきか考えてみたいと思います。


1)    DICの本態は「全身性」「持続性」の「著しい」「凝固活性化状態」です。やはり、この本態を評価するマーカーは絶対にDIC診断基準に組み込むべきではないでしょうか。具体的には、TAT、F1+2、SF、FMCなどの分子マーカーが候補にあがります。


2)    分子マーカーは、いつでもどこでも測定できる訳ではないので、DIC診断基準に組み込むのは如何なものかという指摘もあります。確かにその通りだと思います。しかし、DICの診断は「いつでもどこでも測定できるマーカーのみで」と、10年先、20年先まで言い続けている訳にはいきません。いつまでたっても医学の発展はないことになってしまいます。やはり早々に、踏ん切りをつけるべきではないでしょうか。


3)    分子マーカーをDIC診断基準に組み込むことによって、分子マーカーが一気に全国医療機関に浸透していくというpositiveな効果を期待すべきではないかと思います。大反発を承知で極論いたしますと、TAT、F1+2、SF、FMCなどの分子マーカーを測定できない医療期間はDICを診療してはいけないくらいになれば、日本におけるDIC診療レベルは飛躍的にアップするのではないでしょうか。誤解の無いように補足いたしますと、適切なDIC診療を行えるように、全国各医療機関は早々に分子マーカーを測定できるように整備した方が良いという意味で書かせていただきました。

4)    基礎疾患の存在は当然ですから、診断基準に組み込む必要はないと思いますが如何でしょうか。

5)    臨床症状(出血症状、臓器症状)を診断基準に組み込みますと、臨床症状が出現しませんとDICと診断されにくくなります。DIC早期診断に悪影響と考えられます。DICの臨床症状はもちろん知っている必要がありますが、診断基準に組み込むのは如何なものでしょうか。

6)    FDP(Dダイマー)は、やはりDIC診断に不可欠です。DIC診断は、FDP(Dダイマー)なしには語れないでしょう。

7)    血小板数も、もちろん不可欠ですが、白血病群では血小板数をはずす必要があります。

8)    フィブリノゲンは、感染症を基礎疾患としたDICでは低下しませんが、急性前骨髄球性白血病(APL)に合併したDICのように線溶亢進型DICでは著減します。

9)    プロトロンビン時間(PT)は、DICの要素でも延長しますが、むしろ肝不全やビタミンK欠乏症など他の要素で延長することの方が多いのではないでしょうか。たとえば、某医療機関で某日PTの延長がみられた全ての症例をチェックした場合、PT延長の原因として最も多いのは何でしょうか。決してDICではなく、間違いなく肝予備能の低下ではないかと思います(ワーファリン内服例を除く)。

10)    線溶活性化の程度は、DICの病態を大きく分けることになります。PICのような線溶活性化のマーカーは、DIC診断基準に組み込むとまでは言わなくても、DIC病型分類のマーカーとして取り入れたいところです。


上記の点をふまえて、今後のDIC診断基準に取り入れられるべきマーカーは以下でしょうか。



【DIC診断基準】基礎疾患の存在は必須

・ 血小板数(白血病群では除く)

・ FDP(Dダイマー)

・TAT and/or SF, F1+2, FMC



【DIC病型分類】

・PIC

・α2PI

・ FDP、FDP/Dダイマー比

・ フィブリノゲン
 

(続く)

DICにおける線溶活性化の意義(図解44)

 


 
 
  【DIC関連のリンク】

播種性血管内凝固症候群(DIC)【図説】(シリーズ進行中!!)

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2009年6月13日

急性期DIC診断基準とは:救急領域(図解42)

参考書籍:「臨床に直結する血栓止血学」(DICに関しては特に詳述されています)

DIC診断基準に足りなかったもの(図解41)から続く 

参考書籍リンク:しみじみわかる血栓止血 Vol.1 DIC・血液凝固検査編  ←  クリック

 

DIC42
 

DIC診断基準のうち、急性期DIC診断基準に関連した記事は既にいくつか書かせていただいています。

急性期DIC診断基準は、敗血症、外傷などの救急領域で遭遇しやすい基礎疾患のDIC診断に威力を発揮するものです。特に、敗血症に合併したDICの診断には厚生労働省DIC診断基準よりも患者の予後改善という観点からも、有効でしょう。

ただし、内科領域、特に白血病群を基礎疾患とするDIC診断には適用できないのが難点です。

 


 
 
  【DIC関連のリンク】

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2009年6月12日

DIC診断基準に足りなかったもの(図解41)

DIC診断基準と本態(図解40)から続く

DIC41
 

世界中には、多くのDIC診断基準が存在しています。


しかし、これらのDIC診断基準に共通して足りなかったものがあります。



1)凝固活性化マーカー(TAT、SFなど):


DIC本態は、基礎疾患の存在下における全身性持続性の著しい凝固活性化状態です。

確かに、血小板数の低下や、FDP&Dダイマーの上昇は重要な検査所見ではありますが、決してDICの本態という訳ではありません。

やはり、DICの本態(凝固活性化)を反映するマーカーであるトロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)や可溶性フィブリン(SF)などを診断基準に組み込みたいところです。



2)線溶活性化マーカー(PICなど)


DIC病態は線溶活性化の程度によって大きな差異がみられます。

DIC診断基準本体のなかではなくても良いので、DICの病型分類に不可欠な線溶活性化マーカー(PICなど)を何らかの形で診断指針として取り上げたいところです。


(続く)

急性期DIC診断基準とは:救急領域(図解42)

 
 
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2009年6月11日

DIC診断基準と本態(図解40)

旧厚生省DIC診断基準の問題点(図解39)から続く

DIC40

 

播種性血管内凝固症候群(DIC)診断基準(旧厚生省DIC診断基準)について議論する場合には、DICの本態についても考察しておく必要があります。


当然のことながら、DIC診断基準はDICの本態をきちんと評価するものである必要があります。


そもそもDICの本態とは何でしょうか?


1)    血小板数が低下することでしょうか:


いいえ違います。確かに典型的なDICにおいては血小板数が低下しますが、血小板数低下はDICの本態という訳ではなく、DICの結果です。典型的なDICにおいては消費性凝固障害の病態となりますが、その結果として血小板数や凝固因子(フィブリノゲンなど)が低下するのです。実際、代償性DICでは血小板数は低下いたしません。


2)    FDPやDダイマーが上昇することでしょうか:

いいえ違います。確かに、FDPDダイマーの上昇は、血小板数低下とともにDICの最も重要な検査所見であることは万人が認めることでしょう。しかし、FDPやDダイマーの上昇は、DICの結果として微小血栓が多発して、さらにその血栓が分解された産物です。DIC病態の最終段階を見ているとも言えます。


3)    PTが延長することでしょうか:

いいえ違います。確かに、PT延長はDICでしばしば見られる検査所見です。しかし、PTの延長がDICのためであったとしても、DICの消費性凝固障害の結果です。更に、PTは、ビタミンK欠乏症や肝不全などの多くの他の要素によっても延長することが良く知られています。DICに特異的な検査所見では決してありません。


4)    SIRSの存在はDICに必要でしょうか

いいえ違います。確かに、感染症に合併したDICにおいて、SIRSは重要な要素です。しかし、血液疾患(造血器悪性腫瘍など)、動脈瘤、固形癌などに合併したDICにおいては、SIRS基準を満たすことはまずありません。

たとえば、急性前骨髄球性白血病(APL)に凝固異常を合併して脳出血をきたしたような病態であってもSIRS基準を満たすことはありません。このような場合にはSIRSがないのでDICとは言わないのでしょうか?そのようなことはありません。APLの凝固異常も、もちろんDICです(むしろAPLの凝固異常は究極のDICとも言えるでしょう)。

さて、世界中に存在するDIC診断基準に、欠けていたものは何でしょうか。。。。


(続く)

DIC診断基準に足りなかったもの(図解41)

 
 

 

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2009年6月10日

旧厚生省DIC診断基準の問題点(図解39)

厚生労働省DIC診断基準の特徴(図解38)から続く

DIC39
 
 
旧厚生省DIC診断基準は、日本において20年以上と長らく用いられていることからも分かるように、優れた診断基準ということができます。何が優れているかにつきましては、既に記事(厚生労働省DIC診断基準の特徴(図解38))にさせていただきました。

一方で、この診断基準に対して多くの問題点が指摘されてきたのも事実です。


1)    基礎疾患

基礎疾患のないDICは1例も存在しないにもかかわらず、基礎疾患の存在でスコアリングするのはナンセンスという指摘があります。


2)    臨床症状


出血症状や臓器症状でスコアリングするということは、臨床症状が出現しませんとDICと診断しにくくなるということを意味しており、DICの早期診断には悪影響との指摘があります。


3)    フィブリノゲン

線溶亢進型DICではしばしば著減しますが、感染症に合併したDICにおいては、ほとんど低下いたしません。DIC診断基準に不要との指摘があります。


4)    FDP

FDPは線溶亢進型DICでは著増しますが、感染症に合併した場合のように線溶抑制型DICにおいては、軽度上昇に留まります。感染症に合併したDICにおいては、線溶阻止因子PAIが著像するために、線溶活性化は軽度ですので血栓溶解にブレーキがかかるのです。

この、3)4)のために旧厚生省DIC診断基準は、感染症に合併したDICの診断には弱いと言わざるを得ません。


5)    プロトロンビン時間(PT)

確かにPTは、DICの要素でも延長しますが、肝不全やビタミンK欠乏症などDIC以外の要素でも延長します。DICに特異的ではないマーカーを診断基準に組み込むのは如何なものかという指摘があります。


6)    凝固活性化マーカー


DICの本態は、全身性持続性の著しい凝固活性化状態です。この本態である凝固活性化状態を評価するマーカー(TATなど)が診断基準に含まれていないのは如何なものかという指摘があります。

このように旧厚生省DIC診断基準は優れた診断基準ではあるものの、問題点も数多く指摘されてきました。

そもそもDICとは一体どのような病態なのでしょう。。。。。



(続く)

DIC診断基準と本態(図解40)へ
 

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:03 | 播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解) | コメント(2)

2009年6月9日

厚生労働省DIC診断基準の特徴(図解38)

DIC診断基準:厚労省、ISTH、急性期(図解37)から続く

DIC38
 
厚生労働省(旧厚生省)DIC診断規準は、1980年にこの世に登場して20年以上経過していますが、今だに頻用されています。つまり、20年以上も使用されてきた完成度の高い診断基準ということができるでしょう。今だに、日本で最も使用されている診断基準です。

こんなに長らく使用されてきたのは、優れた点が多いからではないかと考えられます。

1)    まず、旧厚生省DIC診断基準は、典型的なDIC症例でみられる臨床症状・検査所見を列挙していることが挙げられます。典型的なDICというのはこのようなものであると言うことをしっかり示してくれています。この診断基準の特長ということができます。

2)    臨床症状や臨床検査所見に対してスコアをつけることによって、客観性のある診断基準となっています。

3)    全ての基礎疾患においてこの診断基準を適用することができます。診断基準内で、白血病群、非白血病群と言った分類を行うことによってスコアリングの方法が違うことが明記されています。換言しますと、白血病群、非白血病群のいずれであってもこの診断基準を用いてDICを診断することが可能です。

この優れたDIC診断基準ですが、問題点も指摘されてきました。


(続く)

旧厚生省DIC診断基準の問題点(図解39)
 

 

【DIC関連のリンク】

播種性血管内凝固症候群(DIC)【図説】(シリーズ進行中!!)

血液凝固検査入門(全40記事)

DIC(敗血症、リコモジュリン、フサン、急性器DIC診断基準など)

NETセミナー:「DICの病態・診断」へ

NETセミナー:「DICの治療戦略」へ
 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 04:47 | 播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解) | コメント(0)

2009年6月8日

金沢大学 血液内科・呼吸器内科(クリクラ):一言お願いします(4)

金沢大学附属病院 血液内科・呼吸器内科(第三内科)

【病棟医長の新企画:一言お願いします(4)】

6月最初の月曜日。朝8時30分から、クリクラ第2タームのメンバーといつものミィーティングを行ったのですが、初期研修医の材木先生が「ちょっと寂しくなりましたね」と一言。

実は、2か月間、大活躍してくれた初期研修医2年目の本藤先生・久保先生が5月一杯で血液内科を修了しました。今後は材木先生のリーダーシップに期待したいと思います。

先日、その二人の送別会がありました。予想以上の集客力があったようで、病棟スタッフも大勢参加してくれました。

4-1

翌日の仕事を考えて、普段は無理しないメンバーですが、今回は別れが惜しいらしく、男性陣のみで二次会へ繰り出しました。

 

4-2

研修医・主治医・指導医と、この春に病棟を担当していたフルメンバーです(ママさん医師は参加できなかったのでくやしがっていましたが)。病棟の患者さんたちも皆さん落ち着いていたおかげで、全員が一堂に会せました。これが2010年の5月ならなあ、と思ったのは私だけでしょうか。

さて、この企画も少しずつ気にとめてくれる方が増えてきているようで、病棟ナースもしっかり目を通してくれいていることが判明しました。それでは、クリクラ第1タームに配属されていた「M.H.さん、一言お願いします!」


ーーーーーーーーーーー
金沢大学血液内科でのクリニカルクラークシップを終えて

M.H.


血液内科はちょうど1年前、BSLで回る機会に恵まれました。

そのとき担当してくださった若い先生の活躍される姿に感心したこと、また医局の雰囲気が良く、教育熱心な先生方ばかりだったことなどから、今回クリクラの第1タームに血液内科を希望しました。

実習では割り当てていただいた症例に関する学習のほか、悪性リンパ腫の診断リストの作成など、短期間ながら多くのことを学びました。

特に週3回のミーティングでは、研修医の先生方も交えて活発な討論が展開され、研修医との1年の差の大きさを実感する反面、1年前を振り返り、ささやかながら確かな前進を感じることもできました。

中尾教授をはじめ、先生方は非常にご熱心で、血液内科の知識だけでなく、医学に対する姿勢も学ぶことができました。

期待していた以上に充実しており、あっという間の1か月でした。

血液内科で得た知識・経験を、今後の学習に生かしていきたいと思います。
ーーーーーーーーーーー


M.H.さん、ありがとうございました。

M.H.さんは、4週目は病院見学を選択されたので、上田君のデジカメ写真「病棟医長の新企画:一言お願いします(3)」には写っていないのですが、「血液内科のPRになるのならどうぞ掲載してください」と申し出てくれました。



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金沢大学 血液内科・呼吸器内科(クリクラ):一言お願いします(4)

金沢大学病院での研修〜カンファレンス〜:後期研修医の独り言(1)




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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:41 | 研修医の広場 | コメント(0)

2009年6月7日

日本血栓止血学会学術標準化委員会(SSC):金沢大学

日本血栓止血学会学術標準化委員会(SSC)に、金沢大学血液内科・呼吸器内科(第三内科)から、以下の推挙を受けました。


【DIC部会】
部会長:朝倉英策
部会員:森下英理子、林朋恵

【抗リン脂質抗体部会】
部会長:山崎雅英

【血栓溶解部会】
部会員:朝倉英策

【HIT部会】
部会員:山崎雅英



<関連記事>

播種性血管内凝固症候群(DIC):インデックスページ(図解シリーズ)

播種性血管内凝固(DIC )治療のインデックス

血液凝固検査入門:インデックスページ(図解シリーズ)

トランサミン(インデックスページ)

抗血栓療法、抗血小板療法、抗凝固療法(アスピリン、ワーファリン)

ヘパリン類 : フラグミン、クレキサン、オルガラン、アリクストラ


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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:47 | 血栓止血(血管診療) | コメント(0)

2009年6月6日

後天性血友病(7):APTT混合試験の例

前回記事(後天性血友病(6):止血治療、免疫抑制療法)からの続きです。

 

後天性血友病7
 
 
 
 後天性血友病(Acquired Hemophilia)


【症例でのAPTT混合試験】

上図は、後天性血友病の患者さんの、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)クロスミキシングテスト(混合試験)の結果です。

縦軸は、APTT(秒)です。
横軸は、患者血漿比率(%)と書かれていますが、次の混合血漿であることを示しています。

患者血漿比率(%)
100 → 患者血漿:正常血漿=10:0
 80 →               8:2
 50 →               5:5
 20 →               2:8
  0 →                0:10


さて、患者血漿と正常血漿の混合直後の成績はどうでしょうか。

混合曲線は下に凸になっていますので、Deficiency patternという評価になってしまいます。もし直後の成績しか見ませんと、Deficiency patternを来す疾患・病態(肝不全、肝硬変、ビタミンK欠乏症血友病A&B、von Willebrand病など)を考えてしまうでしょう。

しかし、全く同じ検体で2時間incubationを加えますと、この混合曲線は上に凸のInhibitor patternに変貌いたします。

クロスミキシング試験は、その後の診断を進めていく上での分岐点に位置する極めて重要な検査です。この分岐点での判断を誤ってはいけません。2時間incubationも加えた混合試験を行うことの重要性を深く認識したいところです。

なお、上図の症例では、第VIII因子インヒビターの力価は、64 B.U.(ベセスダ単位)とかなりの高力価です。このような高力価の症例であっても、混合直後ではDeficiency patternになってしまうことを、もう一度強調しておきたいと思います。

 

後天性血友病(インデックスページ)

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:58 | 出血性疾患 | コメント(0)

2009年6月5日

金沢大学第三内科(血液内科・呼吸器内科)アクセス数1,940

 
金沢大学第三内科(血液内科・呼吸器内科)のホームページ(HP)(毎日更新のブログ併設)を、昨年の9月にリニューアルさせていただきました。

おかげさまで、多くの皆様にご支持いただき、アクセス数が漸増してまいりました。

そして昨日、セッション数(ほぼ訪問者数)が、初めて1,900人/日を超えました(正確には1,940人)。

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多くの皆様にご支持いただいていますことを、大変うれしく、また感謝致しております。


2,000人の大台超えまでもう少しではないかと思っています。

引き続き、多くの皆様にご支持いただけるよう、全力で記事を発信してまいりたいと思います。
今後とも、 どうか、よろしくご指導、ご鞭撻のほどお願い申しあげます。



【リンク】

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金沢大学 血液内科・呼吸器内科(研修医):一言お願いします(1)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 07:14 | その他 | コメント(0)

2009年6月4日

後天性血友病(6):止血治療、免疫抑制療法

前回記事(後天性血友病(5):クロスミキシング試験での2時間incubation)からの続きです。

 

後天性血友病6
 
 
 後天性血友病(Acquired Hemophilia)


【治療】

後天性血友病の治療は、大きく止血治療と、免疫抑制療法に分けられます。

止血治療は、現在進行形中の出血に対して行う治療です。言わば、緊急避難的な治療ということができます。止血治療を行っても、後天性血友病が治る(第VIII因子に対する抗体が消失する)という訳ではありません。

これに対して、免疫抑制療法は第VIII因子インヒビターの消失を期待する治療です。後天性血友病に対する免疫抑制療法は、この病気に対する治療の根幹部 分になります。しかし、止血治療を上手に組み合わせませんと、患者さんの救命につながらないことが多々ありますので、止血治療も極めて重要です。


止血療法

1)遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(rFVIIa:商品名ノボセブン
2)活性型プロトロンビン複合体製剤(APCC:商品名ファイバ)
3)第VIII因子補充療法(インヒビター力価の低い症例(<5BU))
4)酢酸デスモプレシン(DDAVP)(インヒビター力価の低い症例(<5BU))
5)血漿交換および血漿免疫吸着療法

 

免疫抑制療法( インヒビター産生抑制)

1)副腎皮質ステロイド(時に、パルス療法も):第一選択薬です。
2)サイクロフォスファミド(商品名エンドキサン):時に、副腎皮質ステロイドと併用で使用します。
3)リツキシマブ:ここから後は、保険収載されていない治療法ですが、有効という報告があります。
4)シクロスポリン、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、シロリムス
5)免疫グロブリン大量療法(IVIG)

 

(補足)

同じ第VIII因子インヒビターであっても、先天性血友病Aに対して第VIII因子濃縮製剤を投与したことに伴い出現した場合には、ステロイドは無効です。その理由は、管理人は良く分かりません。。。


(続く)

後天性血友病(7):APTT混合試験の例

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:12 | 出血性疾患 | コメント(0)

2009年6月3日

後天性血友病(5):クロスミキシング試験での2時間incubation

前回記事(後天性血友病(4):診断の流れ)からの続きです。

 

後天性血友病5
 
 
 

後天性血友病(Acquired Hemophilia)

上記の図は、過去にもアップしていますが、大変重要ですので、再掲します。

前回記事(後天性血友病(4):診断の流れ)でも書かせていただいた通り、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の延長が見られた場合に、次に行うべき検査が、クロスミキシング試験(cross mixing test、混合試験、ミキシングテスト)です。

この検査で、方向性が大きく変わっていきます。

Inhibitor patteranになった場合には、第VIII因子インヒビターループスアンチコアグラントを疑います。一方、Deficiency patternの場合には、先天性の血友病や、ビタミンK欠乏症、肝不全などを疑います。

ここで、大きな注意点があります。

第VIII因子インヒビターを疑った場合にはクロスミキシング試験(インヒビターの確認)が必要なのですが、この際、必ず2時間incubationを加える必要があります。

この2時間incubationを行いませんと、第VIII因子インヒビターであってもdeficiency patternになって誤診につながってしなう可能性があるのです。

 

管理人は、過去に複数の医療機関での第VIII因子インヒビターの症例をご相談うけたことがあるのですが、 2時間incubationを加えないクロスミキシング試験で評価されていたために、あやうくこの病気を見逃しそうになったという実例をお聞きしています。

 

(続く)

後天性血友病(6):止血治療、免疫抑制療法

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:32 | 出血性疾患 | コメント(0)

2009年6月2日

後天性血友病(4):診断の流れ

前回記事(後天性血友病(3):基礎疾患、症状)からの続きです。

 

後天性血友病4
 
 

後天性血友病(Acquired Hemophilia)


後天性血友病(acquired hemophilia)診断の流れを図にしてみました。

1)    出血症状&APTTの延長:

まず、出血症状に対して血液検査を行い、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が延長しているところから出発になります。
後天性血友病では、その他の出血関連スクリーニング検査(血小板数、PT、フィブリノゲン、FDPDダイマー)は全て正常です。
von Willebrand因子(vWF)抗原量&活性も正常です。


2)    クロスミキシング試験(ミキシングテスト、混合試験):

患者血漿と、正常血漿を一定の比で混合して、APTTやカオリン凝固時間(KCT)を測定します。クロスミキシング試験は、PTAPTTの測定が可能な医療機関であればどこでも測定可能な「極めて簡単な検査」です。
保険収載されている検査でもあります。
簡単な検査とは言っても、その後の診断の方向性を決定つける極めて重要な検査でもあります。

ここで注意点があります。後天性血友病を疑った場合のクロスミキシング試験は、患者血漿と、正常血漿の一定の比で混合したのちに、必ず2時間incubationを加えることです。これを行いませんと、誤診してしまう懸念があります。

この点は、また後の記事でも触れたいと思います。


3)    第VIII因子活性の低下:

血液凝固第VIII因子活性が特異的に低下します。ただし、極めて力価の高い後天性血友病では、他の凝固因子がartifact的に若干低下して測定されることがあります。


4)    第VIII因子インヒビター活性の測定(ベセスダ単位):

これで診断が確定します。保険収載されている検査です。

 

(続く)

後天性血友病(5):クロスミキシング試験での2時間incubation

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:30 | 出血性疾患 | コメント(0)

2009年6月1日

金沢大学 血液内科・呼吸器内科(クリクラ):一言お願いします(3)

金沢大学附属病院 血液内科・呼吸器内科(第三内科)

【病棟医長の新企画:一言お願いします(3)】

第1タームのクリクラ最終日、「記念写真を撮りましょう!」との提案があって、朝のミーティングに参加してくれた研修医の先生たちと一緒に、「はい、チーズ!」。

上田君のデジカメで撮影した貴重な一枚です。

クリクラ


先日、クリクラの感想(病棟医長の新企画:一言お願いします!(2))を寄せてくれた池辺さんがその日のうちにプリントしてきてくれました。さて、うまく撮れていますか?「上田君、一言お願いします!」



ーーーーーーーーーーーーーーーー
金沢大学血液内科でのクリニカルクラークシップを終えて
6年 上田秀保

クリニカルクラークシップ(クリクラ)の1ターム目を、今回血液内科で勉強させていただき大変ありがとうございました。色々不勉強で、先生方に対して質問することが多かったと思いますが、温かく受け入れてもらえ、大変うれしかったです。特に、クリクラを担当してくださった山崎宏人先生には大変お世話になりました。


まず、自分が血液内科をクリクラで選んだ理由は、4年生の講義の時に血液を真面目に(他の教科についてはノーコメントで)受けており、血液についての理解が他の臓器よりも深かったことが理由です。また、5年のBSLでもお世話になったこともあり、とても単純なのですが、敷居が低く感じられ、血液内科でのクリクラを受けさせて頂きました。5年生のときよりはカンファレンスの中身や先生方の議論はわかった・・・つもりではあります。


この一ヶ月のクリクラ内容は、BSLとは違っており、とても勉強になり刺激になりました。どういうところがBSLと違うかというと、各先生方との接点の濃さが一番異なりました。一ヶ月という期間もあるのですが、先生方と気軽に密接に患者さんについてのお話が出来ること、そして、6年生にとっては将来なるであろう研修医の先生方とお話できることがとてもよかったです。また、5年生のBSLも一緒にいるため、なかなか緊張感がある勉強になりました。


実際の実習内容として、血液については難しい、の一言でした。BSLとは異なり、担当患者さんも2人になり、勉強することが2倍になることは、予想以上に大変でした。しかも、現在の治療状態や問題についても、患者さんのためになることを、学生なりに考えることは難しく、医師の厳しさも感じました。ただ、今度から希望する学生には3人の患者さんを担当してもいいのではないかなと思いました。


血液内科の臨床については、明確な答えがあるものないものはどこの診療科でも同じだと思いますが、治療方法についての抗がん剤の選択方法、分子標的薬の進歩、副作用、そして肉眼での診断方法や分子学的診断方法、表面マーカーなどなど、とても考えることが多く感じられました。そして、とても興味深い診療科であり、やりがいを感じ、この血液内科では探究心が止むことはないであろうと感じました。


また、第3内科の雰囲気というものはとてもいいもので、先生方も親切であり、またお話も大変上手でありました。患者さんに対する姿勢も、学ぶべきところが多く、勉強になりました。ポリクリが頻繁にあることは、大変勉強になることであり、とてもよかったです。自分は、正直言って、外科を志望しておりますが、この第3内科の雰囲気や診療内容を考えると、少し心が揺らいでしまいました。内科をやるのであれば是非第3内科へ、と胸を張って言えるのではないかと思います。(自分は外科志望というのが情けないお話です・・・・。)


拙い感想文でありますが、今回のクリクラは大変有意義なものとなりました。山崎宏人先生には本当にお世話になり、感謝しています。特に先生の、お酒の席で、奥村先生と昔の患者さんについてのお話は、聞いていて感動しました。熱い想いを垣間見た気がします。本当にありがとうございました。
ーーーーーーーーーーーーーーーー


上田君、どうもありがとうございました。

上田君はクリクラのスタート時から「僕は外科志望です!」と元気に宣言していましたが、私たち第三内科のスタッフは他科志望の学生さんに対しても一生懸命指導します。

当科の雰囲気が気に入って、第三内科に心変わりしてもらえれば言うことなしですが、たとえ他の科に進むことになってもかまいません。

「血液疾患は全身を診る必要がある」とよく言われますが、血液内科は様々な分野の先生方のサポートを必要としている領域です。皆さんが一人前になった時、チーム医療のメンバーの一人として、是非、私たちの相談にのってください。期待しています。



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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:30 | 研修医の広場 | コメント(0)

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