金沢大学・血液内科・呼吸器内科
※記事カテゴリからは過去の全記事をご覧いただけます。
<< 2009/09トップページ2009/11 >>
2009年10月31日

悪性腫瘍(癌)とDIC:疫学、基礎疾患、発症頻度

【DIC基礎疾患としての悪性腫瘍】

播種性血管内凝固症候群(DIC)には、多くの基礎疾患が知られていますが、その中でも、固形癌、急性白血病、敗血症は、従来より三大基礎疾患として知られています。そのため、悪性腫瘍(固形癌、造血器悪性腫瘍)は、DICの基礎疾患として極めて大きな位置を占めることになります。

固形癌においてDICを合併した場合には、全身転移を伴った進行癌である場合が多いです。ただし、化学療法や移植治療の発達、免疫学的に抗腫瘍効果を期待できる治療法の開発などに伴い、進行癌であっても治療成績の向上が見込まれる時代となっています。

この点からも、DICのコントロールは、原疾患の治療を着実に遂行していく上で、以前よりも更に大きな意義を有するようになってきたものと考えられます。

また、造血器悪性腫瘍の多くの症例において完全治癒を見込めるようになってきた現代において、DICの合併症によって患者の予後が悪化することは絶対に避ける必要があるでしょう。



【DICの疫学:悪性腫瘍】

DIC症例数(絶対数)の多い基礎疾患(内科)

順位 基礎疾患 DIC(人) 基礎疾患(人) 発症頻度(%)
1 敗血症 166 410 40.5
2 非ホジキンリンパ腫 154 777 19.8
3 肝細胞癌 113 3545 3.2
4 急性骨髄性白血病 91 288 31.6
5 肺癌 82 1026 8.0
6 呼吸器感染症 78 1205 6.5
7 肝硬変 72 3335 2.2
8 急性前骨髄球性白血病 71 91 78.0
9 胃癌 46 1090 4.2
10 急性リンパ性白血病 45 151 29.8

 

DIC発症頻度の高い基礎疾患(内科)

順位 基礎疾患 発想頻度(%) DIC(人) 基礎疾患(人)
1 急性前骨髄球性白血病 78.0 71 91
2 劇症肝炎 45.3 29 64
3 敗血症 40.5 166 410
4 乳癌 36.8 7 19
5 急性骨髄性白血病 31.6 91 288
6 急性リンパ性白血病 29.8 45 151
7 急性骨髄単球性白血病 27.5 11 40
8 その他 26.6 33 124
9 慢性骨髄性白血病 26.2 22 84
10 急性単球性白血病 25.0 7 28

 

DICの疫学調査は、厚労省研究班によって平成4年度および平成10年度に全国レベルの調査が行われています。


・松田保ほか: DICの原因疾患に関するアンケート調査の結果について。厚生省特定疾患血液凝固異常症調査研究班平成4年度業績報告書 p17-23, 1993.

・中川雅夫:本邦における播種性血管内凝固(DIC)の発症頻度・原因疾患に関する調査報告。厚生省特定疾患血液系疾患調査研究班血液凝固異常症分科会平成10年度研究業績報告書 p57-64, 1999.


その後は、今のところ日本における疫学調査は行われていませんが、10年以上経過してDIC臨床の環境が大きく変貌していますので、そろそろ全国レベルの疫学調査を行いたいところです。

平成10年度の疫学調査によりますと、内科領域においてDICを生じやすい疾患として絶対数が多いのは、敗血症、非ホジキンリンパ腫(NHL)、肝細胞癌、急性骨髄性白血病(AML)、肺癌の順となっています。
上位10位内に、悪性疾患が7疾患含まれていることになります。


また、DIC発症頻度の高い疾患としては、急性前骨髄球性白血病(APL)、劇症肝炎、敗血症、乳癌、AMLの順となっています。
やはり、上位10位内に、悪性疾患が7疾患含まれていることになります。


外科領域においても、DICを生じやすい疾患として絶対数が多いのは、敗血症、結腸癌、胃癌、胆管癌、ショックの順となっています。上位10位内に、悪性腫瘍(固形癌)が6疾患含まれています。

このように、内科領域、外科領域のいずれにおいてもDIC基礎疾患としての悪性腫瘍は極めて大きな位置を占めています。

悪性腫瘍(固形癌、造血器悪性腫瘍)の診療に際しては、DICの診療を避けて通ることができないと言うことができると思います。

 

(続く)

悪性腫瘍に合併したDICの発症機序

 

【シリーズ記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:46 | DIC | コメント(0)

2009年10月30日

松田保先生:金沢大学医学部第三内科 二代目教授(名誉教授)

私達の金沢大学医学部第三内科血液内科・呼吸器内科)は、教室の歴史はまだ浅く、現在の中尾眞二教授で、まだ第三代目の教授になります(金沢大学医学部第三内科教室の沿革)。

初代教授は服部絢一先生、二代目教授は松田保先生です。

この度、管理人は松田保先生の御略歴執筆の機会をいただいました。ただし、松田先生の在任期間中は、今のようにインターネットはあまり利用されていませんでしたので、インターネット検索では御略歴執筆の資料となるような記事は入手できませんでした。

ということで、私達のHP(ブログ)で松田保先生のご略歴を紹介させていただき、この記事がインターネット検索で検索されてくるようになるのが最も良いのではないかと思いました。以下に簡単ではございますが御略歴の記事を書かせていただきます。


リンク:金沢大学内科学第三教室史(インデックス)


松田保教授の御略歴

・昭和8年:石川県金沢市生まれ。
・昭和33年3月:金沢大学医学部卒業。石川済生会病院、金沢大学医学部附属病院第二内科助手、同講師を経て、
・昭和47年5月:東京都老人総合研究所臨床第二生理研究室長。東京都養育院附属病院内科兼務。
・昭和59年7月:金沢大学医学部内科学第三講座教授に就任。金沢大学医学部附属病院 輸血部長(併任)。同 高密度無菌治療部長(併任)。同講座に血液凝固研究室(現在の血栓止血研究室)を新設。
・昭和63年4月〜平成2年3月:金沢大学医学部教務委員長
・昭和63年4月〜平成2年3月:石川県医師会副会長
・平成8年1月〜平成8年6月:金沢大学医学部長
・平成11年3月 定年により退官。現在、金沢大学名誉教授。


<主な学会会長>

・昭和63年6月:第11回日本バイオレオロジー学会
・昭和63年12月:第11回日本骨髄移植研究会
・平成5年10月:第31回日本内科学会東海北陸合同地方会
・平成8年11月:平成8年度日本動脈硬化学会冬期大会
・平成9年9月:第20回日本血栓止血学会総会
・平成10年11月:第40回日本臨床血液学会総会


<所属学会>

多くの学会で理事を歴任。日本血栓止血学会(名誉会員)、日本血液学会(名誉会員)、日本臨床血液学会(名誉会員)(現在は日本血液学会と合流)ほか多数。


<研究内容>

・播種性血管内凝固症候群の病態解析と治療法の開発
・抗リン脂質抗体症候群の病態解析
・動脈硬化性疾患の病態解析
・先天性血液凝固異常症の遺伝子解析
・顆粒球エラスターゼと凝固異常 ほか多数。


<研究成果>

昭和63年度〜平成4年度厚生省特定疾患血液凝固異常症調査研究班の班長として(班長在任期間の前後には班員として)、血液凝固学とくに播種性血管内凝固(DIC)の臨床と研究をリードして、日本におけるDICの臨床と研究のレベルを世界一としました。特に、分子マーカーを駆使したDIC病態解析の手法は優れた業績であり、現在のDIC病型分類の概念へとつながっています。

厚生労働省DIC診断基準(1980年)の作成にあたっては松田保らが中心的役割を果たし、現在もこの診断基準が日本中で使用されていますが、2001年には国際血栓止血学会(ISTH)が日本における厚生労働省診断基準を模倣して、DIC診断基準を発表しています。この点からも、松田保らの貢献により、日本におけるDIC研究は世界的平均レベルより20年進んでいることになります。

教室内においては臨床の重要性を強調され、結果的にかえって研究も臨床に直結した優れたものが多数発信されました(在任期間中に2,500編:59編の学位論文を含みます)。

第三内科ホームページ(金沢大学医学部第三内科教室の沿革)では「第二代教授の松田保は、研究や診療の幅を広げました(血栓・止血グループを新設)。教室の規模が大きく拡がったのもこの時代です」と紹介されています。http://www.3nai.jp/

明るく温厚なお人柄、人を引き付ける笑顔、医学領域のみならず多領域に通じておられ、各種学会おいて多数の松田保教授ファンがおられた点も追加しておきたいと思います。


<代表的な著書(単著)>


1)    DIC症候群。P.1〜272. 中外医学社 1976年
2)    改訂版DIC。P.1〜237. 中外医学社 1979年( 1)の完全改稿版)
3)    凝固と線溶。P.1〜287. 中外医学社 1980年
4)    DICの臨床。P.1〜113. 新興医学出版社 1983年
5)    止血・血栓の臨床。P.1〜223. 新興医学出版社 1996年
6)    DICの臨床。P.1〜141. 新興医学出版社 1997年
7)    キリンの血圧はなぜ高いー血液学最前線—小学館文庫 1999年(ベストセラーとなる)


<受賞歴>


1)昭和51年 ベルツ賞「Cerebral vascular diseases including pathophysiology」
2)平成元年 北国文化賞


<その他>


1)    MROラジオ番組「市場ジョッキー」にて長期間にわたりゲストコメンテーターを担当。医学領域のみならず、映画、音楽、歴史、文学、趣味など多数領域に博識であったため人気番組となりました。
2)    コントラクトブリッジ:Senior Masterの段位を持っておられます。
3)    金沢大学医学弓道部のマネージャー(医学部在学時代)、顧問(教授就任時代)を担当されました。



【リンク】

播種性血管内凝固症候群(インデックスページ)ー図解ー

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 19:29 | その他

2009年10月29日

感染症治療Up to Date 2009 のご案内

感染症治療Up to Date 2009 in Ishikawa

日 時 : 2009年11月27日(金) 19:00〜20:35
場 所 :金沢都ホテル
 7階 鳳凰の間


(プログラム)敬称略

情報提供 19:00〜19:15
『クラビット錠500mg1日1回投与の有効性、安全性について』  第一三共株式会社


一般講演 19:15〜19:35

 座長: 金沢大学附属病院 呼吸器内科  臨床教授  藤村 政樹

当院におけるレボフロキサシン500mg錠の使用経験

金沢医科大学 呼吸器内科 助教 及川 卓



特別講演 19:35〜20:35

座長:金沢医科大学   呼吸器内科 教授   栂 博久

呼吸器感染症診療の最近の考え方 〜新型インフルエンザの話題を含めて〜

東北大学 加齢医学研究所 抗感染症薬開発研究部門 教授  渡辺 彰


※講演会終了後、情報交換あり。

主催 第一三共株式会社

 

 

 

【関連記事】  好酸球性下気道疾患

1)概念 & β2-刺激薬の特徴

2)咳喘息

3)アトピー咳嗽 & 非喘息性好酸球性気管支炎

4)咳喘息・アトピー咳嗽・非喘息性好酸球性気管支炎の関係

 

 【関連記事】  咳嗽の診断と治療

1)ガイドライン

2)咳嗽の定義 & 性状

3)急性咳嗽

4)遷延性咳嗽 & 慢性咳嗽

5)咳嗽の発症機序

6)診断フローチャート

7)咳喘息

8)アトピー咳嗽 vs. 咳喘息

9)副鼻腔気管支症候群(SBS)

10) 胃食道逆流症(GERD)

11)慢性咳嗽&ガイドライン

 

【関連記事】

慢性咳嗽の診療

非小細胞肺癌治療の最前線

肺がんに気づくサイン


【リンク】

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:54 | 研究会・セミナー案内

2009年10月28日

北陸血管・血液セミナーのご案内(決定版)

 

第6回 北陸血管・血液セミナー プログラム 


日時:平成21年10月31日(土) 16:00〜18:30
会場:金沢エクセル東急ホテル
 5階「エクセレントルーム」


(敬称略)

開会の挨拶    

金沢大学大学院医学系研究科 細胞移植学 教授 中尾眞二 



指定演題

座長:石川県立中央病院 血液免疫内科 診療部長  上田 幹夫

後天性血友病の2症例』

金沢大学医学部附属病院 血液内科 林 朋恵


特別講演1

座長:金沢大学大学院医学系研究科 細胞移植学 教授 中尾眞二

『虚血性心疾患における動脈硬化粥腫進展と血栓症』

金沢大学医薬保健研究域医学系  循環器内科 教授 山岸正和



特別講演2

座長:富山大学医学部 臨床分子病態検査学講座 教授 北島勲

『抗血小板療法の新たな展開』 

山梨大学医学部 臨床検査医学   教授 尾崎由基男

 

閉会の挨拶   

金沢大学医学部附属病院 高密度無菌治療部 准教授 朝倉英策

 


主催:ノボ ノルディスクファーマ株式会社

 

【リンク】

後天性血友病

金沢大学 血液内科・呼吸器内科ホームページ

金沢大学 血液内科・呼吸器内科ブログ

研修医・入局者募集

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:36 | 研究会・セミナー案内 | コメント(0)

2009年10月26日

金沢大学統合試験 過去問:医師国家試験 対策

金沢大学における統合試験は、医師国家試験を前にした学内模擬試験的な意味あいもあります。問題形式も医師国家試験と極めて近似しています。


また、卒業試験としての意味合いもあるのだと思います。

金沢大学統合試験過去問の記事を最近アップしてきましたので、インデックスページを作成しておきたいと思います。

医師国家試験・専門医試験対策のカテゴリー ← 関連記事

 

<金沢大学統合試験過去問:血液内科・呼吸器内科>


びまん性大細胞型B細胞リンパ腫

悪性リンパ腫・血液疾患と治療の結びつき

血液疾患と治療の結びつき・血清フェリチン

出産時の大出血

血小板数低下と治療

急性腎盂腎炎と血小板数低下


単音性連続性副雑音・喘息

喀血

胸部異常陰影(上肺野)

 

医師国家試験問題対策用のエッセンス記事:血液内科(血栓止血領域)

輸血学試験問題

 


【関連記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:50 | 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

2009年10月25日

医師国家試験対策:統合試験過去問より(リンパ腫など)

金沢大学医学部では、卒業前に統合試験という名の試験が行われています。
文字通り、学んだ全ての領域が試験範囲になっています。
管理人はその詳細を知る立場にはありませんが、医学部卒業試験とプレ医師国家試験をたして2で割ったような意味合いではないかと理解しています。

問題作成者は、医師国家試験を意識して作題していますので、医師国家試験対策にもなっているのではないかと思っています。

当科が出題した昨年の過去問を紹介させていただきます。本年の統合試験で類似の問題が出題されることはないと思いますが、医師国家試験対策になるのではないかと思っています。



臨床問題

右頸部リンパ節腫大のため近医を受診し、生検の結果びまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断された60歳男性が内科外来に紹介された。生検以外の検査は受けていない。治療開始前に行うべき検査のうち、必要性の低いものはどれか。1つ選べ。

(1)    頚部から骨盤にかけての造影CT
(2)    血清LDHの測定
(3)    骨髄染色体分析
(4)    FDG-PET
(5)    上部消化管内視鏡検査


【作問のねらい】

 非ホジキンリンパ腫の臨床病期の決定と、予後を予測するために必要な検査を問う問題である。

造影CT、上部消化管内視鏡はステージングのために必要であ る。

LDHは国際予後指数を計算するための必須検査である。

FDG-PETは、のちに治療の反応性を評価するために、治療前に行っておくことが望ましい。

骨髄穿刺、骨髄生検も必須の検査であるが、骨髄に明らかなリンパ腫の浸潤がない場合、染色体分析の必要性は高くない。

【正答】 (3)

 

 

必須問題

疾患と治療の結びつきの中で誤っているのはどれか。

(1)    多発性骨髄腫−ボルテゾミブ
(2)    急性前骨髄球性白血病−ゲムツズマブオゾガマイシン(カリケアマイシン抱合抗CD33抗体
(3)    難治性濾胞性リンパ腫−イブリツモマブチウキセタン(イットリウム抱合抗CD20抗体)
(4)    輸血後鉄過剰症−デフェラシロクス
(5)    骨髄異形成症候群−トシリズマブ(抗IL-6抗体)


【作問のねらい】

話題の新薬と、それが適応となる疾患を問う問題である。

ボルテゾミブは難治性の多発性骨髄腫に対して有効である。

ゲムツズマブオゾガマイシンは難治性急性 前骨髄性白血病にしばしば用いられる。

イブリツモマブチウキセタンは放射線物質90Yを抱合させた抗CD20抗体で、治療抵抗性濾胞性リンパ腫に有効であ る。

デフェラシロクスは経口鉄キレート剤として注目されており、輸血後鉄過剰症の治療に用いられる。

トシリズマブは慢性関節リウマチやキャッスルマン病な どに用いられる抗IL-6抗体であり、骨髄異形成症候群とは無関係である。

 

【正答】 (5)

 

【シリーズ記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 04:06 | 医師国家試験・専門医試験対策

2009年10月24日

第9回 北陸造血細胞移植研究会のご案内

北陸造血細胞移植研究会

【 日時 】 平成21年11月7日(土) 16:00〜
【 場所 】 金沢ニューグランドホテル
 5階 『銀扇』

(プログラム)敬称略

16:00〜16:10
情報提供   グランシリンジ−最近の話題−  協和発酵キリン株式会社

16:10〜17:10
症例検討  
司会  金沢医科大学 血液免疫制御学 准教授 福島俊洋

症例1 
「同種末梢血幹細胞移植後にドナー型の2次性生着不全を生じた1例」
石川県立中央病院 血液内科  宗本早織、笠田篤郎、村田了一、山口正木、上田幹夫
 
症例2
「同種骨髄移植後早期に再発を来たした36歳MDS overt leukemiaの1例」
福井赤十字病院 内科        今村信、木下圭一、神谷健一

症例3 
「トリコスポロン敗血症合併寛解導入不応AMLに対する同種骨髄移植」

金沢大学附属病院 血液内科  細川晃平、山�宏人、望月果奈子、中尾眞二


17:10〜18:10
特別講演 
座長 
金沢大学医薬保健研究域医学系 細胞移植学 教授 中尾眞二

『当院における移植前処置の工夫と感染症対策』

演者  
慶應義塾大学医学部 血液内科 森毅彦


共催  北陸造血細胞移植研究会/協和発酵キリン株式会社

 

【関連ブログ記事】
造血幹細胞移植後の再発
造血幹細胞移植前処置としてのATG

【NETセミナー
汎血球減少のマネジメント:特に骨髄不全について
急性骨髄性白血病の治療
悪性リンパ腫の診断

造血幹細胞移植
移植片対宿主病(GVHD)の分類と診断
ドナーリンパ球の威力 −ドナーリンパ球輸注(DLI)−

貧血患者へのアプローチ
輸血後鉄過剰症と鉄キレート療法
血液内科に関する研修医からのQ&A


【リンク】金沢大学血液内科・呼吸器内科関連

金沢大学 血液内科・呼吸器内科ホームページ

金沢大学 血液内科・呼吸器内科ブログ

研修医・入局者募集


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 18:00 | 研究会・セミナー案内

2009年10月23日

北陸人工関節置換術 VTE予防フォーラムのご案内


北陸人工関節置換術 VTE(静脈血栓塞栓症)予防フォーラム

−患者さんを静脈血栓塞栓症から守るために−

関連記事:深部静脈血栓症/肺塞栓

日時:2009年11月27日(金) 19:00〜21:00
場所:金沢ANAクラウンプラザホテル 
3階「瑞雲」

クレキサン製品説明  19:00〜19:10         サノフィ・アベンティス株式会社


講演1
    19:10〜20:00

座長 : 金沢大学 医学部 整形外科学教室   講師     加畑 多文 先生

『  静脈血栓予防の必要性について 』


       金沢大学附属病院 高度無菌治療部  准教授   朝倉 英策


講演2    20:10〜21:00

座長 : 木島病院     整形外科                     北岡 克彦 先生

『  人工関節手術の周術期におけるVTE予防 』

北里大学  医療衛生学部  教授
兼 北里大学東病院 整形外科  部長     高平 尚伸 先生

閉会の辞
   金沢医科大学 医学部 整形外科学      准教授    兼氏   歩 先生

※講演会終了後に情報交換会を予定しております
主催:サノフィ・アベンティス株式会社



【リンク】

ヘパリン類

深部静脈血栓症/肺塞栓

金沢大学 血液内科・呼吸器内科ホームページ

金沢大学 血液内科・呼吸器内科ブログ

研修医・入局者募集


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:51 | 研究会・セミナー案内 | コメント(0)

2009年10月22日

第4回日本血栓止血学会学術標準化委員会シンポジウムのご案内

日本血栓止血学会では、例年11月に学術標準化委員会シンポジウムが開催されています。慶応義塾大学で開催されているのですが、いつも満席状態になっています。

学会よりも自由に発言できる雰囲気もあり、毎回活発な議論が行われています。

管理人が一押しのシンポです。是非ともお誘いあわせの上、御参加いかがでしょうか。

下記のごとく、ご案内いたします。


第4回 日本血栓止血学会
学術標準化委員会シンポジウム

Scientific Standardization Committee(SSC) 2009 シンポジウム

 

日 時:平成21年11月21日(土)9:30〜16:00
会 場:慶應義塾大学医学部構内
(東京都新宿区信濃町35)
参加費:無料(資料代2,000円)



プログラム


1. VWFと疾患〜止血と血栓における二面性の理解と日常診療への応用〜 VWD/PPT部会
2. 凝固線溶検査の標準化に向けて、今、だれが何をしたらよいのか(パネルディスカッション)      凝固線溶検査部会

3. 抗リン脂質症候群診断に向けた新展開     抗リン脂質抗体部会
4. わが国における血友病治療センター構想    血友病部会
5. DIC研究の最前線 ー病態・診断・治療ー   DIC部会
6. 血栓性素因・プロテインS欠乏症/欠損症をめぐる最近の話題    血栓性素因部会


ランチョンセミナー

1. 血友病Aに対する自己血管内皮前駆細胞を用いた細胞療法ーより安全かつ効果的な治療法の確立を目指してー  松井 英人先生
共催:バイエル薬品株式会社 

2. 悪性腫瘍(造血器を含む)におけるDICの病態と臨床 朝倉 英策 
共催:旭化成ファーマ株式会社

3. 静脈血栓塞栓症の予防と治療ーフォンダパリヌクスの導入と今後の展望ー
共催:グラクソ・スミスクライン株式会社


【関連記事

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

播種性血管内凝固(DIC )治療

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

トランサミン(インデックスページ)

抗血栓療法、抗血小板療法、抗凝固療法(アスピリン、ワーファリン)

ヘパリン類 : フラグミン、クレキサン、オルガラン、アリクストラ


【リンク】

金沢大学 血液内科・呼吸器内科ホームページ

金沢大学 血液内科・呼吸器内科ブログ


研修医・入局者募集

 


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:22 | 血栓止血(血管診療) | コメント(0)

2009年10月21日

医師国家試験対策:統合試験過去問より(喀血)

医師国家試験、専門医試験、血液内科試験 ← 関連記事

金沢大学医学部統合試験(呼吸器内科)過去問です。

〜過去問の紹介と解説の記事(兼:医師国家試験対策)〜
  

 

次の分を読み、1、2の問いに答えよ。

54歳 女性。喀血の精査目的に入院した。

現病歴
幼少時から、何度か肺炎を起こしたことがあった。成人しても、一年を通して湿性咳嗽が多かった。鼻汁、後鼻漏なども続いており、34歳時に慢性副鼻腔炎を指摘された。数年前より年に一度程度、少量の血痰を認めていたが、その都度、近医にて止血剤を処方されて軽快していた。

1年以上血痰はなかったが、平成20年6月15日に庭仕事をしていたところ、突然咳嗽とともにコップ一杯ほどの喀血を認めた。近医を受診し、止血剤の点滴を受けたが、翌日もコップ一杯ほどの喀血を認め、点滴と抗菌薬処方が行われた。

血痰、喀血は止まったが、精査目的に当院紹介となった。寝汗、発熱、体重減少は認めていない。

 

既往歴
34歳 尿道腫瘍(手術)、52歳 子宮筋腫(手術)、アレルギー歴なし

現症
身長 145 cm、体重 47 kg、体温 36.3 ℃、脈拍 62/分、整、血圧 102/62 mmHg、呼吸回数 14回/分、SpO2 97%
意識清明、結膜 貧血・黄疸 なし、口腔内 異常なし、頚部 リンパ節触知せず、甲状腺腫大なし、胸部  心音 I音、II音 異常なし、雑音なし、呼吸音 正常肺胞呼吸音、左下肺野を中心に吸気時にcoarse cracklesを聴取。
腹部 平坦、軟、圧痛なし、下腹部に手術瘢痕あり、腫瘤触知せず。
四肢 明らかな神経学的所見の異常なし、浮腫なし、バチ指なし。

 

入院時検査所見
血液検査:WBC 5600/μl (Neu 43.6 %, Eos 2.5 %, Bas 0.5 %, Mon 5.2 %, Lym 48.2 %), RBC 465x104 /μl、 Hb 13.4 g/dl、 Ht 42.6 %、 Plt 19.4x104 /μl

BUN 10.0 mg/dl、 Cr 0.49 mg/dl、Na 144 mEq/l、K 4.4 mEq/l、Cl 107 mEq/l、AST 23  IU、 ALT 15 IU、 ALP 359 IU/l、 γ-GTP 23 IU/l、 LDH 144 IU/l、 TP 8.1 g/dl (Alb 61.7 %、 α1-gl 2.1 %、α2-gl 7.9 %、β-gl 7.6 %、γ-gl 20.7 %)、CK 57 IU/l

 

血沈(1時間値) 36 mm、 CRP 0.1 mg/dl、FBS 118 mg/dl、IgG 1540 mg/dl、IgA 312 mg/dl、IgM 127 mg/dl、IgE 28 IU/l、フィブリノゲン 369 mg/dl、PT  11.2 秒、APTT  30.8 秒、寒冷凝集素 <8


喀痰検査:一般細菌培養 P.aeruginosa (+)、抗酸菌検査 陰性、細胞診 陰性。

上部消化管検査(胃カメラ)では慢性胃炎の所見のみであった。

胸部X線写真&CT 入院時のものを以下に示す。

 

気管支拡張症1 気管支拡張症2

 

1)喀血の原因として最も考えられるのはどれか。
        
a 気管支拡張症                    
b 肺結核                    
c アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
d 肺癌
e 肺血栓塞栓症



2)治療方針(手術適応)決定のために必要な検査はどれか。
     
a 気管支造影検査                        
b 肺動脈造影検査                
c 気管支動脈造影検査            
d 肺血流スキャン                
e 肺換気スキャン

 

【作問のねらい】

喀血は生命を脅かすだけではなく、恐怖心をあおる重大な症状である。原因には数多くのものあるが、最も頻度の高い原因疾患は気管支拡張症である。胸部単純X線写真と胸部CT写真にて、その診断は容易である。薬物療法によってコントロールできない場合には、責任病巣を切除することも重要な治療選択肢であり、そのために気管支動脈造影検査が必須となる。

 

【正答】

1)a

2)c                               


【関連記事】  好酸球性下気道疾患

1)概念 & β2-刺激薬の特徴

2)咳喘息

3)アトピー咳嗽 & 非喘息性好酸球性気管支炎

4)咳喘息・アトピー咳嗽・非喘息性好酸球性気管支炎の関係

 

 【関連記事】  咳嗽の診断と治療

1)ガイドライン

2)咳嗽の定義 & 性状

3)急性咳嗽

4)遷延性咳嗽 & 慢性咳嗽

5)咳嗽の発症機序

6)診断フローチャート

7)咳喘息

8)アトピー咳嗽 vs. 咳喘息

9)副鼻腔気管支症候群(SBS)

10) 胃食道逆流症(GERD)

11)慢性咳嗽&ガイドライン

 

【関連記事】

慢性咳嗽の診療

非小細胞肺癌治療の最前線

肺がんに気づくサイン

【リンク】

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 07:29 | 医師国家試験・専門医試験対策

2009年10月20日

DIC研究の最前線―病態・診断・治療―(SSCシンポジウム)

日本血栓止血学会 学術標準化委員会(SSC)シンポジウムプログラム
<DIC部会>

【関連記事】
播種性血管内凝固症候群(DIC)【カラー図解】

血液凝固検査入門
【カラー図解】

その他の部会も含めた全体のプログラムはこちらです
第4回日本血栓止血学会学術標準化委員会シンポジウム


2009年11月21日(土)慶応義塾大学

「DIC研究の最前線—病態・診断・治療—」
13:30〜15:50

【1部】
座長: 
金沢大学附属病院 高密度無菌治療部  朝倉英策
産業医科大学 第一外科学  岡本好司

1)外傷急性期凝固異常をどう捉えるか
日本医科大学 救急医学 久志本 成樹

2)DICと線溶病態
熊本大学医学部附属病院 輸血部 内場光浩

3)新しい感染症のDIC診断基準作成のためのプロスペクティブスタディの結果
帝京大学医学部 内科学講座 川杉和夫

4)感染症DICを考慮した現厚生労働省DIC診断基準の検討
自治医科大学分子病態治療研究センター分子病態研究部 窓岩清治

【2部】
座長: 
新潟県立新発田病院 内科  関 義信
自治医科大学分子病態治療研究センター分子病態研究部 窓岩清治

5)DIC診断に関する部会員アンケート調査結果について(その1)
金沢大学大学院医学系研究科 病態検査学 森下英理子

6)敗血症DIC・臓器障害に対する治療機序解明の試み—HMGB1制御の可能性—
産業医科大学 第一外科学 岡本好司

7)アンチトロンビンを軸とする併用療法に関する基礎的検討
順天堂大学医学部附属順天堂医院 救急災害医学 射場敏明

【金沢大学第三内科関連のリンク】

金沢大学 血液内科・呼吸器内科HP

金沢大学 血液内科・呼吸器内科ブログ

研修医・入局者募集


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 18:26 | 血栓止血(血管診療) | コメント(0)

2009年10月19日

医師国家試験対策:統合試験過去問より(急性腎盂腎炎)

医師国家試験対策を兼ねて、金沢大学医学部の統合試験過去問の紹介と解説の記事を続けます。


医師国家試験、専門医試験、血液内科試験(輸血学を含む)← 関連記事

 

臨床長文問題

62歳女性。発熱および全身倦怠感のため来院した。
現病歴:1週間前から排尿時痛、頻尿がみられていた。3日前から39度台の高熱、全身倦怠感、口渇、血尿がみられるようになり、増悪するため来院。
既往歴:特記すべきことなし。
現 症:意識は清明。身長158cm、体重64kg。体温39.4℃。脈拍112/分、整。血圧98/62 mmHg。心音、呼吸音異常なし。腹部は平坦で、肝、脾、腎を触知しない。下肢に浮腫を認めない。
検査所見:赤血球348万、Hb 11.7g/dl、白血球11,400、血小板3.8万、PT 16.4秒(基準10〜14)、APTT 37.2秒(基準対照32.2)、フィブリノゲン180 mg/dl(基準200〜400)、FDP 42μg/ml(基準10以下)、ALT 28単位、LDH 217単位(基準176〜353)、クレアチニン 1.3 mg/dl 、CRP 14.8 mg/dl(基準0.3以下)。血液培養検査で大腸菌が検出された。



1)本症例の血液検査所見として、誤っているのはどれか。1つ選べ。

a Dダイマーの上昇
b ハプトグロビンの低下
c プロテインC活性の低下
d アンチトロンビン活性の低下
e トロンビン-アンチトロンビン複合体の上昇


2)本症例の治療として、正しいのはどれか。1つ選べ。


a 血漿交換
b 利尿剤の投与
c トラネキサム酸の投与
d アンチトロンビン濃縮製剤の投与
e 遺伝子組換え活性型第VII因子製剤の投与

 

【作問のねらい】

本症例は、膀胱炎から急性腎盂腎炎をきたし、菌血症、播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併している。

ハプトグロビンの低下は溶血でみられる所見であり、DICとは無関係である。

治療は、血漿交換はTTPの治療、利尿剤の投与は本症例では脱水状態で不適、トラネキサム酸はDICに対して禁忌、遺伝子組換え活性型第VII因子製剤血友病インヒビター治療薬である。

【正答】

1)b

2)d

 


【シリーズ記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:27 | 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

2009年10月18日

医師国家試験対策:統合試験過去問より(出血性素因)

金沢大学医学部の統合試験過去問の紹介と解説の記事を続けます。


医師国家試験、専門医試験、血液内科試験(輸血学を含む)← 関連記事をご覧いただけます。

 

臨床問題

25歳女性。出産時に大出血をきたしたため、精査目的に来院した。幼少時から鼻出血をきたしやすく、妹も頻回に鼻出血がみられている。血液学的検査:白血球 6,700、赤血球 322万、Hb 11.2g/dl、血小板 25.8万、ALT 23単位、クレアチニン 0.8mg/dl、LDH 243単位(基準176〜353)、出血時間18分(基準7分以下)、PT 11.8秒(基準10〜14)、APTT 63.2秒(基準対照32.2)、FDP 4μg/ml(基準10以下)、CRP 0.1 mg/gl(基準0.3以下)。

次回に早急な止血を必要とする出血がみられた際に、用いるべき治療薬はどれか。1つ選べ。 


a DDAVP
b 濃厚血小板
c 新鮮凍結血漿
d ビタミンK製剤
e 第IX因子濃縮製剤


【作問のねらい】

 幼少時からの鼻出血、妹にも出血傾向(遺伝性疾患)、出血時間延長(血小板数正常)、APTT延長PT正常)より、von Willebrand病と考えられる。

 DDAVPには、血管内皮からvon Willebrand因子を放出させる作用があり、von Willebrand病の止血目的に用いられている。

 濃厚血小板は血小板数低下はなく不要、新鮮凍結血漿は全凝固因子が低下した病態(肝不全など)での凝固因子補充目的に使用、ビタミンK製剤はビタミンK欠乏症に使用、第IX因子濃縮製剤は血友病Bに使用する。

 なお、von Willebrand病の止血目的にDDAVPが用いられることについては、国試既出である。


【正答】 a

 

【シリーズ記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 07:28 | 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

2009年10月17日

医師国家試験対策:統合試験過去問より(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)

金沢大学統合試験過去問の紹介と解説の記事(医師国家試験対策を兼ねる)を続けます。

医師国家試験、専門医試験、血液内科試験(輸血学を含む)← 関連記事

 

臨床問題

64歳、男性。上腹部不快感のため近医で胃カメラを受けたところ、胃体部後壁に、浅い潰瘍を伴う3cm大の隆起性病変が認められた。生検の結果、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断された。

1)予後推定のため行われる検査のうち必要ではないものはどれか。

a LDHの測定
b 腹部CT
c 耳鼻咽喉病変のスクリーニング
d 可溶性IL-2レセプターの測定
e 骨髄生検


2)精査の結果、臨床病期IEと診断された。治療方針として適当なものはどれか。

a 胃全摘出術
b CHOP療法単独または放射線治療との併用
c ヘリコバクターの除菌
d リツキシマブ単独療法
e 放射線療法


【作問のねらい】

節外性非ホジキンリンパ種の中で、日本人にもっとも多い胃リンパ腫の診断・治療方法を問う問題である。

予後を推測するためにはLDH値、臨床病期、節外性病変の数などを決定する必要がある。

設問1の選択肢はいずれも重要であるが、dの可溶性IL-2レセプター値は予後指数の算定には不必要である。したがって正解はdとなる。

限局性中・高悪性度胃リンパ腫の治療は従来外科治療が中心であったが、最近では機能温存のため化学療法と放射線治療の併用が標準的とされている。

ヘリコバクターの除菌はMALTリンパ種に対する治療である。リツキシマブ単独療法は中・高悪性度胃リンパ腫に対する標準的な治療ではない。放射線療法も単独では不十分である。したがって正解はbとなる。

【正答】

1)d

2)b

 

【シリーズ記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:10 | 医師国家試験・専門医試験対策

2009年10月16日

医師国家試験対策:統合試験過去問より(白血病、フェリチン)

金沢大学統合試験過去問の紹介と解説の記事(医師国家試験対策を兼ねる)を続けます。

医師国家試験、専門医試験、血液内科試験(輸血学を含む)← 関連記事

 

臨床問題

疾患と治療の結びつきの中で誤っているのはどれか。 

a 急性前骨髄球性白血病 ー 亜ヒ酸
b 慢性骨髄性白血病 ー メシル酸イマチニブ
c 再生不良性貧血 ー インターフェロンα
d 濾胞性リンパ腫 ー リツキシマブ
e 多発性骨髄腫 ー サリドマイド


【作問のねらい】

 話題の新薬と、それが適応となる疾患を問う問題である。

亜ヒ酸は、全トランスレチノイン酸抵抗性の急性前骨髄球性白血病に有効である(参考:急性骨髄性白血病)。

メシル酸イマチニ ブは現在では慢性骨髄性白血病に対する第一選択薬となっている。

インターフェロンαは骨髄毒性があるため、再生不良性貧血に対してはむしろ禁忌である。

リ ツキシマブ(キメラ型抗CD20抗体)は、濾胞性リンパ腫を含む非ホジキンリンパ腫に有効な薬剤である。

サリドマイドは多発性骨髄腫の3〜4割の患者に奏 効する。したがって正解はCである。

 

【正答】 c

 

 


必修問題

血清フェリチンに関する記載で誤っているのはどれか。 

a ヘモクロマトーシスのマーカーとして有用である。
b 鉄欠乏状態では低下する。
c トランスフェリンと鉄との複合体である。
d 輸血によって一過性に上昇する。
e 血球貪食症候群で著増する。

 

【作問のねらい】

 貯蔵鉄を反映するマーカーであるフェリチンの意義を問う問題である。

フェリチンは、鉄過剰状態では翻訳が亢進するため増加し、逆に鉄欠乏状態では低下する。

フェリチンはアポフェリチンと鉄との複合体である。

輸血により鉄負荷がかかると、肝細胞でのアポフェリチン産生が刺激されるため一過性にフェリチン値は上昇する(参考:輸血後鉄過剰症と鉄キレート療法)。

フェリチンはマクロファージからも産生されるため、網内系が活性化される血球貪食症候群では著増する。したがって正解はCである。


【正答】 c


 

【シリーズ記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:14 | 医師国家試験・専門医試験対策

2009年10月15日

医師国家試験対策:統合試験過去問より(胸部異常陰影:上肺野)

 医師国家試験、専門医試験、血液内科試験 ← 関連記事

金沢大学医学部統合試験(呼吸器内科)過去問を続けます。

〜過去問の紹介と解説の記事(兼:医師国家試験対策)〜
    

                                    

次の分を読み、1、2の問いに答えよ。

 19歳、女性、東南アジアからの留学生。胸部異常陰影と胸痛の精査目的に来院した。

現病歴

:10月中旬に保健所で受けた結核管理検診の胸部単純X線検査で、右上肺野に異常陰影を指摘され、結核再々発疑いとして、即日紹介受診となった。9月初旬より、湿性咳嗽と認めていたが、発熱や寝汗などの自覚症状はなかった。誘発喀痰検査で、抗酸菌塗抹陰性を確認し、結核菌のPCR検査と培養検査を提出して、クラリスロマイシンを処方して3日後に予約受診とした。しかし、吸気時に増強する右側胸部から前胸部にかけての痛みが出現したため、予約前日に受診し、精査加療目的で入院となった。

既往歴:肺炎(3歳)。3年前、母国で肺結核としての治療歴あり。2年前に来日した時にも、千葉で肺結核再燃として再度結核の治療を受けた。ただし、2回のエピソードとも結核菌は検出されていない。

現 症:意識は清明。身長 163cm、体重 51 kg。体温 37.1℃。座位で脈拍119/分、血圧92 / 58 mmHg。心音に異常なし。呼吸音は右前胸部にて吸気時にcoarse cracklesを聴取。腹部は平坦で圧痛や叩打痛はなく、肝・脾は触診しない。下肢に浮腫を認めない。

入院時検査所見
尿所見:蛋白(—)、糖(—)。

血液所見:WBC 7,700 /μl (Neu54 %, Eos 6 %, Bas 0 %, Mon 10 %, Lym 30 %)、RBC 442x104 /μl、Hb 13.2 g/dl、Ht 39.7 %、Plt 34.3x104 /μl。


血清生化学所見:総蛋白7.7 g/dl (alb 57.9 %、α1-gl 3.8%、α2-gl 13.3%、β-gl 9.0%、γ-gl 15.1 %)、BUN 11 mg/dl、Cr 0.5 mg/dl、AST 13単位(基準40以下)、ALT 10 単位(基準35以下)、LDH 411単位(正常176〜353)、ALP 177 単位(基準330以下)、γ-GTP 9 単位(基準40以下)、T-Cho 168 mg/dl、TG 124 mg/dl、Na 138mEq/l、K 4.2 mEq/l、Cl 105 mEq/l、血沈(1時間値)91 mm、CRP 4.2mg/dl、FBS 120 mg/dl、フィブリノゲン 594 mg/dl、総IgE値 1100 IU/ml。

動脈血ガス分析所見: pH 7.413、Pco2 38.1 torr、Po2 70.0 torr、HCO3- 24.3 mmol/l。

喀痰検査:細菌培養 常在菌のみ。

細胞診 陰性。
結核菌の塗抹、培養、核酸増幅法ともに陰性、炎症細胞分画 好中球67.7%、リンパ球4.0%、好酸球26.0%、マクロファージ3.3%。
ツ反:陰性。

胸部X線写真 入院時(別冊No. 1 A, B)および治療経過(別冊No. 1 C)を別に示す。

レントゲン1A
レントゲン1B
レントゲン1C


1)最も考えられるのはどれか。
           
a 肺結核                    
b 肺非結核性抗酸菌症                    
c アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
d 肺癌
e 細菌性肺炎


2)確定診断のために必要な検査はどれか、三つ選べ。

a 喀痰真菌培養検査                        
b 肺動脈造影検査                
c 特異的IgE抗体検査            
d 沈降抗体検査                
e 気道過敏性検査

 

【作問のねらい】

繰り返す胸部異常陰影(本例では3回)を呈する疾患に関する問題である。

上肺野優位に発症する疾患を問う問題でもある。過去2回のエピソードでは肺結核と診断されているが、その証拠(結核菌の検出)は得られていない。

気管支喘息の既往はないが、今回入院時の検査にて、末梢血好酸球増加、総IgE値高値、喀痰中好酸球増加などの所見より、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症を疑うことができる。

設問2は、診断のために必要な検査についての問題であり、喀痰真菌培養にてアスペルギルスが検出され、アスペルギルスに対する特異的IgE抗体と沈降抗体が陽性であれば、その疑いは強くなる。

本問題では、治療によって異常陰影がどのように軽快したかを示してあるが、軽快中のCT写真にて本症に特徴的な中心型気管支拡張の所見がみられる。

【正答】

1)c

2)a、c、d

 

 

 

【関連記事】  好酸球性下気道疾患

1)概念 & β2-刺激薬の特徴

2)咳喘息

3)アトピー咳嗽 & 非喘息性好酸球性気管支炎

4)咳喘息・アトピー咳嗽・非喘息性好酸球性気管支炎の関係

 

 

【関連記事】  咳嗽の診断と治療

1)ガイドライン

2)咳嗽の定義 & 性状

3)急性咳嗽

4)遷延性咳嗽 & 慢性咳嗽

5)咳嗽の発症機序

6)診断フローチャート

7)咳喘息

8)アトピー咳嗽 vs. 咳喘息

9)副鼻腔気管支症候群(SBS)

10) 胃食道逆流症(GERD)

11)慢性咳嗽&ガイドライン

 

【関連記事】

慢性咳嗽の診療

非小細胞肺癌治療の最前線

肺がんに気づくサイン

【リンク】

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


続きを読む...

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:47 | 医師国家試験・専門医試験対策

2009年10月14日

医師国家試験対策:統合試験過去問より(単音性連続性副雑音、喘息)

医師国家試験、専門医試験、血液内科試験 ← 関連記事

今回は、呼吸器内科です(金沢大学医学部統合試験)

〜過去問の紹介と解説の記事(兼:医師国家試験対策)〜

 

単音性連続性副雑音が聴取されるのはどれか。
          
a 気管支喘息                        
b 気管狭窄
c 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
d 間質性肺炎
e 肺気腫                                                                        


【作問のねらい】

肺の聴診の基本事項である。

 

【正答】 b

 

 

40歳の女性。15年前より喘鳴と呼吸困難発作を認めるようになった。2日前に水様性鼻汁、咽頭痛、38.0℃の発熱を認め、近医にて処方された薬剤を内服したところ、高度の喘鳴と呼吸困難が出現したため救急受診した。
 
処方してはいけないのはどれか。


a β2-交感神経刺激薬の吸入投与
b ステロイド薬の経口投与   
c 抗コリン薬の吸入投与
d コハク酸エステル型ステロイド薬の急速静注           
e テオフィリンの持続点滴    

                                                                     

【作問のねらい】

解熱鎮痛薬喘息(アスピリン喘息)に投与禁忌の薬剤を知っておくことは、医療安全対策として重要である。

【正答】d

 

【関連記事】  好酸球性下気道疾患

1)概念 & β2-刺激薬の特徴

2)咳喘息

3)アトピー咳嗽 & 非喘息性好酸球性気管支炎

4)咳喘息・アトピー咳嗽・非喘息性好酸球性気管支炎の関係

 

【関連記事】  咳嗽の診断と治療

1)ガイドライン

2)咳嗽の定義 & 性状

3)急性咳嗽

4)遷延性咳嗽 & 慢性咳嗽

5)咳嗽の発症機序

6)診断フローチャート

7)咳喘息

8)アトピー咳嗽 vs. 咳喘息

9)副鼻腔気管支症候群(SBS)

10) 胃食道逆流症(GERD)

11)慢性咳嗽&ガイドライン

 

【関連記事】

慢性咳嗽の診療

非小細胞肺癌治療の最前線

肺がんに気づくサイン


【リンク】

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:45 | 医師国家試験・専門医試験対策

2009年10月13日

金沢大学血液内科・呼吸器内科(第三内科)HP:検索で到達

最近1ヶ月間で、金沢大学 血液内科・呼吸器内科(第三内科)ホームページに、検索で到達された場合の、検索フレーズランキングです(ブログは除いています)。

最近1ヶ月間では、輸血後鉄過剰症で検索されて到達される場合がダントツに多いのが注目されます。

また、「金沢大学 第三内科」での検索のように、初めから当科HPへの到達を目的にご訪問いただいている方がとても多いのも注目されます。大変感激いたしています。多大なご支援いただき、ありがとうございます。

 

1 輸血後鉄過剰症 26.3%  
2 DIC 治療 6.5%  
3 dic 治療 2%  
4 金沢大学 血液内科 1.3%  
5 ○○○○ 0.9%  
6 血管内リンパ腫 0.8%  
7 DIC 治療 0.8%  
8 輸血後鉄過剰 0.7%  
9 輸血後鉄過剰症 沈着 0.7%  
10 悪性リンパ腫 0.5%  
11 急性骨髄性白血病 生存率 0.5%  
12 汎血球減少 0.5%  
13 DIC治療 0.5%  
14 金沢大学第三内科 0.5%  
15 鉄過剰症 0.4%  
16 金沢大学 PNH 0.3%  
17 金沢大学 血液内科 0.3%  
18 金沢大学 第三内科 0.3%  
19 汎血球減少 鑑別 0.3%  
20 金沢大学 血液 0.3%  
21 金沢 血液 0.3%  
22 金沢大学血液内科 0.2%  
23 金沢大学病院 0.2%  
24 造血幹細胞移植 0.2%  
25 金沢大学付属病院 0.2%  
26 小細胞癌 治療


【リンク】

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。

 

【推薦記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

播種性血管内凝固症候群(インデックスページ)ー図解ー


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:30 | その他 | コメント(0)

2009年10月12日

金沢大学第三内科HP:使用される検索エンジン

金沢大学第三内科(血液内科・呼吸器内科)ホームページに、検索で到達された方が、どのような検索エンジンを使用されているかを調べてみました(ブログを除く)。

下図の通り(予想通り?)、YahooまたはGoogleの検索によるものがダントツ多いようです。

特に、私たちのHPは、Yahooに対する相性が、やや良好なようです。

 


1 Yahoo!JAPAN 53.5%  
2 Google 42%  
3 BIGLOBE 1%  
4 Bing 1%  
5 Goo 0.9%  
6 @nifty 0.3%  
7 Excite 0.3%  
8 OCN 0.2%  
9 infoseek 0.1%  
10 livedoor 0.06%  
  その他少数派(1件) 0.03%  



【リンク】

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。

 

【推薦記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

播種性血管内凝固症候群(インデックスページ)ー図解ー


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:29 | その他 | コメント(0)

2009年10月11日

医師国家試験 問題対策:血液内科(血栓止血領域)

国試対策の記事を続けていますので、インデックスページを作成しておきたいと思います。

領域は、血液内科の中でも血栓止血領域のみです


血液内科(血栓止血領域) <医師国家試験問題対策>

【総論】

1)抗凝固剤
2)血液凝固因子
3)血液凝固の機序
4)血液凝固カスケード
5)線溶機序
6)凝固系検査


【先天性出血性素因】

7)先天性出血性素因
8)血友病A&B
9)von Willebrand病
10)血友病&von Willebrand病の比較


【後天性出血性素因】

11)ビタミンK欠乏症 
12)Schönlein-Henoch紫斑病 (アレルギー性紫斑病)
13)特発性血小板減少性紫斑病
14)第VIII因子インヒビター(循環抗凝固因子)など


【先天性血栓性素因】

15)先天性血栓性素因(先天性アンチトロンビン欠損症など)


【後天性血栓性素因】

16)抗リン脂質抗体症候群     
17)高Lp(a)血症など   
18)ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)など 
19)DICの概念・症状・予後 
20)DICの診断基準・血液検査  
21)DICの病型分類
22)
DICの治療
23)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
24)溶血性尿毒症症候群(HUS)&HELLP症候群
25)
自己免疫性血栓症、出血&血栓の共存病態

 

【止血剤など】

26)止血剤・血液凝固因子製剤

 

 


【関連記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 04:51 | 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

2009年10月10日

人気ブログ記事ランキング(医学分野):金沢大学第三内科

金沢大学第三内科(血液内科・呼吸器内科)のブログである「血液・呼吸器内科のお役立ち情報」において、アクセスの特に多い記事のランキングを紹介させていただきます。

いわゆる人気ブログ記事ランキング医学分野)の金沢大学第三内科バージョンということになります。

最近1ヶ月間の集計です。

血液凝固検査関連、播種性血管内凝固症候群(DIC)ワルファリン関連記事へのアクセスが多いようです。

PT-INR関連記事へのアクセスは以前から多かったのですが、現在でもその傾向は継続しているようです。


  /23566.html 4,401   5.23%    
  /22533.html 4,197   4.99%    
  /28676.html 1,819   2.16%    
  /23690.html 1,719   2.04%    
  /24539.html 1,665   1.98%    
  /23570.html 1,408   1.67%    
  /24152.html 1,117   1.33%    
  /23381.html 1,065   1.27%    
  /22018.html 941   1.12%    
  /24224.html 858   1.02%    

 

【リンク】

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 02:09 | その他 | コメント(0)

2009年10月9日

止血剤・血液凝固因子製剤:医師国家試験 問題対策

自己免疫性血栓症 & 出血と血栓症の共存:医師国家試験対策から続く。

医師国家試験問題対策インデックスページ)へ ← 国試対策インデックスページの記事にリンク。

止血剤の種類と疾患:ノボセブン、アドナ、トランサミンなどへ ← 本格記事



<医学部学生対象>
血液内科(血栓止血領域)(26)

 


止血ための薬物・血液製剤
【話題】


1. 遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(商品名:ノボセブン

      
・日本での保険適応は、血友病インヒビター【話題】後天性血友病【話題】のみ。

・ただし、各種出血に有効。たとえば、外傷、脳出血、血小板数低下の出血、血小板機能低下の出血、食道静脈瘤破裂、ワルファリンの過剰投与、ビタミンK欠乏症DICなど。

・いわゆる、究極の止血剤!

・ただし、血栓症合併の報告も皆無ではない。

・問題点:とても高価で、1A(4.8mg)43万円。日本では保険適応の制限。


2. トラネキサム酸(商品名:トランサミン

・線溶活性化に伴う出血に対しては著効!
(例)線溶亢進型DIC:ただしヘパリン類との併用で。

・ただし、線溶亢進型DICに対してであっても、トラネキサム酸単独投与は臓器障害をきたす懸念があり、危険【必須】


3. ビタミンK製剤

ビタミンK欠乏症の出血に対しては著効する。

ワルファリンの効果を中和する【既出】

ワルファリンが効きすぎていると、プロトロンビン時間(PT-INR)が高度延長【既出】

・出血時は経静脈的に投与するのが原則。なぜなら、閉塞性黄疸の要素があると、経口では吸収されない【注意】

・抗生剤投与症例では予防投与することもある。その理由は、ビタミンK欠乏症


4. 濃厚血小板(PC)

・血小板数低下、血小板機能低下の出血に有効。

・繰り返し投与により抗体産生の問題があるため、必要最小限とする。

 

5. 新鮮凍結血漿(FFP)

・FFPには全ての凝固因子が含有されている。

・凝固因子低下に伴う出血(肝不全時など)に対して有効。


6. デスモプレシン(DDAVP)

von Willebrand病(vWD)の出血に対して有効【既出】

・ただし、また反復投与により効果減弱。




【関連記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:04 | 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

2009年10月8日

北陸血栓研究会(旧:DIC研究会)の御案内

 

第7回 北陸血栓研究会

日 時:平成21年10月17日(土)16:00〜18:00
場 所:宝ホール(金沢大学附属病院 外来診療棟 4F) 

会費:500円(学生を除く):研修医の皆さん、学生の皆さんのご出席を歓迎致しています!

代表世話人 金沢大学医薬保健研究域医学系 細胞移植学  中尾 眞二               
当番世話人 金沢大学医薬保健研究域医学系 麻酔・蘇生学 山本 健                       


プログラム(敬称略)

学術情報提供
(16:00 〜 16:10) CSLベーリング株式会社

開会の挨拶    金沢大学医薬保健研究域医学系 麻酔・蘇生学  教授 山本 健

一般演題  (16:10 〜 17:10) 

座長:福井大学医学部 内科学(1) 浦崎芳正 

1.「 生体肝移植ドナー術後門脈血栓症の1例」

大西一朗, 林泰寛, 田島秀浩, 高村博之, 谷卓, 中川原寿俊, 北川裕久, 萱原正都, 太田哲生
金沢大学 消化器・乳腺外科

【指定発言】金沢大学附属病院 高密度無菌治療部 朝倉英策 


2.「トシリズマブを使用中に発症したA群溶連菌によるToxic shock like syndromeの1例」

下川一生1),有嶋拓郎1),若杉雅浩1),旭雄士1),工廣紀斗司1),渋谷伸子2),奥寺敬1)2)
1)    富山大学大学院 危機管理医学(救急・災害医学),2)富山大学附属病院 集中治療部

【指定発言】金沢大学附属病院 集中治療部 谷口巧 



座長:厚生連高岡病院 救命センター 廣田幸次郎
 

3.「止血困難な産科大量出血後DICに対し活性化第VII因子製剤投与にて救命しえた一例」

大洞由紀子, 島友子, 橋本誠治, 中島彰俊, 長谷川徹, 日高隆雄, 斎藤滋 
富山大学 産科婦人科  

【指定発言】芳珠記念病院 内科 青島敬二 


4.「急性期DIC診断の検証」


後藤由和1)、稲葉英夫2)
1)    金沢大学附属病院 救急部,2)金沢大学付属病院 救命センター

【指定発言】富山大学 集中治療部 渋谷伸子 


※演題追加の予定あり

− 休 憩 −  (17:10 〜 17:20)



教育講演  (17:20 〜 18:00)

座長 金沢大学医薬保健研究域医学系 麻酔・蘇生学 教授 山本 健

「関節リウマチの最新治療ー生物学的製剤による免疫制御ー」

金沢医科大学 血液免疫制御学  教授  梅原 久範



閉会の挨拶
   金沢大学医薬保健研究域医学系 細胞移植学 教授 中尾眞二 


謝辞  CSLベーリング株式会社  京都支店    福家 真治  


※   本研究会は、石川県病院薬剤師会生涯教育制度の1単位に該当。
※   本研究会は、日本臨床衛生検査技師会生涯教育研修制度 専門教科20点に該当。

共催:北陸血栓研究会、CSLベーリング株式会社、(社)石川県臨床衛生検査技師会
後援:石川県病院薬剤師会、(社)富山県臨床衛生検査技師会、(中間法人)福井県臨床検査技師会





【DIC関連のリンク】

播種性血管内凝固症候群(DIC)【カラー図解】

血液凝固検査入門【カラー図解】

 

【金沢大学第三内科関連のリンク】

金沢大学 血液内科・呼吸器内科HP

金沢大学 血液内科・呼吸器内科ブログ

研修医・入局者募集


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 00:58 | 研究会・セミナー案内 | コメント(0)

2009年10月7日

自己免疫性血栓症 & 出血と血栓症の共存:医師国家試験 問題対策

溶血性尿毒症症候群(HUS)&HELLP症候群:医師国家試験対策から続く。

医師国家試験問題対策インデックスページ)へ ← 国試対策インデックスページの記事にリンク。



<医学部学生対象>
血液内科(血栓止血領域)(25)

 

自己免疫性血栓症【話題】

Autoimmune thrombosis、自己抗体関連の血栓症


1)抗リン脂質抗体症候群(APS)

リン脂質、またはリン脂質に結合した蛋白に対する自己抗体が出現

動脈血栓症、静脈血栓症、女性では不育症(習慣性流産:胎盤に血栓)


2)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)

・von Willebrand 因子切断酵素(vWF-CP、ADAMTS13と同義)に対する自己抗体の出現

→同酵素の活性低下

→unusually large vWF multimerの形成

→血小板の凝集

→血栓症(特に脳)


3)ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)

ヘパリンを投与

→ヘパリン・PF4(血小板第4因子)複合体の形成

→同複合体に対する抗体の出現

→血小板に作用して血小板凝集

→血栓症

 



出血と血栓症の共存する病態【注意】

極めて治療が困難なことが多い

1)特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と、抗リン脂質抗体症候群(APS)の合併

2)播種性血管内凝固症候群(DIC)

3)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)

4)溶血性尿毒症症候群(HUS)

5)HELLP症候群

6)ヘパリン誘発性血小板減少症(HIT)

7)骨髄増殖性疾患:本態性血小板血症(ET) &真性赤血球増加症(PV)

8)電撃性紫斑病

9)異常フィブリノゲン血症





(続く)
止血剤・血液凝固因子製剤



 【関連記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:14 | 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

2009年10月6日

溶血性尿毒症症候群(HUS)&HELLP症候群:医師国家試験 問題対策

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP):医師国家試験対策から続く。

医師国家試験問題対策インデックスページ)へ ← 国試対策インデックスページの記事にリンク。



<医学部学生対象>
血液内科(血栓止血領域)(24)


溶血性尿毒症症候群(HUS)【重要疾患】

Hemolytic Uremic Syndrome


<本態>

・微小血管内皮障害、および血小板活性化が原因となって,微小な血小板血栓が多発し,血小板数低下に伴う出血傾向とともに,腎不全をきたす.
多発した微小血栓間を通過するため,赤血球破砕溶血性貧血の所見もきたす.
乳幼児に多い.
TTPの一亜型だが,TTPとは発症機序は異なる!
予後は比較的良好.

 

<発症機序>

TTPと異なり,vWF-CP(= ADAMTS13)に対する自己抗体の出現はない!
病原性大腸菌の産生するVero毒素が原因となることも.
上気道炎が先行することも.
薬剤性のものもあり.


<三主徴>
【完璧記憶!】

1. 血小板数減少
2. 溶血性貧血(赤血球破砕像)
3. 急性腎不全


<検査>

TTPと同じ + 腎不全の所見.
ただし、ADAMTS13に対する抗体の出現や、ADAMTS13活性の低下はない。


<治療>

腎不全の治療,血症交換など.

 

 

 

HELLP症候群【既出】【何の略か理解を!】

産科での重篤な合併症.
病態はTTP/HUSと類似する.自己抗体の出現はなし。

Hhemolysis(溶血)
ELelevated liver enzyme(肝酵素の上昇)
LPlow platelet(血小板数減少)


 


血栓性微小血管障害(TMA)
【話題】
thrombotic microangiopathy

血栓性微小血管症とも
TTP、HUS、HELLPなどをまとめた概念。

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP):脳

溶血性尿毒症性症候群(HUS):腎

HELLP症候群:肝


(続く)
自己免疫性血栓症、出血&血栓の共存病態



 【関連記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:48 | 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

2009年10月5日

静脈血栓塞栓症(VTE)予防フォーラム

VTE予防フォーラム 〜抗凝固薬の適切な使用をめざして〜

関連記事:深部静脈血栓症/肺塞栓


日 時:2009年11月6日(金)19:00 〜
場 所:ホテル金沢 
4階「エメラルド」の間


製品紹介: 合成Xa阻害剤『アリクストラ皮下注』

(プログラム)

開会の挨拶: 金沢大学大学院医学系研究科 がん局所制御学分野 教授 太田 哲生 先生

第1部《基調講演》

「消化器癌手術における静脈血栓塞栓症のリスク」

座長 金沢大学大学院医学系研究科 がん局所制御学分野 教授 太田 哲生 先生
演者 癌研有明病院 消化器外科 山田 和彦 先生

第2部《パネルディスカッション》

「抗凝固薬の適切な使用をめざして」

司会進行 金沢大学附属病院 高密度無菌治療部 准教授 朝倉 英策  

パネリスト (五十音順) 
大竹 裕志 先生(金沢大学附属病院 心肺・総合外科)
北川 育秀 先生(金沢大学附属病院 泌尿器科)
坪川 恒久 先生(金沢大学附属病院 麻酔科蘇生科)
水本 泰成 先生(金沢大学附属病院 産科婦人科)
山田 和彦 先生(癌研有明病院 消化器外科)


閉会の挨拶: 金沢大学附属病院 高密度無菌治療部 准教授 朝倉 英策  

主催:グラクソ・スミスクライン株式会社



【リンク】

播種性血管内凝固症候群(DIC)【カラー図解】

血液凝固検査入門【カラー図解】

 

【金沢大学第三内科関連のリンク】

金沢大学 血液内科・呼吸器内科HP

金沢大学 血液内科・呼吸器内科ブログ

研修医・入局者募集


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 04:28 | 研究会・セミナー案内 | コメント(0)

2009年10月4日

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)とは:医師国家試験 問題対策

DICの治療:医師国家試験対策から続く。

医師国家試験問題対策インデックスページ)へ ← 国試対策インデックスページの記事にリンク。



<医学部学生対象>
血液内科(血栓止血領域)(23)


血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)【重要疾患】【話題!】

Thrombotic Thrombocytopenic Purpura



<本態>

微小血管内皮障害、および血小板活性化が原因となって(注:DICは凝固活性化),微小な血小板血栓が多発し,血小板数低下に伴う出血傾向とともに,動揺する精神症状をきたす.

多発した微小血栓間を通過するため,赤血球破砕溶血性貧血の所見もきたす.


<発症機序>
近年,遂に,明らかになった!!

von Willebrand因子(vWF)切断酵素(vWF-CP)(ADAMTS13とも言う)に対する自己抗体が出現することにより,この酵素活性が著減する.

その結果,unusually large vWFが出現し,血小板凝集が進行する.


<五主徴>【完璧に記憶を!】

1.血小板数減少
2.溶血性貧血(赤血球破砕像)
3.動揺する精神症状
4.腎障害
5.発熱


<検査>【頻出】

・血小板数減少.赤血球破砕像(+)【血液像超頻出】
原則として凝固線溶関連マーカーは正常(FDP, D-dimerは正常). 
溶血性貧血の所見:間接ビリルビンの上昇LDHの上昇ハプトグロビンの低下
自己免疫性の溶血ではないので、クームス試験陰性.


<治療>

1. 血漿交換(plasma exchange)【ヤマ】: その3つの意味!

1)von Willebrand因子(vWF)切断酵素(= ADAMTS13)に対する自己抗体の除去
2)unusually large vWFの除去
3)von Willebrand因子(vWF)切断酵素
(= ADAMTS13)を提供.

血漿交換は、最も即効性の効果が期待できる.
ただし,副腎皮質ステロイドを併用しないと一時的効果に終わることもあり.

2. 新鮮凍結血漿(FFP)輸注.
von Willebrand因子(vWF)特異的切断酵素(= ADAMTS13)を提供.
ただし,副腎皮質ステロイドを併用しないと一時的効果に終わることもあり.

3.   副腎皮質ステロイド:自己抗体を消失させる.

4.   濃厚血小板:絶対に禁忌!!【超重要】【ヤマ】
濃厚血小板輸注で五主徴が明確化することあり。

 

 

Upshaw-Schulmanアップショー・シュールマン症候群

生後間もなく重症黄疸と血小板減少で発症。
いわゆる、先天性のTTP。
先天性に、vWF-CP(ADAMTS13)が欠損しているために、TTP症状が出現。
定期的な、FFPの輸注が大変有効。


 
(続く)
溶血性尿毒症症候群(HUS)&HELLP症候群



 【関連記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:05 | 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

2009年10月3日

DICの治療:医師国家試験 問題対策

DICの病型分類 :医師国家試験対策から続く。


詳細記事へのリンクもつけておきます。

播種性血管内凝固(DIC)(カラー図解シリーズ)へ
DICの治療などへ

医師国家試験問題対策インデックスページ)へ ← 国試対策インデックスページの記事にリンクしています。



<医学部学生対象>
血液内科(血栓止血領域)(22)


播種性血管内凝固症候群(DIC)[その4]
【重要疾患】【必須】

Disseminated Intravascular Coagulation


<DICの治療>


1. 基礎疾患の治療:いかなる場合も最重要.


2. 抗凝固療法:ヘパリンなど

(抗凝固療法の考え方) 
・DICの本態は極端な凝固活性化状態。
抗凝固療法により凝固活性化に歯止めをかける。


3. 補充療法
・濃厚血小板(血小板の補充)
新鮮凍結血漿(凝固因子の補充)


4.  抗線溶療法(トラネキサム酸<商品名:トランサミン>など)
線溶抑制型のDIC(敗血症に合併したDICなど)では絶対禁忌!

(参考:DICに対するトランサミン投与と死亡率 へ)

 

<抗凝固療法の実際> DIC治療薬

1. ヘパリン【既出】
アンチトロンビン(AT)の作用を加速する.
最近は,出血の副作用の少ない低分子ヘパリンも(ヘパリン類の特徴へ).

2.    アンチトロンビン濃縮製剤【既出】
ATの低下したDICではヘパリンの効果が期待できないため、本剤を併用する。

3. 合成抗トロンビン薬
メシル酸ガベキサート ( FOY )
メシル酸ナファモスタット( FUT )(商品名:フサン)

4. 遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤(商品名:リコモジュリン)【新薬】

 


(続く)
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)



 【関連記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:16 | 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

2009年10月2日

DICの病型分類:医師国家試験 問題対策

DICの診断基準・血液検査 :医師国家試験対策から続く。



詳細記事へのリンクもつけておきます。

播種性血管内凝固(DIC)(カラー図解シリーズ)へ

DICの治療などへ


医師国家試験問題対策インデックスページ)へ ← 国試対策インデックスページの記事にリンクしています。



<医学部学生対象>
血液内科(血栓止血領域)(21)


播種性血管内凝固症候群(DIC)[その3]
【重要疾患】【必須】

Disseminated Intravascular Coagulation


DICの病型分類

凝固活性化と線溶活性化は平行して進行しているが,両者のバランスは基礎疾患により相当異なる.


線溶抑制型DIC(旧名称:凝固優位型DIC)

敗血症に合併したDICが代表.

線溶活性化が軽度のため,微小血栓が溶解されにくく,微小循環障害が見られやすく,臓器症状がみられやすい.

検査所見上は,TATは上昇するが,PICの上昇は軽度である.

線溶阻止因子であるPAI は,著増。


線溶亢進型DIC(旧名称:線溶優位型DIC)

急性前骨髄球性白血病(APL)、腹部大動脈瘤、前立腺癌に合併したDICが代表.
 (注意)
APL細胞:Auer小体、faggot、アズール顆粒。APLには全トランス型レチノイン酸(all-trans retinoic acid:ATRA)が有効

線溶活性化が高度のため,微小血栓が溶解されやすく,微小循環障害が見られにくく,臓器症状はみられにくい.

逆に,止血血栓が溶解されやすく出血症状がみられやすい.

検査所見上は,TAT,PICともに上昇.

一方,線溶阻止因子である,PAIは,正常.もう一つの,線溶阻止因子である,α2PI は著減。


DIC準備状態

DICは予後不良な症候群である.

DIC準備状態の診断により、早期治療につながり予後を改善しうる可能性がある.


(続く)
DICの治療



 【関連記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:49 | 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

2009年10月1日

「医師国家試験 過去問」の検索で2位になりました。

医師国家試験

 

 

最近、医師国家試験対策用の記事を連続してアップしてまいりました。

医師国家試験問題対策インデックスページ)へ


その効果があってか(?)、「医師国家試験 過去問」で掛け合わせGoogle検索を行ったところ、私たちのブログ(血液・呼吸器内科のお役立ち情報)の記事が、何と2位で検索されてきました。

検索順位は、時間単位で変動していますので、一時的な現象かもしれませんが、一時的にせよこのようなビッグキーワードの掛け合わせ(348,000記事も検索されてきます)で検索順位で2位に位置したのは、かなり意味があるのではないかと思っています。

上図はその時の証拠写真です。

 

いつも、このブログに対して多大なご支援をいただきありがとうございます。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

医師国家試験問題対策インデックスページ)へ ← 国試対策インデックスページの記事にリンクしています。



【関連記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 03:07 | その他 | コメント(0)

DICの診断基準・血液検査:医師国家試験 問題対策

DICの概念・症状・予後など :医師国家試験対策から続く。



詳細記事へのリンクもつけておきます。

播種性血管内凝固(DIC)(カラー図解シリーズ)へ

DICの治療などへ


医師国家試験問題対策インデックスページ)へ ← 国試対策インデックスページの記事にリンクしています。



<医学部学生対象>
血液内科(血栓止血領域)(20)


播種性血管内凝固症候群(DIC)[その2]
【重要疾患】【必須】

Disseminated Intravascular Coagulation


<診断>

旧厚生省DIC診断基準:以下項目の有無または値によりスコアリング.

1. 基礎疾患の存在.
2. 出血症状の存在.
3. 臓器症状の存在.
4.    血小板数の低下
【必須】
5.    血中FDP(Dダイマー)の上昇
【必須】
6.    血中フィブリノゲンの低下
【既出】
7.    プロトロンビン時間(PT)の延長(進行例ではAPTTの延長もみられることあり)【既出】

DIC診断基準にはその他、急性期DIC診断基準などもあります。


<検査所見>

旧厚生省DIC診断基準に掲載以外のもの。
診断に直接は用いられないが,病態把握,治療法決定に重要

1. アンチトロンビン (AT)の低下【既出】:消費性凝固障害の一環として、活性型凝固因子と1:1結合

2. プラスミノゲンの低下、α2プラスミンインヒビター(
α2PI)の低下。消費性凝固障害の一環として、二次線溶に伴い消費される.

3. トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)の上昇【既出】

4. プラスミン-α2PI複合体(PIC) の上昇【重要】

 

 

(続く)
DICの病型分類



 【関連記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 03:06 | 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

<< 2009/09トップページ2009/11 >>
▲このページのトップへ